引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
よくわからない視線
シュロン学園。
入学式。
広大なホールに何千もの椅子が並べられている。
生徒と保護者は一旦ここでお別れとなり、それぞれの区分に着席している。
この時点でクラス分けはされておらず、入場した順番に生徒が座る形となった。ゆえに、トルフィンはリュアと隣合わせで入学式に望むことになる。
開会にはまだ数分の時間があり、ホールは若干ざわついている。
「ね、ねえ……」
ガチガチに固まったリュアが、ぽつりと呟いた。
「ん?」
「同じクラス、なれるといいね……」
「お? 俺と同じクラスになりたいか」
「う、うん……」
ちょっと恥ずかしそうに頷く幼女。
――青春だ。これぞ青春。
入学式からもうこんなに仲良くなっちゃうなんて、なかなか順調なスタートじゃないのかしら。
などと考えながらニヤニヤ笑いを浮かべていると、
「なんかトルフィンくん変な顔」
と言われてしまったので、慌てて表情を引き締める。
それから数分後、小さなブザーが鳴り響き、式が始まった。
★
――始まったか。
開会のブザーを聞きながら、シュンはひとり、こほんと咳払いをした。彼は《教師席》の一番右に座っていた。
周囲には王妃ロニンと、女王セレスティア、それからシュロン学園の教師たちが座っている。
ロニンとセレスティアはともかく、教師たちはシュンを見てかなり萎縮しているようだ。国王に対して緊張するのは無理からぬ心理だが、いつかは距離を縮めていかなければなるまい。まずは一人一人の顔と名前をしっかり覚えて――
ん?
シュンが教師陣の顔を見渡していると、ふいに、ひとりの女性教師と目が合った。
名はたしかレイアといったはずだ。
彼女の特徴を上げるとすれば、そう、乳である。
でかいのだ。スーツ越しからでもハッキリとわかる。超でかい。
茶髪を腰のあたりまで伸ばし、大人びた知的な顔立ちも好印象だ。セレスティアいわく、彼女は魔法専門の教師らしい。
レイアはシュンと目が合った一秒後、恥ずかしそうに顔をそむけた。
そして何気なくまたチラチラ見てくるのだから、シュンとしては気になって仕方がない。なにか言いたいことでもあるのだろうか。
このとき、シュンは気づいていなかった。王妃ロニンが、シュンとレイアを交互にジト目で見ていることに。
入学式。
広大なホールに何千もの椅子が並べられている。
生徒と保護者は一旦ここでお別れとなり、それぞれの区分に着席している。
この時点でクラス分けはされておらず、入場した順番に生徒が座る形となった。ゆえに、トルフィンはリュアと隣合わせで入学式に望むことになる。
開会にはまだ数分の時間があり、ホールは若干ざわついている。
「ね、ねえ……」
ガチガチに固まったリュアが、ぽつりと呟いた。
「ん?」
「同じクラス、なれるといいね……」
「お? 俺と同じクラスになりたいか」
「う、うん……」
ちょっと恥ずかしそうに頷く幼女。
――青春だ。これぞ青春。
入学式からもうこんなに仲良くなっちゃうなんて、なかなか順調なスタートじゃないのかしら。
などと考えながらニヤニヤ笑いを浮かべていると、
「なんかトルフィンくん変な顔」
と言われてしまったので、慌てて表情を引き締める。
それから数分後、小さなブザーが鳴り響き、式が始まった。
★
――始まったか。
開会のブザーを聞きながら、シュンはひとり、こほんと咳払いをした。彼は《教師席》の一番右に座っていた。
周囲には王妃ロニンと、女王セレスティア、それからシュロン学園の教師たちが座っている。
ロニンとセレスティアはともかく、教師たちはシュンを見てかなり萎縮しているようだ。国王に対して緊張するのは無理からぬ心理だが、いつかは距離を縮めていかなければなるまい。まずは一人一人の顔と名前をしっかり覚えて――
ん?
シュンが教師陣の顔を見渡していると、ふいに、ひとりの女性教師と目が合った。
名はたしかレイアといったはずだ。
彼女の特徴を上げるとすれば、そう、乳である。
でかいのだ。スーツ越しからでもハッキリとわかる。超でかい。
茶髪を腰のあたりまで伸ばし、大人びた知的な顔立ちも好印象だ。セレスティアいわく、彼女は魔法専門の教師らしい。
レイアはシュンと目が合った一秒後、恥ずかしそうに顔をそむけた。
そして何気なくまたチラチラ見てくるのだから、シュンとしては気になって仕方がない。なにか言いたいことでもあるのだろうか。
このとき、シュンは気づいていなかった。王妃ロニンが、シュンとレイアを交互にジト目で見ていることに。
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