シスコンと姉妹と異世界と。
【第39話】海来る
「うみだぁーーー!!!」←一同の叫び
夏だ! 海だ! 太陽だ! ……水着だッ!!
「いやー、気持ちいいなぁ!!」
砂がすげーあっついけど。あっ、魔法で保護しよ。
「水着……どうかな、お兄ちゃん?」
「どうって……」
直視できないっす。11とは思えないワガママボディ。女の子は成長が早いっていうにしたって……。
「そ、その……カワイイし、よく似合ってると思う……ぞ」
花柄のビキニである。まぁちょっと背伸びしたのかな、とか思うと微笑ましい。
「やったー!!」
「ちょっ! そんなくっつくなって!」
「えー、だってー」
「その……胸が……な?」
「えっ……えっち!!」
「いや、俺がやった訳じゃ……」
「その……わたしは、どうだ?」
上下黒のビキニで胸元にはフリルがあしらわれている。そして若干パット疑惑が浮上しそうな膨らみがある。だが……
「すごい良いよ! 白い肌が黒の水着で映えて綺麗だし、姉さんのイメージにピッタリで、胸元のフリルがまた……。なんか甘辛って感じで、お姉様って言いたくなる」
「そんな熱量で来られるとは……」
「あっ、ごめん……つい。でも最高だよ!」
「そ、そうか……。そんな誉められると嬉しいものだな」
「お姉ちゃん照れてるー」
「照れてなどいない!」
「そんなこと言って顔真っ赤だよー?」
「照り返しのせいだ」
「おっはよー諸君。待った?」
「アリスか。まだ海にも入ってない。その水着よく似合ってるじゃないか」
「ありがとー。でも、それはショーくんに言って欲しかったんだけどなぁ。で、どう思う?」
「なんというかその……。とても扇情的で、グッとくるものがあるというか……。女性らしさを強調したアリスさんにお似合いの水着だと思います。凄く好きです」
「やったね〜。好きなんて言われちゃった。キャー」
アリスさんのはパッと見競泳水着のように見えるのだが、振り返ると背中がガッツリ空いていてセクシー。さすがに女性の水着に詳しいってことは無いから、何ていう種類のものかは分からないのだけど。
「お兄ちゃんは、アリスさんみたいなやつが好きなの?」
「うーん……。上下分かれてるタイプもいいと思うし、甲乙つけ難いかなぁ……」
「ふーん」
「まぁ、みんな可愛いし……選べないよ」
「やっほー!! みんな揃ってるー!?」
「あらサニー、可愛いの付けてるじゃーん」
「そんなこと言って〜、アリスだって大胆じゃーん」
美少女2人がキャッキャしてるのはなかなか眼福。
「ショーくん、どお? 私の水着姿は〜?」
______。
一通り全員の水着姿を上手く褒めることに成功したのだが、そのせいか疲労感に襲われたため、みんなが遊びに行く中1人休憩していた。
のだが、2人ほど残った方がいた。
アリスさんとゾラさんである。俺が訝しげな顔をしているのに気付いたゾラさんが声を掛けてきた。
「ショーくん、折り入って話があるんだけど……」
「はい……ゾラさん、なんでしょうか……」
そんなトーンで……何を言われるのでしょうか……。
「コレを塗ってほしいんだ……」
「あっ!? それサンオイルっていうやつだよね! ゾラ買ってたんだ〜」
サンオイル塗るってアレか〜。漫画とかラノベとかでよくあるイベントだよな。うつ伏せの状態から紐外したところをドキドキしながら……ていう。
「これを塗れば肌を守りつついい感じに焼けるらしいんだ。わたしは焼けるとすぐ真っ赤になってヒリヒリ痛くなるから、こういうのはすぐ試したくなるんだよ」
「なるほど……」
「それじゃ、よろしく頼む」
そう言いながら横になるゾラさん。
「はい……」
「ほらほら、女の子に合法的に触る機会なんかなかなか無いんだから、男は勢いだよ」
「アリス、言い方があるだろ……。あっ、そうだ」
「え、どうしたんですか?」
ゾラさんが何か思い出したように、足を崩した体制で座り直した。
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