初心者がVRMMOをやります(仮)
ある意味動物王国
巫女としての仕事を終えたあと、カナリアはそのままスカーレットとクエストに向かった。本日のクエストはニーニャと呼ばれる猫型モンスターの捕獲である。
ニーニャは小さな肉食モンスターではあるが、NPCなどから見れば愛玩動物でもある。勿論プレイヤーにも人気で、己の拠点で飼っている者もいるくらいだ。
交配する場合もあるが、今回捕獲するニーニャは「出来るだけ子供のニーニャを。そして、毛艶のいいもの」というものだ。
「まぁ、初級の捕獲クエストだけどね。採取ポイントがかなりあるからお勧めだよ」
だが、カナリアは釈然としない。
「子供のニーニャを勝手に捕まえていいのでしょうか?」
「……う~~ん。あたしたちから見れば、ただのクエストなんだよね。それをしてお終いっていう感じ。でも、カナリアちゃんから見れば違うんだね」
それに動物を飼うというのは、責任があるはずだ。カナリアの騎乗モンスターと従者扱いのユニとアルテミスもだが、その命を預かる行為だとカナリアは思うのだ。
幸いにも、ユニもアルテミスもそのあたりの草を食んでいるので、毛並みを整えたりするくらいで終わっている。コブは毎日カナリアかセバスチャンが餌を与えている。
他者であれば、カナリアのこういった感情は面倒だと思うだろう。だが、スカーレットを初めとする「カエルム」メンバーはある程度、理解している。
カナリアが捕獲、もしくは討伐するのは、カナリアが素材として必要なモンスターか、こちらに襲い掛かってきたモンスターだ。しかも、他のプレイヤーよりも有効活用率は高い。
「困ったねぇ」
スカーレットはカナリアに聞こえないように呟いた。こういった捕獲依頼や、貴重なモンスターの卵の運搬はかなりの頻度でクエストとしてあがってくるのだ。
「スカーレットさん」
少しばかり助けを求めるような声で、カナリアが声をかけてきた。
「……悩む必要なかったね」
パッシブスキル「小動物の庇護者」により、既にニーニャの親子はもとより小犬型のモンスターまでもがカナリアに擦り寄っていた。
「この中から里子になってくれる子を捜してごらん?」
「え?」
「何も、人間のところが嫌な子だけじゃないと思うよ? だからそこはカナリアちゃんが呼びかければ、きっと人間のところにいたいと思う子がいるはずだから」
「はい」
何とかカナリアも納得し、ニーニャに声をかけていた。すると五匹ほど、手のひらサイズのニーニャが残った。
どうやら兄弟らしいニーニャをカナリアは優しく籠に入れる。そしてありがとうと呟いていた。
そのあと、カナリアはニーニャの兄弟の面倒を見ながら、採取に励んでいた。
そしてスカーレットは二度と、捕獲系クエストで採取をしないと誓った。捕獲されたモンスターが気になり、カナリアの作業効率がかなり落ちるのだ。
ちなみに、ニーニャは一匹だけが里子としてもらわれていき、残り四匹はカナリアが世話をすることになった。そして何故か、全く違う種族で生態系も違うユニやアルテミス、コブといった昔からいる家族(カナリア視点)とも仲良くなり、初心者の町の名物となる。
そしてここにメリノーンや、ウルリーノ、カシミレラまでもが加わるまで時間はかからず、最初に購入した家で間に合わなくなり初心者の町のすぐ外に居住を構えることになった。
ニーニャは小さな肉食モンスターではあるが、NPCなどから見れば愛玩動物でもある。勿論プレイヤーにも人気で、己の拠点で飼っている者もいるくらいだ。
交配する場合もあるが、今回捕獲するニーニャは「出来るだけ子供のニーニャを。そして、毛艶のいいもの」というものだ。
「まぁ、初級の捕獲クエストだけどね。採取ポイントがかなりあるからお勧めだよ」
だが、カナリアは釈然としない。
「子供のニーニャを勝手に捕まえていいのでしょうか?」
「……う~~ん。あたしたちから見れば、ただのクエストなんだよね。それをしてお終いっていう感じ。でも、カナリアちゃんから見れば違うんだね」
それに動物を飼うというのは、責任があるはずだ。カナリアの騎乗モンスターと従者扱いのユニとアルテミスもだが、その命を預かる行為だとカナリアは思うのだ。
幸いにも、ユニもアルテミスもそのあたりの草を食んでいるので、毛並みを整えたりするくらいで終わっている。コブは毎日カナリアかセバスチャンが餌を与えている。
他者であれば、カナリアのこういった感情は面倒だと思うだろう。だが、スカーレットを初めとする「カエルム」メンバーはある程度、理解している。
カナリアが捕獲、もしくは討伐するのは、カナリアが素材として必要なモンスターか、こちらに襲い掛かってきたモンスターだ。しかも、他のプレイヤーよりも有効活用率は高い。
「困ったねぇ」
スカーレットはカナリアに聞こえないように呟いた。こういった捕獲依頼や、貴重なモンスターの卵の運搬はかなりの頻度でクエストとしてあがってくるのだ。
「スカーレットさん」
少しばかり助けを求めるような声で、カナリアが声をかけてきた。
「……悩む必要なかったね」
パッシブスキル「小動物の庇護者」により、既にニーニャの親子はもとより小犬型のモンスターまでもがカナリアに擦り寄っていた。
「この中から里子になってくれる子を捜してごらん?」
「え?」
「何も、人間のところが嫌な子だけじゃないと思うよ? だからそこはカナリアちゃんが呼びかければ、きっと人間のところにいたいと思う子がいるはずだから」
「はい」
何とかカナリアも納得し、ニーニャに声をかけていた。すると五匹ほど、手のひらサイズのニーニャが残った。
どうやら兄弟らしいニーニャをカナリアは優しく籠に入れる。そしてありがとうと呟いていた。
そのあと、カナリアはニーニャの兄弟の面倒を見ながら、採取に励んでいた。
そしてスカーレットは二度と、捕獲系クエストで採取をしないと誓った。捕獲されたモンスターが気になり、カナリアの作業効率がかなり落ちるのだ。
ちなみに、ニーニャは一匹だけが里子としてもらわれていき、残り四匹はカナリアが世話をすることになった。そして何故か、全く違う種族で生態系も違うユニやアルテミス、コブといった昔からいる家族(カナリア視点)とも仲良くなり、初心者の町の名物となる。
そしてここにメリノーンや、ウルリーノ、カシミレラまでもが加わるまで時間はかからず、最初に購入した家で間に合わなくなり初心者の町のすぐ外に居住を構えることになった。
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
89
-
-
34
-
-
0
-
-
4
-
-
24251
-
-
440
-
-
337
-
-
3087
-
-
20
コメント