TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
莉里ちゃんは小さくて大きくて
今日の放課後は莉里ちゃんと図書館へ向かうことになっている。
湖月ちゃんと愛ちゃんにまたねの言葉を告げて、待ち合わせ場所の莉里ちゃんのクラスへと向かう。
「あ、団長だ! こんにちは!」
「団長ちゃんだー!」
「お、団長さんじゃん。三年のクラスに用か?」
一つ上の学年へ行くので奇異の目で見られるかなと思っていると、どうやら運動会の応援合戦で私のネームバリューは跳ね上がっているようで、擦れ違う三年生たちが挨拶してくれます。
あまり他学年のクラスに行くことがないので柄にもなく緊張していましたが、心配するだけ損でした。
声を掛けてくれる人たちに軽く言葉を返しつつ、目的地のクラスへと到達しました。
まだ生徒が沢山残っている教室の中央、本を読む莉里ちゃんを見つけた私は声を掛けながら近づいていきます。
「莉里ちゃん! 来たよ!」
「……千佳?」
「うんそうだよ!」
「……先生がまだ」
「先生?」
「……終わりの会してない」
「……も、もしかしてクラスの人が皆いるのって?」
「……先生を待ってる」
やけに人が多いと思えば、そういう理由だったらしい。
はやちとりでちょっぴり恥ずかしいのと、終わりの会の邪魔になっちゃうので一度教室を出ようと思い莉里ちゃんに伝えると。
「……ここに座って」
莉里ちゃんが椅子から半分ズレて、私が座るスペースを作ってくれた。
いや、さすがに他学年の私がいるのは不味いでしょ?
「……」
無言で椅子をポンポンと叩く莉里ちゃん。
「莉里ちゃん。私教室の外で待ってるから」
「……駄目」
「いや、駄目とかそういうことでは」
「……駄目?」
「わ、分かりました」
この子涙目になれば私が言う事を聞いてくれるって分かってやってるのでは?
いや、そんな悪い子なわけない。
でも、小悪魔な莉里ちゃんもそれはそれでいいかもしれない。
……いやいや、妄想している場合じゃない! と私が邪な考えを振り払っていると丁度このクラスの先生がやってきて、こちらを見てビックリしています。
どうやら先生は、というかこの学校の先生全員は私のことを既に知っているらしい、それも運動会の前から。
職員室でよく話が出るようで、私の終わりの会参加の許可も出してくれた。
「……ありがとう、先生」
「あ、ありがとうございます」
ちょっと、九重先生?
もしかして職員室でお話しされてたりしません? しませんよね?
いや、絶対してる。
そんなこんなで私は莉里ちゃんと椅子を半分こして座ろうとします、が。
「……えい」
「ちょ、莉里ちゃん!? なんで膝の上に!」
「……落ち着く」
椅子に座った瞬間に私は腕を引かれ椅子の中央へ、そして莉里ちゃんは私の膝の上へと位置を変えました。
莉里ちゃんはとても小柄で私よりも小さいので、バランス的には問題はありません。
しかし、こんなのことを許していいのか先生。
いや、笑ってないで止めてくださいよ先生、それに周りの先輩方も。
そうして最後の挨拶まで莉里ちゃんは私の膝の上で楽しそうに揺れているのでした。
あまりに体を揺らすので腕を脇から通して、抱っこする形にして安定させたのですがここで重大な事件が発生しました。
……大きいのです。
一つ上ということを差し置いても私より小柄。
なのに、私より、大きいのです!
……いや、まだ私は小学二年生。
成長の余地はあるはず!
腕に触れるその柔らかな感触に癒され、そして心を抉られながらもようやく私たちは図書館へと向かうのでした。
湖月ちゃんと愛ちゃんにまたねの言葉を告げて、待ち合わせ場所の莉里ちゃんのクラスへと向かう。
「あ、団長だ! こんにちは!」
「団長ちゃんだー!」
「お、団長さんじゃん。三年のクラスに用か?」
一つ上の学年へ行くので奇異の目で見られるかなと思っていると、どうやら運動会の応援合戦で私のネームバリューは跳ね上がっているようで、擦れ違う三年生たちが挨拶してくれます。
あまり他学年のクラスに行くことがないので柄にもなく緊張していましたが、心配するだけ損でした。
声を掛けてくれる人たちに軽く言葉を返しつつ、目的地のクラスへと到達しました。
まだ生徒が沢山残っている教室の中央、本を読む莉里ちゃんを見つけた私は声を掛けながら近づいていきます。
「莉里ちゃん! 来たよ!」
「……千佳?」
「うんそうだよ!」
「……先生がまだ」
「先生?」
「……終わりの会してない」
「……も、もしかしてクラスの人が皆いるのって?」
「……先生を待ってる」
やけに人が多いと思えば、そういう理由だったらしい。
はやちとりでちょっぴり恥ずかしいのと、終わりの会の邪魔になっちゃうので一度教室を出ようと思い莉里ちゃんに伝えると。
「……ここに座って」
莉里ちゃんが椅子から半分ズレて、私が座るスペースを作ってくれた。
いや、さすがに他学年の私がいるのは不味いでしょ?
「……」
無言で椅子をポンポンと叩く莉里ちゃん。
「莉里ちゃん。私教室の外で待ってるから」
「……駄目」
「いや、駄目とかそういうことでは」
「……駄目?」
「わ、分かりました」
この子涙目になれば私が言う事を聞いてくれるって分かってやってるのでは?
いや、そんな悪い子なわけない。
でも、小悪魔な莉里ちゃんもそれはそれでいいかもしれない。
……いやいや、妄想している場合じゃない! と私が邪な考えを振り払っていると丁度このクラスの先生がやってきて、こちらを見てビックリしています。
どうやら先生は、というかこの学校の先生全員は私のことを既に知っているらしい、それも運動会の前から。
職員室でよく話が出るようで、私の終わりの会参加の許可も出してくれた。
「……ありがとう、先生」
「あ、ありがとうございます」
ちょっと、九重先生?
もしかして職員室でお話しされてたりしません? しませんよね?
いや、絶対してる。
そんなこんなで私は莉里ちゃんと椅子を半分こして座ろうとします、が。
「……えい」
「ちょ、莉里ちゃん!? なんで膝の上に!」
「……落ち着く」
椅子に座った瞬間に私は腕を引かれ椅子の中央へ、そして莉里ちゃんは私の膝の上へと位置を変えました。
莉里ちゃんはとても小柄で私よりも小さいので、バランス的には問題はありません。
しかし、こんなのことを許していいのか先生。
いや、笑ってないで止めてくださいよ先生、それに周りの先輩方も。
そうして最後の挨拶まで莉里ちゃんは私の膝の上で楽しそうに揺れているのでした。
あまりに体を揺らすので腕を脇から通して、抱っこする形にして安定させたのですがここで重大な事件が発生しました。
……大きいのです。
一つ上ということを差し置いても私より小柄。
なのに、私より、大きいのです!
……いや、まだ私は小学二年生。
成長の余地はあるはず!
腕に触れるその柔らかな感触に癒され、そして心を抉られながらもようやく私たちは図書館へと向かうのでした。
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