老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
307話 神山ラグナダンジョン攻略
ダンジョン攻略メンバーは白狼隊5名、コウ、ナオ、カルラ、メリア、キーミッツ、デリカそしてアリシアというメンバーだ。安定感重視、もちろん実力も折り紙つきだ。
ダンジョン攻略と言っても、このメンバーで慎重に進んでいけば特に問題も起きない。
敵の種族や属性も豊富で、心なしか死霊系モンスターが多いというダンジョン。
白狼隊にとって嬉しい階層もある。
「ドラゴン階だねここ!」
「ってことは……」
「「「「ドラゴンミート!!」」」」
ちょっとしたボーナス付きだ。
大型ドラゴンが闊歩するダンジョンを食材調達ボーナスと考えるのは白狼隊ぐらいだろう……
「なんか解体、久々だから緊張するねー」
「師匠でも緊張するんですね」
(小声)「あの目で見られると、流石に……」
ソーカの目が一瞬の動きも見逃さない鋭さで光っている。
「あ、ああ……が、頑張ってください」
いざ、解体を始めれば冷静さを取り戻し、見事にドラゴンミートを取り出す当たりはさすがのユキムラだった。
巨大なドラゴンから驚くほど少量しか取れない肉に、同行したメンバーは驚きを隠せない。
「そ、そんなに貴重なんですね……」
デリカは光り輝く肉を物珍しそうに見ている。
「そうなんですよ、さらに、例えば先の階に行って戻っても、現れるドラゴンは倒すと消えてしまうので無限回収も出来ないっていう……
ドラゴンミートだけ異常に貴重品になってるんです……」
ユキムラも残念そうだ。
進む人間を様々な環境で試しているかのようなこのダンジョンは、実際の神山ラグナにおける修行と似た側面をケラリス神国の人々は感じていた。
「アルテス様の信徒として生きていく者は、皆一度はこのラグナに抱かれて修行の日々を送るのです。
厳しい山中の生活から、日々の女神様の恩情を身をもって感じる。
肉体だけでなく、精神もその場で鍛え上げていくのです」
夜のキャンプでキーミッツはいろいろと過去の思い出を話してくれた。
最年長で大司教としての経験も長いキーミッツの人生における経験の話は、戦いに明け暮れて、やや普通の人間としての常識や見識を置いて来てしまっている白狼隊にとって、非常にためになるものとなる。
「説法も大事な仕事ですからな」
聖職者らしい一面を垣間見た。
そうこうしていると、すでにダンジョンに入って1ヶ月が経過していた。
6日進行、1日休息というスケージュールでやっているが、すでに4サイクルしている。
外部階層と洞窟階層があるため、景色の変化がある分だいぶマシではあるが、それでもコレほど長い期間戦いっぱなしと言う経験は、白狼隊以外はない。
やや疲労の色が見え隠れする。
「明日は休息日ですが、皆さんの疲れも溜まってきています。
明後日、明々後日も休息日としましょう。なので、今日はこのセーフゾーンを魔改造します!」
建築用GUをフル稼働させて、ダンジョン内のセーフゾーンが見る見るうちに歓楽街へと変わる。
毎日過ごしているコテージではなく、立派なホテル。
美しい音楽の流れるレストラン。映像などが楽しめる映画館。巨大な露天風呂。様々な貴重な書物を兼ね備えた図書館、内容は各国の本をレンやユキムラが複製したり、ユキムラがまとめた書籍も多数置いてある。ヴァリィ先生の作品を含む娯楽のための本も多数取り揃えてある。
作りはプレハブ気味な組み立てる建築だが、素材と技術によってそれを感じさせない。
あっという間に小さな街が出来上がってしまった。
これは、ユキムラとレンが計画していた統一規格による建築様式のテストも兼ねていた。
GUの協力をフルに用いれば、一夜城ならぬ一夜街が作れることを実証したのだ。
「ははははは、笑うしかない……」
目の前に出来上がった街にケラリス神国で勇者と呼ばれていた親衛隊隊長カルラも呆れてしまう。
でたらめな白狼隊の活躍や行動は知っていたが、ここまでだと驚きを通り越して笑ってしまう。
「どうやら問題なさそうですね師匠」
「GUもかなりレパートリー増えたし、過酷な環境下での補給基地にはGUを起用できそうだね」
いずれ来る魔族との戦争に対しての様々な実験もユキムラはこの国で行っている。
今回のこともその一環だ。
「と、言うわけで! 今日の夜はレストランで英気を養って、明日から3日間は自由行動!
しっかりと休んで、好きなことをして、またダンジョン攻略に勤しみましょう!」
レストランでは魔道具から素敵な音楽が流れ、料理はGUによる調理だ。
「うん! 美味しいね!」
「ソーカねーちゃん監修の調理GUですから!」
「なるほど、ソーカのお墨付きならこの美味しさも納得ね!」
「これは……頑張らないと、GUに仕事を獲られちゃいますね!」
コウとナオは敏感にGUの可能性を分析する。
自分たちの仕事の領分が、GUに取って代わられてしまうことを危惧しているのだ。
「うーん、まぁ、今回やっておいて言うのはなんだけど、こんなこと日常的に行ったら、さすがに魔石があっという間に枯渇しちゃうよね。ここを3日運用するだけでも、ここのダンジョンで一週間分くらい敵を討伐して集める魔石の魔力が使われてるからね……」
「なっ……」
白狼隊以外のメンバーは絶句してしまう。
白狼隊との訓練によってもたらされた魔石は、ケラリス神国における魔石を優に数十年支えるレベルに達していた。
戦争があったとしても、その蓄積された魔石は膨大な力をもたらすことは間違いなかった。
そんな、とんでもない魔石を、余暇を3日過ごすために惜しげもなく使用する。
だから女神に選ばれるのだな。
改めてユキムラたちとの器の違いを思い知らされるのでありました。
ダンジョン攻略と言っても、このメンバーで慎重に進んでいけば特に問題も起きない。
敵の種族や属性も豊富で、心なしか死霊系モンスターが多いというダンジョン。
白狼隊にとって嬉しい階層もある。
「ドラゴン階だねここ!」
「ってことは……」
「「「「ドラゴンミート!!」」」」
ちょっとしたボーナス付きだ。
大型ドラゴンが闊歩するダンジョンを食材調達ボーナスと考えるのは白狼隊ぐらいだろう……
「なんか解体、久々だから緊張するねー」
「師匠でも緊張するんですね」
(小声)「あの目で見られると、流石に……」
ソーカの目が一瞬の動きも見逃さない鋭さで光っている。
「あ、ああ……が、頑張ってください」
いざ、解体を始めれば冷静さを取り戻し、見事にドラゴンミートを取り出す当たりはさすがのユキムラだった。
巨大なドラゴンから驚くほど少量しか取れない肉に、同行したメンバーは驚きを隠せない。
「そ、そんなに貴重なんですね……」
デリカは光り輝く肉を物珍しそうに見ている。
「そうなんですよ、さらに、例えば先の階に行って戻っても、現れるドラゴンは倒すと消えてしまうので無限回収も出来ないっていう……
ドラゴンミートだけ異常に貴重品になってるんです……」
ユキムラも残念そうだ。
進む人間を様々な環境で試しているかのようなこのダンジョンは、実際の神山ラグナにおける修行と似た側面をケラリス神国の人々は感じていた。
「アルテス様の信徒として生きていく者は、皆一度はこのラグナに抱かれて修行の日々を送るのです。
厳しい山中の生活から、日々の女神様の恩情を身をもって感じる。
肉体だけでなく、精神もその場で鍛え上げていくのです」
夜のキャンプでキーミッツはいろいろと過去の思い出を話してくれた。
最年長で大司教としての経験も長いキーミッツの人生における経験の話は、戦いに明け暮れて、やや普通の人間としての常識や見識を置いて来てしまっている白狼隊にとって、非常にためになるものとなる。
「説法も大事な仕事ですからな」
聖職者らしい一面を垣間見た。
そうこうしていると、すでにダンジョンに入って1ヶ月が経過していた。
6日進行、1日休息というスケージュールでやっているが、すでに4サイクルしている。
外部階層と洞窟階層があるため、景色の変化がある分だいぶマシではあるが、それでもコレほど長い期間戦いっぱなしと言う経験は、白狼隊以外はない。
やや疲労の色が見え隠れする。
「明日は休息日ですが、皆さんの疲れも溜まってきています。
明後日、明々後日も休息日としましょう。なので、今日はこのセーフゾーンを魔改造します!」
建築用GUをフル稼働させて、ダンジョン内のセーフゾーンが見る見るうちに歓楽街へと変わる。
毎日過ごしているコテージではなく、立派なホテル。
美しい音楽の流れるレストラン。映像などが楽しめる映画館。巨大な露天風呂。様々な貴重な書物を兼ね備えた図書館、内容は各国の本をレンやユキムラが複製したり、ユキムラがまとめた書籍も多数置いてある。ヴァリィ先生の作品を含む娯楽のための本も多数取り揃えてある。
作りはプレハブ気味な組み立てる建築だが、素材と技術によってそれを感じさせない。
あっという間に小さな街が出来上がってしまった。
これは、ユキムラとレンが計画していた統一規格による建築様式のテストも兼ねていた。
GUの協力をフルに用いれば、一夜城ならぬ一夜街が作れることを実証したのだ。
「ははははは、笑うしかない……」
目の前に出来上がった街にケラリス神国で勇者と呼ばれていた親衛隊隊長カルラも呆れてしまう。
でたらめな白狼隊の活躍や行動は知っていたが、ここまでだと驚きを通り越して笑ってしまう。
「どうやら問題なさそうですね師匠」
「GUもかなりレパートリー増えたし、過酷な環境下での補給基地にはGUを起用できそうだね」
いずれ来る魔族との戦争に対しての様々な実験もユキムラはこの国で行っている。
今回のこともその一環だ。
「と、言うわけで! 今日の夜はレストランで英気を養って、明日から3日間は自由行動!
しっかりと休んで、好きなことをして、またダンジョン攻略に勤しみましょう!」
レストランでは魔道具から素敵な音楽が流れ、料理はGUによる調理だ。
「うん! 美味しいね!」
「ソーカねーちゃん監修の調理GUですから!」
「なるほど、ソーカのお墨付きならこの美味しさも納得ね!」
「これは……頑張らないと、GUに仕事を獲られちゃいますね!」
コウとナオは敏感にGUの可能性を分析する。
自分たちの仕事の領分が、GUに取って代わられてしまうことを危惧しているのだ。
「うーん、まぁ、今回やっておいて言うのはなんだけど、こんなこと日常的に行ったら、さすがに魔石があっという間に枯渇しちゃうよね。ここを3日運用するだけでも、ここのダンジョンで一週間分くらい敵を討伐して集める魔石の魔力が使われてるからね……」
「なっ……」
白狼隊以外のメンバーは絶句してしまう。
白狼隊との訓練によってもたらされた魔石は、ケラリス神国における魔石を優に数十年支えるレベルに達していた。
戦争があったとしても、その蓄積された魔石は膨大な力をもたらすことは間違いなかった。
そんな、とんでもない魔石を、余暇を3日過ごすために惜しげもなく使用する。
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