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神無乃愛

アナウンスと新たな種族

――運営からのお知らせです
 本日より、新たな種族が解禁されました。

 種族はウサギ族、人龍族、ハーフリング族、魔人族の四つです。
 ウサギ族、ハーフリング族は所定のクエストをクリアし、「アバターリセット」というアイテムを使用することにより、変更が可能となります。また、次回バージョンアップ時より、初期アバターとなります。

 人龍族、魔人族に関しては、シークレットクエストクリア後、所定のアイテムを使うことにより、その時のみ選択可能です。

 四種族ともに現存の種族以上の能力上下があります。

「アバターリセット」を使用することにより、年三回までアバターを変更することが可能ですが、人龍族、魔人族には使用不可アイテムとなっております――

 そんなアナウンスが流れたのは、カナリアがウサギ族になってから現実時間で一週間ほど経過したころだった。


 作為的なものを感じるが、そのあとも種族を増やしていくというアナウンスが続いていたため、放置した。

 その放置したツケが回ってきたとしか言いようがなかった。

「ドラゴンの逆鱗なんぞ、そう簡単に貰える、、、、か!」
 そう怒鳴ったのはジャスティスだ。
 人竜族になるためのクエストに必要なアイテムに「友好の証・ドラゴンの逆鱗」となっている。しかも、討伐して取得したもので参加しようとすると、二度と人龍族のクエストが得られないという鬼仕様である。
 しかも、人竜族になりたいプレイヤーが取得したものでないとだめという、縛り付きだ。
「え? 百個くらい持ってますけど」
 さらりとカナリアが言う。どうやら、「お手入れ」したときに抜ける鱗に混じっているらしい。それだけはいまだアクセサリー作りに使用していないため、そのまま残っているのだとか。
「その流れだと、ジャスはたんまり貰えるだろ。雌竜限定で」
 からかうジャッジに鉄拳を食らわせ、ジャスティスはでかい溜息をついた。

 唯一の人龍族ということで、最近はジャスティスに指名依頼が殺到している。そのほとんどが、「逆鱗採取に付き合ってくれ」というもの。
 ジャスティスも数人付き合ったが、どれもクエストをクリアできていない。

 逆鱗を手に入れていないこともさることながら、実際とのころは龍神とメル親子が「人龍族にしたい輩がおらん」というのも理由だったりする。
 それを聞いたジャスティスはものすごく脱力した。どんだけ高度なAIなんだ!? と隣で突っ込みを入れたのは、ディッチだ。

 余談だが、ディスカスは現在の種族とドワーフ族のどちらにするか悩みに悩んで、そのままを選んだという。
 現在、イッセンが鬼族に変更するために、リリアーヌは「カナリア美玖とお揃い」にするためにウサギ族クエストを進行させている。他のメンバーは変更せずに、そのままをあっさりと選んだ。


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