老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
237話 飲み過ぎ注意
嫌がる夜叉姫を九が妖術で眠らせて朧が担いでいる。
鬼王とは、あとでダンジョン攻略を共にする約束をして別れた、白狼隊の一行。
「夜叉姫様に妖術をかけられるようになるとは……
すこしはぬらりひょん御大も楽になりますな」
「前はぬらりひょん様しかかけられませんでしたからねぇ~。
これからは私達も夜叉姫様付きになりそうですねぇ」
夜叉姫は生まれ持っての強い妖力のおかげで状態異常魔法やそういったものに対してとても強い抵抗力を持っている。
姫としてちやほやされ、ややわがままに育ってしまって、小言とお仕置きが出来るのもぬらりひょん一人になってしまい、さらにわがままになっていっていたそうだ。
「これからは九も朧も姫様がおいたしたらお仕置きできるね」
「私はレン様にお仕置きされたいのですけどもぉ~」
「九ちゃんも朧ちゃんもブレないわねぇ……」
「わーうん!」
「ほら、タロもいいかげんにしろって言ってるぞー」
和やかな雰囲気で帰路につく。
修行のためという理由で城郭ダンジョンは転移とかができなくなっているので、進んだ道を一生懸命進むしか無い。
帰り道は車を利用したので行きよりも遥かに短時間で帰ることが出来た。
車の運転はソーカが抜群に上手かったりする。
飛ばし始めると一人の世界に入り込むのが困りものだ。
コーナを曲がる時に「あと2cm、いや3cmで壁を……」なんて感じでブツブツ言い始める。
ユーロビートでも流せば雰囲気が出そうだなぁとか呑気なことをユキムラは言っていた。
外の景色は飛ぶようにすっ飛んでいくものの、車内はまるで停車しているかのようなので、呑気に構えてしまうのも仕方がないことではある。
全員達人なため、高速で壁ギリギリを攻められてもきちんと見切っているのだ。
「いやー、行きの地獄がウソのように楽すぎて悪い気さえしますな!」
「ほんに早い鉄の車ですねぇ~」
「いやーソーカの運転技術が凄いんだよ。俺この通路をこんなスピードでは走れないもん」
「鬼王さんが部下たちに通達してくれて助かりましたね。
轢いちゃいますもんね」
「今すぐ城に走ってこい! って無茶苦茶な命令に全員ちゃんと集まってくるんだから凄いよね」
「そのまんま宴になってましたから、提供した料理やお酒楽しんでもらえてよかったですね」
「お酒出した瞬間8鬼衆が血相変えて飛び込んできたのはおかしかったねー」
「今頃お城は大騒ぎになってそうよねぇ~」
「まぁ、後でまた訪れて地下のダンジョン攻略しないとね!」
先程まで死闘を繰り返していたとは思えないほど、のほほんと白狼隊を乗せた車は爆走していく。
その後は見るも無残な光景だった……
気絶したままぬらりひょん爺の前に連行された夜叉姫は、磔からのくすぐりで無理やり起こされ、失禁手前まで責め苦を味わった。
ぬらりひょん爺の最期の毛の恨みは深く、そして、哀しい。
ケツ叩き、くすぐり、恨み言が延々と耳元で繰り返される、髪の毛が一本一本抜けていく(これは幻影だそうだ)、非常に辛いお仕置きを受けて、夜叉姫は抜け殻のようになっていた……
「くだらない騒動に巻き込んでしまい、本当に申し訳ございません」
ぬらりひょん以下妖怪たちの面々から深く謝罪を受けたユキムラ達は、新たな友人と出会えたことを喜び、本当になんとも思っていなかった。
強力な妖怪というか神格の生物に進化した二人は今後も妖怪の里をきちんと守ってくれるだろう。
念のためにGUと女神の壁はきちんと設置しておく。
きっとこの里の助けになるだろう。
「よーし! そしたら地底のダンジョンへ向かおう!
ソーカ、また頼んだよ!」
「わかりました! ユキムラさん!」
こうして再びソーカ号は土地煙を上げながら鬼ノ城へと爆走していく。
鬼ノ城へ近づくと、明らかに異臭がする……
「酒くっさ!」
「ところどころ潰れた鬼が寝っ転がってますね……」
地面に倒れた鬼を轢きそうになってしまったので、徒歩で移動している一同は、城へ近づくほどに酷くなる惨劇と酒の匂いに顔をしかめていた。
「うーん、嫌な記憶を思い出させるなぁ……」
「師匠、魔道具展開しますね。酔いそうですボク……」
すぐに魔道具を展開して白狼隊の周囲には心地の良い空間が広がっていく。
「リバース物もそこら中にあるわねぇ……」
「ちょっとヴァリィさん意識しないようにしてるんですから言わないでください!」
「くーん……」
周囲は酷い状況だ。
ユキムラはふざけて作った高機能ル○バを無言で起動する。
水だろうが汚れだろうが、異次元空間に吸い込んでキレイにしてくれるだけではなく、内蔵された水や風の魔石によって拭き掃除から乾燥、磨き上げまで行ってくれる。
汚れや匂いに反応して全自動でこの通路を掃除してくれることだろう……
城へ近づくとまだ騒いでいる声がする。
扉を開けるとすぐに大声が響く。
「ブハハハハハハ!! 情けねぇなぁ! 8人がかりでオレ一人倒せねぇのか!」
ものすごく機嫌の良さそうな鬼王の声だ。
宴会の中心部で酒樽を抱えて鼻歌交じりで酒を空けている。
その周囲には8鬼衆の屍が累々だ……
「おっ! 帰ってきたかぁー!!」
メッチャ笑顔だが、多分魔道具無しで吐く息を嗅いだら卒倒しそうなほどの酒の気配がする。
「ど、どうしたんですかこれ……?」
「いやー、ユキムラ聞いてくれよ!
こいつらがこれからは俺達のチームの力を見せてやる!
ってぇ、嬉しいぃこと言ってくるからぁー!
なら、かかってこぉいって飲み比べしたのだよ、わかるかぁの・み・く・ら・べ?」
ユキムラは思った。めんどくせぇと。
「そんで、な、こいつら、8人でも俺を倒せねーのよ、びゃはははははは……」
突然白目を剥いてヒックリ返って、そのまま鬼王は寝てしまった。
白狼隊はため息を付いて、奥の部屋でコテージを展開して眠りについたのだった……
鬼王とは、あとでダンジョン攻略を共にする約束をして別れた、白狼隊の一行。
「夜叉姫様に妖術をかけられるようになるとは……
すこしはぬらりひょん御大も楽になりますな」
「前はぬらりひょん様しかかけられませんでしたからねぇ~。
これからは私達も夜叉姫様付きになりそうですねぇ」
夜叉姫は生まれ持っての強い妖力のおかげで状態異常魔法やそういったものに対してとても強い抵抗力を持っている。
姫としてちやほやされ、ややわがままに育ってしまって、小言とお仕置きが出来るのもぬらりひょん一人になってしまい、さらにわがままになっていっていたそうだ。
「これからは九も朧も姫様がおいたしたらお仕置きできるね」
「私はレン様にお仕置きされたいのですけどもぉ~」
「九ちゃんも朧ちゃんもブレないわねぇ……」
「わーうん!」
「ほら、タロもいいかげんにしろって言ってるぞー」
和やかな雰囲気で帰路につく。
修行のためという理由で城郭ダンジョンは転移とかができなくなっているので、進んだ道を一生懸命進むしか無い。
帰り道は車を利用したので行きよりも遥かに短時間で帰ることが出来た。
車の運転はソーカが抜群に上手かったりする。
飛ばし始めると一人の世界に入り込むのが困りものだ。
コーナを曲がる時に「あと2cm、いや3cmで壁を……」なんて感じでブツブツ言い始める。
ユーロビートでも流せば雰囲気が出そうだなぁとか呑気なことをユキムラは言っていた。
外の景色は飛ぶようにすっ飛んでいくものの、車内はまるで停車しているかのようなので、呑気に構えてしまうのも仕方がないことではある。
全員達人なため、高速で壁ギリギリを攻められてもきちんと見切っているのだ。
「いやー、行きの地獄がウソのように楽すぎて悪い気さえしますな!」
「ほんに早い鉄の車ですねぇ~」
「いやーソーカの運転技術が凄いんだよ。俺この通路をこんなスピードでは走れないもん」
「鬼王さんが部下たちに通達してくれて助かりましたね。
轢いちゃいますもんね」
「今すぐ城に走ってこい! って無茶苦茶な命令に全員ちゃんと集まってくるんだから凄いよね」
「そのまんま宴になってましたから、提供した料理やお酒楽しんでもらえてよかったですね」
「お酒出した瞬間8鬼衆が血相変えて飛び込んできたのはおかしかったねー」
「今頃お城は大騒ぎになってそうよねぇ~」
「まぁ、後でまた訪れて地下のダンジョン攻略しないとね!」
先程まで死闘を繰り返していたとは思えないほど、のほほんと白狼隊を乗せた車は爆走していく。
その後は見るも無残な光景だった……
気絶したままぬらりひょん爺の前に連行された夜叉姫は、磔からのくすぐりで無理やり起こされ、失禁手前まで責め苦を味わった。
ぬらりひょん爺の最期の毛の恨みは深く、そして、哀しい。
ケツ叩き、くすぐり、恨み言が延々と耳元で繰り返される、髪の毛が一本一本抜けていく(これは幻影だそうだ)、非常に辛いお仕置きを受けて、夜叉姫は抜け殻のようになっていた……
「くだらない騒動に巻き込んでしまい、本当に申し訳ございません」
ぬらりひょん以下妖怪たちの面々から深く謝罪を受けたユキムラ達は、新たな友人と出会えたことを喜び、本当になんとも思っていなかった。
強力な妖怪というか神格の生物に進化した二人は今後も妖怪の里をきちんと守ってくれるだろう。
念のためにGUと女神の壁はきちんと設置しておく。
きっとこの里の助けになるだろう。
「よーし! そしたら地底のダンジョンへ向かおう!
ソーカ、また頼んだよ!」
「わかりました! ユキムラさん!」
こうして再びソーカ号は土地煙を上げながら鬼ノ城へと爆走していく。
鬼ノ城へ近づくと、明らかに異臭がする……
「酒くっさ!」
「ところどころ潰れた鬼が寝っ転がってますね……」
地面に倒れた鬼を轢きそうになってしまったので、徒歩で移動している一同は、城へ近づくほどに酷くなる惨劇と酒の匂いに顔をしかめていた。
「うーん、嫌な記憶を思い出させるなぁ……」
「師匠、魔道具展開しますね。酔いそうですボク……」
すぐに魔道具を展開して白狼隊の周囲には心地の良い空間が広がっていく。
「リバース物もそこら中にあるわねぇ……」
「ちょっとヴァリィさん意識しないようにしてるんですから言わないでください!」
「くーん……」
周囲は酷い状況だ。
ユキムラはふざけて作った高機能ル○バを無言で起動する。
水だろうが汚れだろうが、異次元空間に吸い込んでキレイにしてくれるだけではなく、内蔵された水や風の魔石によって拭き掃除から乾燥、磨き上げまで行ってくれる。
汚れや匂いに反応して全自動でこの通路を掃除してくれることだろう……
城へ近づくとまだ騒いでいる声がする。
扉を開けるとすぐに大声が響く。
「ブハハハハハハ!! 情けねぇなぁ! 8人がかりでオレ一人倒せねぇのか!」
ものすごく機嫌の良さそうな鬼王の声だ。
宴会の中心部で酒樽を抱えて鼻歌交じりで酒を空けている。
その周囲には8鬼衆の屍が累々だ……
「おっ! 帰ってきたかぁー!!」
メッチャ笑顔だが、多分魔道具無しで吐く息を嗅いだら卒倒しそうなほどの酒の気配がする。
「ど、どうしたんですかこれ……?」
「いやー、ユキムラ聞いてくれよ!
こいつらがこれからは俺達のチームの力を見せてやる!
ってぇ、嬉しいぃこと言ってくるからぁー!
なら、かかってこぉいって飲み比べしたのだよ、わかるかぁの・み・く・ら・べ?」
ユキムラは思った。めんどくせぇと。
「そんで、な、こいつら、8人でも俺を倒せねーのよ、びゃはははははは……」
突然白目を剥いてヒックリ返って、そのまま鬼王は寝てしまった。
白狼隊はため息を付いて、奥の部屋でコテージを展開して眠りについたのだった……
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