AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者とスキル確認 前篇
キンッ カキンキンッ
『それで、新しいスキルはどうなのよ』
ん? あぁ、ティルのスキルのお蔭で剣術への理解が深まったな。
今まで以上に、剣が手に馴染んでくるぞ。 ……ま、すぐにLvアップは止まるんだろうがな。
『えぇ、確か……『マスターはもうマスター自身の限界点まで達したみたいだよ。種族のお蔭で身体スキルと特殊スキルはまだまだ成長できるけど、他のスキルは僕達が介入しないと成長は見込めないだろうね』って、言ってたわよ』
――グーか。
いつの間にかスキルリストに耐性の枠が増えて、その他が特殊に変わったり、固有スキル以上のスキルがまた整頓されているんだけど……そっちはどうなんだ?
『そっちはあの娘――アンが張り切ってやっていたわ。『より、ステータスを最適化しました』とのことだけど』
そういった問題じゃない気がするけど。
まぁ、能力値の方もアンがやってたものだから、今更感もあるけどさ。
……因みに、いつまでやるんだ、これ?
『そうねー……とりあえず、(獣剣術)を完全に理解しなさい』
マジですか……。
最初の(剣術)だって、物にするのにかなり時間が掛かったんだぞ。
『えぇ、マジよ。私がやって見せるから、それを視て同じ動きをしてみて。見取り稽古だと思えば、簡単でしょ?』
絶対違う、絶対違うッ!
凡人と天才を比べないで頂戴よ!
『それじゃあ、行くわよ……シッ!』
特殊思考内
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さて、ティルにバレないように生み出したこの特殊思考は、その思考に魔力を籠めながら行うことで存在している。
ティルの行う思考読みは、表層心理――何も防御をしていない部分――にしか使えないというのが俺の見解だ。
……俺にもいつか、眷属達にもバレたくない思考ができるかもしれないし(例:サプライズ)、プライベートチャンネルを作るのも良いと思ったんだよ。
さて、大半のスキルが才能限界を迎えていたり、いつのまにか{感情}がLv99――しかもCSの状態――になっているのだが……。
Limitはともかく、まさかCSも出るとはな。
CSは一時的なものであり、条件を満たすことで再び数値を増やしていく。
それは即ち、超絶チートの更なる成長を意味する。
さすが、<大罪>と<美徳>の統合スキルだ。
俺は今ティルと模擬戦をしているワケなのだが、理由は至って簡単だぞ。
スキルを試したいという、俺の願いにティルが応えてくれたからだ……それなのに、何故(獣剣術)をレベリングしているんだろうな(ちなみにだが、俺たちは神樹製の木刀を使用して打ち合っている)。
さて、わざわざ特殊思考を使った理由、それはスキルを再確認する為である。
詳細の方は、しっかりと記憶してあるから問題無い。
それじゃあ、まずはこれから――
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武術:(獣剣術Lv1)
説明:獣人族が扱うことができる特殊剣術
自身に眠る獣の力を織り交ぜ、剣を振るう
Lvが上昇することで、剣術に補正が入る
〔種族Lvが高い程、威力が向上する〕
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――現在修業中の(獣剣術)だ。
一応種族スキルの中に(獣人)を所持している為、入手できたのだと思う。
初期武技は"開牙"といい、剣に自分の種族特性の力を籠めることができる初歩の武技らしい。
そこへ、"斬爪""破牙""隼鹿""鷲蜀"等の派生武技を繋げることで、野性を解放していくとのことだ(ティル談)。
ま、それは置いておくとして次だ――
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身体:(霞食Lv1)
説明:大気中の魔素を取り込むことで、生命活動が行える
呼吸で取り込んだ魔素を、あらゆる生命活動に必要なエネルギー源として使用する
満腹度が減少することが無くなる
Lvが上昇することで、エネルギーの運用効率が上昇する
〔Lv1につき1%の効率を持つ
このスキルを持つ普人族は、仙人に進化する可能性が増加する〕
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――お腹は減らなくなったみたいだ。
魔素を霞代わりにして、生きる仙人……正に異世界版の存在だな。
隠し欄に記されているが、こっちの仙人は普人しかなることができないみたいだ。
まぁ、(器用貧乏)な種族に与えられたボーナスみたいなものかな?
よし、次にいこう――
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身体:(瞬脚Lv1)
説明:空を、海を、地を踏破する者が持つ
APを消費し、あらゆる所に足を踏み入れることができ、障害物は短距離の転移で踏み越えることが可能
Lvが上昇することで、転移の距離とAPの消費効率が向上する
〔短距離転移は、可能距離内なら視界内でも一度直接見た場所でも自在である
移動時、AGIに凄まじい補正が入る〕
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――あまりに早い移動に、瞬間移動と思われるシーンをよく小説や漫画で見たが……どうやら本当に瞬間移動できるようになったみたいだ。
後、隠し欄の最後の部分――凄まじいの所だが、後で紹介する(精密解析)によると、約百倍にされるらしい。
……また、壁にぶつかれと言いたいのだろうか。
幸いにも俺には補助――{他力本願}がある為、ちょうど良い速度になっているが……突然スピードが上がったら、そりゃあもうビックリだよな。
どんどん確認だ――
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身体:(掌握Lv1)
説明:一定範囲内のもの全てを自在に操れる
また、範囲内ならばどこにでも接触が可能
Lvが上昇することで、使用可能範囲が延びる
〔相手に抵抗の意志がある場合、一定確率で失敗する
このスキルとは別のスキルを掌握し、スキルの制御を行うことも可能〕
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――(登攀)と(掴み)、どちらも握るスキルであったが、ここまで化けるものなのかな?
昔に持っていた(源素支配)の物質版のようなスキルだが……操れるんだな、範囲内を。
しかも、どこにでも接触が可能ということは、離れた距離から"奪○掌"が使えたりするのだろうか?
……ティルにやってみたが、普通に気付かれて避けられた。
うちの眷属達は俺のスキル発動に気付ける者が多い為、あんまり実験台には向いてはいない(というか、俺もしない。避けられるのが分かってやっていたしな)。
……おっと、ティルが今のでここに気付きそうだな。
一度戻って誤魔化すか。
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