ノアの弱小PMC—アナログ元少年兵がハイテク都市の最凶生体兵器少女と働いたら
第4節13部ー異変感知ー
……——。
「チィ……やりやがったな」
「なぁに、なんでこんなあの子たちの気配がぁ?」
防衛システムを落としに行ったガーネットと荒木一等は、今行動を共にはしていなかった。
なぜなら、火器管制室へ向う途中、思わぬ邪魔が入ったからだ。それは、GNC所属、RB軍曹。
彼がなぜか力ずくでガーネットと荒木一等を止めに来た。
だがガーネットはRB相手に応戦し、荒木一等を火器管制室へ向かわせていた。
今現在、荒木を追って火器管制室へ向かわせまいとしようとしていたRBを、ガーネットが防いでいたところだったのだが……。
「ねーぇ、お兄ぃさん。どぉいうことぉ?」
「……厄介なことになってきやがった。お前ならわかんじゃねェのか、ステイシス。今どうなってるかなんざ」
防衛システムを落とした瞬間、この施設中の侵食体の反応が唐突に活性化し出したのは、ガーネットは感じていた。
そしてそれぞれの声を聞く。自分たちの護りを奪われた、異形と化した元人間たちの叫びを。
私たちを守るものが無くなった。敵が来る。化け物が私たちを殺しにくる。みんなを守れ、私たちで敵を殺せ。
すでに人ではなくなった彼らの最後の希望。それが、この島に張り巡らされた防衛システムだった。
その拠り所を切った今、島中の侵食体達の暴走が始まってしまったのだ。
この島に存在するすべての生き物を排除するために、異形と化した者たちがある種の安定を失い攻撃性をあらわにしていた。
RBは構えていた剣を肩に担ぎ、深いため息をついた。
「だから言ったろ! システムを落とさせるわけにゃいかねェってよ」
「アル……ワタシは落としてこいって言われたからぁ。あんたが邪魔だったのよぅ」
「いきなり攻撃してきやがって。番犬根性が板に付いてんなテメェは」
爪から伸ばしていた物質化光の刃を消し、ガーネットは頭の後ろで手を組んでとぼけてしまっていた。
「外の奴らと連絡がとれねェな……。おい、ステイシス」
「あによぅ」
「さっき行かせた奴と合流してここから出な」
「なんであんたなんかの……」
「いいからそうしろ。あの男任されてんだろ。俺ァ高部の依頼をこなさねェといけねェ。お前の相棒のとこに行く」
そこまで言ったところで向けられたガーネットからの殺気に気づき、身構えた。
「しどぉのところになんで行くのぉ?」
「ンな殺気立つんじゃねェよ。こっちにはこっちの事情があんだ……よッ」
その剣の推進装置を使い、その場から消えたRBを追おうとしたのだが後方から来た荒木一等に気づいて踏み出した足を止めた。
「ガーネットくん、待たせてすまない! RB軍曹はどうしたんですか?」
「どっかいったぁ」
「どっか……。それにしても、急に防衛システムを止めるなだなんて……」
ガーネットはこれからどうすべきか、通信機を使って葉月に聞こうとしたのだが、何度コールしても出てくれず……。
「……なにかあったのかしらぁ」
「さっきの揺れから、僕もオペレーターと連絡が取れなくなったんだ。急いでここから出よう。外の様子がわからない」
「んー、わかったぁ。急ぎましょぉ」
「チィ……やりやがったな」
「なぁに、なんでこんなあの子たちの気配がぁ?」
防衛システムを落としに行ったガーネットと荒木一等は、今行動を共にはしていなかった。
なぜなら、火器管制室へ向う途中、思わぬ邪魔が入ったからだ。それは、GNC所属、RB軍曹。
彼がなぜか力ずくでガーネットと荒木一等を止めに来た。
だがガーネットはRB相手に応戦し、荒木一等を火器管制室へ向かわせていた。
今現在、荒木を追って火器管制室へ向かわせまいとしようとしていたRBを、ガーネットが防いでいたところだったのだが……。
「ねーぇ、お兄ぃさん。どぉいうことぉ?」
「……厄介なことになってきやがった。お前ならわかんじゃねェのか、ステイシス。今どうなってるかなんざ」
防衛システムを落とした瞬間、この施設中の侵食体の反応が唐突に活性化し出したのは、ガーネットは感じていた。
そしてそれぞれの声を聞く。自分たちの護りを奪われた、異形と化した元人間たちの叫びを。
私たちを守るものが無くなった。敵が来る。化け物が私たちを殺しにくる。みんなを守れ、私たちで敵を殺せ。
すでに人ではなくなった彼らの最後の希望。それが、この島に張り巡らされた防衛システムだった。
その拠り所を切った今、島中の侵食体達の暴走が始まってしまったのだ。
この島に存在するすべての生き物を排除するために、異形と化した者たちがある種の安定を失い攻撃性をあらわにしていた。
RBは構えていた剣を肩に担ぎ、深いため息をついた。
「だから言ったろ! システムを落とさせるわけにゃいかねェってよ」
「アル……ワタシは落としてこいって言われたからぁ。あんたが邪魔だったのよぅ」
「いきなり攻撃してきやがって。番犬根性が板に付いてんなテメェは」
爪から伸ばしていた物質化光の刃を消し、ガーネットは頭の後ろで手を組んでとぼけてしまっていた。
「外の奴らと連絡がとれねェな……。おい、ステイシス」
「あによぅ」
「さっき行かせた奴と合流してここから出な」
「なんであんたなんかの……」
「いいからそうしろ。あの男任されてんだろ。俺ァ高部の依頼をこなさねェといけねェ。お前の相棒のとこに行く」
そこまで言ったところで向けられたガーネットからの殺気に気づき、身構えた。
「しどぉのところになんで行くのぉ?」
「ンな殺気立つんじゃねェよ。こっちにはこっちの事情があんだ……よッ」
その剣の推進装置を使い、その場から消えたRBを追おうとしたのだが後方から来た荒木一等に気づいて踏み出した足を止めた。
「ガーネットくん、待たせてすまない! RB軍曹はどうしたんですか?」
「どっかいったぁ」
「どっか……。それにしても、急に防衛システムを止めるなだなんて……」
ガーネットはこれからどうすべきか、通信機を使って葉月に聞こうとしたのだが、何度コールしても出てくれず……。
「……なにかあったのかしらぁ」
「さっきの揺れから、僕もオペレーターと連絡が取れなくなったんだ。急いでここから出よう。外の様子がわからない」
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