AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者とユニーク その02
第四世界 天魔迷宮第一層
そんな訳で、ギルド"ユニーク"は全員で3層にある、闘技場を目指すことになった。今まで言う機会が無かったから説明してなかったが、ダンジョンは同時に最大で6人までしか入ることができない(従魔も込みだ)。
あ、大部屋(大規模バトル用)は別だがな。
そんな制限があるダンジョンな為、俺達もチーム編成を考えて、6:6:4で行くことになった。
ちなみにだが、最後の4のグループ内に必ず俺が入るぞ。だって、一回(一層までだが)攻略したし。
そして、栄えある俺の班のメンバーは――
『良いか、絶対にカレンに近づくなよ』
『ちょ、止めて兄さん!』←カレン↑ランサー
『ランサー落ち着けって、メルスだってまだ何もしてないだろう』
『そんな訳がない! こいつはきっと何か企んでる筈だ。そうなんだろうメルス!』
「……いや、別に考えてなかったんだが」
――【槍聖】【弓聖】【盾聖】と一緒のグループになった。何やらシスコンが騒いでいる気もするが、気にしないで進んで行くことにしよう。
配列は前から順に、テイト、ランサー、カレン、俺って感じだな。……おっとこの先で罠発見。
罠を感知した俺は、メンバーにバレないように"天魔の創糸"へ"罠解除の心得"を流すことで、解除に行った。
ほらー、今は髪の毛が手になるような時代だろ? 糸に粘着性を持たせて罠を解除することもできるって―。それ、解除っと。
これも生産に入るのか、DEXが高まってる気がするな―。
ん? 今度は魔物か。ならこいつでっと。
次いで感知した魔物へ、再び糸を伝って銃武技"クイックドロー"と(無魔法)の"マジックボール"が発動。同時に発動させた(狙撃術)の補正もあって、100m先の魔物に命中――そして即死だ。
『今、何か聞こえなかった?』
『気の所為じゃ無いのか? それよりカレン、あんな奴に近づくなよ。あいつは絶対にお前のことを狙っているからな』
『ば、馬鹿なことを言わないで兄さん! そ、そんな、狙ってるだなんて……(モゴモゴ)』
いや~、兄妹コントを観てるのはとても楽しいな~……コント内容が俺でなければ。
カレンの奴、まさか気付いたのか? さっきの狙撃に。森人族は耳が長いからな―。それでかな? そんなことを考えていると、テイトがこちらの方に近づいてきた。
『……メルス、さすがに過保護過ぎないか?』
「あ、もしかして気付いてる?」
『……同じような音が何十回も聞こえればさすがに気付くだろう。……ランサーを除いてだが』
獣人族のテイトも気付いていたみたいだ。 というかこのメンバー、耳が良い奴しかいないじゃないか。そりゃ~バレるだろう。
「……おっと、扉があるぞ。行ってみよう」
『(話を逸らしたな)……おう』
上手くテイトの質問から逃げ切った俺は、いつの間にか前の方に進んでいた兄妹に扉が在ることを告げて、扉の前まで進んで行った(勿論、魔物は半径100mに入ったら始末した)。
待機中
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しばらく待っていると、他のメンバー達と合流ができた。ダンジョン内が16人だと狭いので分かれて行動していたが、ボスフロアは広いので、扉の前で落ち合うことにしていたのだ。
「よし、全員来たことだし、そろそろ行くとするか」
他の者の準備が整ったのを確認してから、俺はそう言って扉を開ける。
扉を開けた先には――
『何も……居ない?』
誰かがそう言った。
……うん、事前に連絡しておいたからな。
(「ちょっと闘技場を使いたいから、先に行って待っててくれ」)、と、眷属達にはな。
あ、そうだ。またティンスやオブリとやった時のようにしてみるか。そう考えると、俺はそれぞれの国の王達に連絡をして、再び試合があることを連絡した(ルーンの国王様には既に、あらかじめ念話が使える魔道具を渡してある)。
リョクも国王様もすぐに観戦者を集めてくれるらしい。……みんなにも伝えておかないとな。
「なぁ、ダンジョン攻略を続けるか? それとも、3階層に転移して、どんどんPvPを始めるか? そこにある石に許可証を翳せば、転移魔法陣から、直接2層に行けるようになるし」
と説得してみると、案外あっさり(二人を除いて)全員が賛成してくれた。
先程俺が指さした所に置いてあった魔石に全員が許可証を翳し、2階層に転移できるようになったことを確認して、【ダンジョンマスター】の能力の一つである、管理機能を使って全員を3階層に転移させた。
――PvPが始まる時は近い。
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