老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
179話 シズイルの街
海底洞窟を爆走するRV車、それが今のユキムラ達の移動手段だ。
迷うこと無く隣の島への最短ルートを選んで走っている。
「MAPにルート表示する機能はいいですね!」
「周囲のマッピングをほとんど終わらせておいたからね、この地図はギルドにも渡してあるから、今後迷う人も減るだろうね」
「けど、この俯瞰視点ってのは本当に便利よね……フィールドなら壁の向こうだろうが見えるんだもん」
全員すっかり扱いに慣れた俯瞰視点。当たり前のように使っているが、これはとんでもないことだ。
探索においても戦闘においても、簡単に言えば上空にドローンを放ってそれで周囲を常に警戒しているようなものだ。探索効率の向上、危険の事前察知など得られるものは膨大だ。
「俯瞰に関しては一朝一夕で身につくものじゃないからね……」
「師匠と長く一緒に戦って……」
「ユキムラさんを心から尊敬すること!!」
「それ、ほんとに条件なのかなぁ……?」
「まぁ、確かめようがないわよねぇ~まぁ確かに私もユキムラちゃんは尊敬してるからーそうなのかもしれないんだけどねー」
「ワウン!!」
「タロもあの視界あるのかな? でもタロはもっと広い世界が見えている気がするんだよね」
ユキムラの足元でお利口におとなしくしているタロの背中を優しく撫でる。
「師匠、そろそろ洞窟をでます!」
なだらかな上り坂を難なく登っていく車は、あっという間に外へと飛び出す。
美しい海岸線にベイストの街のあった島よりも森林が多く存在している。
シズイル、センテナの街のある島へと上陸したのだ。
「レン、ちょっとだけ前のところとの違いを見たいから森の方へ向けてくれる?」
「わかりましたー!」
森の横につけると全員下車して散開する。30分後に集合で森の中を手分けして散策していく。
全員なれた様子でそれぞれに分担して森をマッピングしている。
採集ポイントなども記入してそのデータは全員で共有する。
魔物もいるが、実力の差は歴然だ。
もちろん魔物データもしっかりと記入していく。
こういったデータの蓄積によって白狼隊は唯一無二の正確な、そして凄まじい情報量を秘めた地図を作成する。これもまた目玉商品のひとつになる。
「あんまり変わらないけど向こうより肉は得やすいね」
「そうですね、久しぶりに唐揚げしますか」
「レン、沢山沢山!」
「わかったよソーカねーちゃん袖引っ張るなって!」
「皮が不足がちだったから助かるわー」
取れるものは普通だったが、極端に森林が少ないベイスト付近よりも得られるもののバリエーションが広くなった。
その後は車で一気にシズイルへと向かう。
本当はセンテナの街のほうが近いのだが、ダンジョン攻略の関係であとに回している。
一旦ベイストから東へでてシズイル、そこから南西に向かいセンテナ、MD攻略後は南東のウラスタ、最後に西南西に進みフィリポネア。ウラスタからフィリポネアが最も距離が長い。
南東の端から南西の端へ行く形になる。
フィリポネアの島から各島へは大橋がかけられているので、海底洞窟をすすむこと無く移動できるのでそこまで時間はかからないはずだ。
「師匠見えてきましたシズイルの街です!」
途中魔物に襲われもしたが問題なく車中から処理をしてあっという間にシズイルの街へと到着する。予定よりは少し遅れて、日が傾きかけていた。
「その異形な馬車を見ると、ベイトスの街から知らせのあった方々とお見受けするが?」
衛兵が誰何してくる。
「はい。ベイストの街サナダ商会会長ユキムラ。こちらがベイトス領主からの紹介状となります。
領主殿にお取り次ぎをお願いしたい」
用意してもらった紹介状、それにB級になった冒険者の証などを見せる。
全員車から降りて車を収納すると他の衛兵から驚きの声が上がる。
隊長と思われる人間がいろいろな手続をしてくれたようで、すぐに領主との面会の約束が取り付けられる。
ベイストの街は北のプラネテル王国との貿易の拠点として存在しているために、ベイストの街よりも軍事的にも作りとしても堅牢な印象を受けた。
街を囲む防壁もしっかりとした石造り、護っている衛兵の数も多い。
ベイストがリゾート地って印象だったので大分印象が変わるものだなと全員周囲を観察している。
「迎えの馬車が来ました。どうぞお乗りください」
領主の館から馬車が用意された。それなりに高級ではあるが、普通の馬車なのだ。
「これが、ふつうよね……でも、一度あれを知っちゃうと……」
地面の凸凹を拾って揺れる車内。
「そうですね、もうちょっと揺れないでくれると嬉しいな……」
ユキムラも少し顔色が悪い。
「ソーカねーちゃん大丈夫?」
レンは青い顔しているソーカに回復魔法をかけてあげている。
「ありがとう、ほんとに、ほんとにありがとう……」
さっきまで唐揚げと大騒ぎしていたソーカは青い顔をしている。
「ソーカ、エリクサー飲むか?」
「ちょ、師匠。乗り物酔いに究極回復剤使おうとしないでください!」
「で、でも気持ち悪そうだし……」
「ユキムラさん、その気持だけでうっぷ」
その後レンがエリクサーを取り出すユキムラを抑えるためにかなり上級な回復魔法をかけ続けることになった。
迷うこと無く隣の島への最短ルートを選んで走っている。
「MAPにルート表示する機能はいいですね!」
「周囲のマッピングをほとんど終わらせておいたからね、この地図はギルドにも渡してあるから、今後迷う人も減るだろうね」
「けど、この俯瞰視点ってのは本当に便利よね……フィールドなら壁の向こうだろうが見えるんだもん」
全員すっかり扱いに慣れた俯瞰視点。当たり前のように使っているが、これはとんでもないことだ。
探索においても戦闘においても、簡単に言えば上空にドローンを放ってそれで周囲を常に警戒しているようなものだ。探索効率の向上、危険の事前察知など得られるものは膨大だ。
「俯瞰に関しては一朝一夕で身につくものじゃないからね……」
「師匠と長く一緒に戦って……」
「ユキムラさんを心から尊敬すること!!」
「それ、ほんとに条件なのかなぁ……?」
「まぁ、確かめようがないわよねぇ~まぁ確かに私もユキムラちゃんは尊敬してるからーそうなのかもしれないんだけどねー」
「ワウン!!」
「タロもあの視界あるのかな? でもタロはもっと広い世界が見えている気がするんだよね」
ユキムラの足元でお利口におとなしくしているタロの背中を優しく撫でる。
「師匠、そろそろ洞窟をでます!」
なだらかな上り坂を難なく登っていく車は、あっという間に外へと飛び出す。
美しい海岸線にベイストの街のあった島よりも森林が多く存在している。
シズイル、センテナの街のある島へと上陸したのだ。
「レン、ちょっとだけ前のところとの違いを見たいから森の方へ向けてくれる?」
「わかりましたー!」
森の横につけると全員下車して散開する。30分後に集合で森の中を手分けして散策していく。
全員なれた様子でそれぞれに分担して森をマッピングしている。
採集ポイントなども記入してそのデータは全員で共有する。
魔物もいるが、実力の差は歴然だ。
もちろん魔物データもしっかりと記入していく。
こういったデータの蓄積によって白狼隊は唯一無二の正確な、そして凄まじい情報量を秘めた地図を作成する。これもまた目玉商品のひとつになる。
「あんまり変わらないけど向こうより肉は得やすいね」
「そうですね、久しぶりに唐揚げしますか」
「レン、沢山沢山!」
「わかったよソーカねーちゃん袖引っ張るなって!」
「皮が不足がちだったから助かるわー」
取れるものは普通だったが、極端に森林が少ないベイスト付近よりも得られるもののバリエーションが広くなった。
その後は車で一気にシズイルへと向かう。
本当はセンテナの街のほうが近いのだが、ダンジョン攻略の関係であとに回している。
一旦ベイストから東へでてシズイル、そこから南西に向かいセンテナ、MD攻略後は南東のウラスタ、最後に西南西に進みフィリポネア。ウラスタからフィリポネアが最も距離が長い。
南東の端から南西の端へ行く形になる。
フィリポネアの島から各島へは大橋がかけられているので、海底洞窟をすすむこと無く移動できるのでそこまで時間はかからないはずだ。
「師匠見えてきましたシズイルの街です!」
途中魔物に襲われもしたが問題なく車中から処理をしてあっという間にシズイルの街へと到着する。予定よりは少し遅れて、日が傾きかけていた。
「その異形な馬車を見ると、ベイトスの街から知らせのあった方々とお見受けするが?」
衛兵が誰何してくる。
「はい。ベイストの街サナダ商会会長ユキムラ。こちらがベイトス領主からの紹介状となります。
領主殿にお取り次ぎをお願いしたい」
用意してもらった紹介状、それにB級になった冒険者の証などを見せる。
全員車から降りて車を収納すると他の衛兵から驚きの声が上がる。
隊長と思われる人間がいろいろな手続をしてくれたようで、すぐに領主との面会の約束が取り付けられる。
ベイストの街は北のプラネテル王国との貿易の拠点として存在しているために、ベイストの街よりも軍事的にも作りとしても堅牢な印象を受けた。
街を囲む防壁もしっかりとした石造り、護っている衛兵の数も多い。
ベイストがリゾート地って印象だったので大分印象が変わるものだなと全員周囲を観察している。
「迎えの馬車が来ました。どうぞお乗りください」
領主の館から馬車が用意された。それなりに高級ではあるが、普通の馬車なのだ。
「これが、ふつうよね……でも、一度あれを知っちゃうと……」
地面の凸凹を拾って揺れる車内。
「そうですね、もうちょっと揺れないでくれると嬉しいな……」
ユキムラも少し顔色が悪い。
「ソーカねーちゃん大丈夫?」
レンは青い顔しているソーカに回復魔法をかけてあげている。
「ありがとう、ほんとに、ほんとにありがとう……」
さっきまで唐揚げと大騒ぎしていたソーカは青い顔をしている。
「ソーカ、エリクサー飲むか?」
「ちょ、師匠。乗り物酔いに究極回復剤使おうとしないでください!」
「で、でも気持ち悪そうだし……」
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