AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します

山田 武

偽善者と彷徨木



《迷彷猿の爪×90を取得しました》
《迷彷猿の骨×60を取得しました》
《迷彷猿の毛皮×150を取得しました》
《迷彷猿の血瓶×150を取得しました》
《迷彷猿の尻尾×30を取得しました》
《迷彷猿の魔核×30を取得しました》
《スキル結晶:(連携)×30を取得しました》
《スキル結晶:(登攀)×30を取得しました》
《スキル結晶:(掴み)×30を取得しました》
《スキル結晶:(幻覚耐性))×30を取得しました》
《スキル結晶:(気配同化)×30を取得しました》
《スキル結晶:(生産適性・大)×30を取得しました》
《彷徨木の槍×15を入手しました》
《彷徨木の弓×10を入手しました》
《彷徨木の矢×90を入手しました》
《彷徨木の杖×5を入手しました》
《彷徨木×100を入手しました》


 30匹とは……かなりいたもんだな。
 そんなことを、タブレットを操作しながら考える。


《そのアプリ、便利だね》

「ん? あぁ、"収集アプリ"のことか?」

《そう、それのことだよ。端末越しに見たものを、取り捨て可能で全部回収できるみたいだね?》

「そうだぞ。タブレットの画面上上でロックしたものを適切な処置し、回収できるようなプログラムを組んでみたんだ」


 ……これがまた、かなり時間の掛かる作業だったんだよ。

 対象を(追尾)でロックをして、(自動解体)で解体する。そしてそれを"収納空間"に回収できるように作り上げてみた。
 異世界でスマートフォンを使ったり、倒した魔物を自動で回収できるようなスキルを有している奴へ【嫉妬】して作ったのだが……さすが主人公達の持つ能力なだけあり、満足のいく出来に仕上げるまでに丸一日掛かってしまったぞ。


《回収した素材は"収納空間"に送られるみたいだけど、選別はどうしているんだい?》

「予め種類によって、別々の空間に送られるようにプログラムはしてあるんだ。アプリの中に取り出し用のプログラムも入れておいたから、そっちから選ベば手元に出せるぞ」


 ちなみに誰も気にしていないと思うが、普通なら"収納空間"を共有することは不可能である……一人一人の魔力の波動を違うので、発動した(空間魔法)の空間も異なる為だ。

 だが、Wifoneを通すことで魔力の波動を一定化に成功した為、共有が可能となった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 あれから森の状態を可能な限り元にの状態へ戻して、俺は再び散策を始めた……といっても、戦闘が面倒になったから、(天駆)を使いって空中を移動していたワケなのだが。


《マスター、霧の解析が完了したよ》


 そんな時、グーがそう言ってくる。


「いつもいつもすまないな。俺にもう少し解析能力と知恵があれば、グーも楽ができるんだけどな」

《いや、僕は楽しんでやっているから問題無いよ。そういった意味では、をしていると言っても過言では無いと思うよ》


 まぁ、知識の魔女だしな~。


「それで、霧はどんな物だったんだ?」

《……っと、そうだったね。霧はマスターが採取した彷徨木から発生しているみたいだ。木の方を解析してみたら、幻術系の属性の魔素を吸収して、それを霧として周りに散布する習性を持っていたよ。この木特有の効果なのか、一定以下の魔力や氣力を通さない効果も持っているみたいだから、多分それが探知系が使えない理由だと思うよ。探知系のスキルは、魔力や氣力を薄い網状に引き延ばして索敵するスキルだからね》

「……それの再現は可能なのか?」


 その効果が使えるなら、色々な場所で使えると思う――

 ダンジョンで使えば、探索者は自身の感に頼るしか無くなる。
 戦闘で使えば、少ない魔力や氣力を使い行う細工ができないようになる。
 生産で使えば、魔力の伝導率を高めることができる(漏れが無くなるからな)。

 ――こんな考えしか浮かばないから、俺は賢い眷属達に頼らざる負えないんだよな。


《勿論可能だよ……今アンにも伝えたから、いつでも用意できるよ》

《すぐに行いますので、少々お待ちを……》

「い、いや、俺は技術として使いたいな~と思っただけd……あっ」


 俺はそれを伝えようとしたのだが、間に合わなかったみたいだ――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(アレンジ)が発動されました

彷徨木の習性を再現します

……成功しました

(抑力の霧)を習得しました
→(封印魔法)(霧魔法)で発動可能です

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


《では、わたしはこれで》

「あ……あぁ、ありがとう」


 ――一瞬で完了してしまった。
 やはりLvが上がり過ぎたのだろうか。
 アンは[不明]が元となった存在だから、[不明]のLvが性能に影響する。
 かなり高Lvとなった[不明]を引き継いだ現在の彼女は、俺の発言を待つことなく作業を終わらせるなど、容易いのだろう。

 (鑑定眼)発動っと――


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抑力の霧

系統:系統外合成魔法(封印・霧魔法)

最低必要MP:100

放出される力の波動を、ある程度抑制できる霧を生成する
(INT×Lv)分の秒数だけ維持することが可能であり、放出された力を抑制できる

〔Lvは使用された魔法の合計Lv、または<合成魔法>のLv×使用した魔法の数を使用する
 相手が発動した○力が自分の消費したMP以下の場合、それを無効化できる
 相手が発動した○力が自分の消費したMP以上の場合も、消費したMP分相手の発動した現象の効果を軽減できる〕

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 まぁ便利な魔法だな。
 最後に確認した時の俺の最大MPは約400万、それを注げば大抵の放出系の現象は無効化できると思う割れる。


《満足できたかい? マスター》

「いや、まぁうん。良いんだよ。良いんだけどさ……」

《……本当、難儀な人だよマスターは。やっぱり、相談されたいのかい?》

「できるなら、な。一般人ってのは人生という荒波に呑まれていくもんだ。いつの間にか何もかもが終わっていて、ただ敷かれたレールの上を歩いて行くのは、地球の中だけで充分だ。だから……せめてこっちでくらいは、そんな柵から解放されたいんだよ」

《……つまり?》

「ぼっち反対! 俺を話の輪からハブらないでくださいッ!!」


 できるだけ求められたいんだよ俺は。
 尽くす系を目指しているワケだが、求められないで放置プレイは勘弁蒙りたいです。
 別に亭主関白や束縛をしたいワケでは無いのだが、ハブられるのだけは嫌なんです……何故なら――俺が寂しいから!!


《でもそれならスキルを創る時も、どんなスキルを創るのか言った方が良いことになるけど……》

「あぁ、そっちは良いよ。みんなで話して決めてくれるんだからな」


 それに俺は、そういうある程度予定内で行われることなら別に気にしないんだ。
 今回のようなゲリラで何かが起こるのが、気になっちゃうんだよ。


《了解、緊急時の相談はしっかりした方が良さそうだね》


 最終的にグーはそう纏めてくれたようだ。
 本当に頭の良い眷属を持ったな。


 そして、俺は結界があるエリアの端まで到達した。



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