老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
118話 タロの進化
ダンジョン攻略8日目。
ゆっくり休んで身体も軽い。37・38・39・40階まで攻略できた。
レア鉱石も幾つか出てユキムラもご満悦。
全員の意思疎通がもう一段高いところにはいった感じがする。
あの激闘を乗り越えてパーティの絆も深まったんだろう。
ダンジョン攻略9日目。
41階層になるとまた壁面に走る文様が増え、少し近未来感を感じさせる洞窟へと変化する。
息づくように光る床や壁にユキムラがロマンを感じるとうるさい。
他の3人は、はぁ……と呆れているのに気がついた方が良い。
敵のレベルも1段階上がったようで、避けられない魔法攻撃なんかも増えてきている。
ユキムラもカウンター、ガードをきちんと使い分けて戦闘をしているものの、以前のように一撃必殺とは行かなくなってきている。被弾することも起きてきており、戦闘ごとに気が抜けなくなってくる。
MDの場合はやはりレベル帯が近くなりやすいので終盤はそれなりに緊張感のある戦闘になってくる。
42・43階はレンとユキムラの合成魔法実験でオーバーキル気味にガンガン進めた。
地上でやると環境が変わってしまいそうだから使うのはやめようという話がつく。
ダンジョン攻略10日目。
予定では10日目で攻略終了だったが、まだ43階層。
ドラゴン素材を利用した防具が全員分完成したので運用を始める。
この世界において最古の生命体である龍族の素材を利用した武器防具には、使用者の能力を高める効果がつく。大気に混じっている龍気と言うものを取り込んで利用する。その結果ブレス攻撃、魔法攻撃に耐性がつくというおまけもついてくる。龍気を取り込むために自然回復量も飛躍的に向上する。
お陰で44階層でありながらかなり戦闘に余裕ができてきた。
まだ使用している量が少ないがそれ以外の鉱石もヴァージョンアップさせたため全体としては別物クラスの装備になっている。
45階層で、再びアイツが現れる。アースドラゴンだ……
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
「またか……でも、もう怖くない! 龍特化武器もある! 装備も一新している!」
いやーな思い出のある足音に近づいていくとまた巨大なホールでアイツが巨体でウロウロしていた。
いくら装備が新しくなっても、前回のトラウマはそう簡単には抜けない。
戦闘準備はしっかりとやっておく。
ソーカはさっきからもぐもぐもぐと米やらライスやらを食べあさっている。
そんなに食べたら動けなくなりそうなものだがどうやら乙女の秘密のようだ。
レンやユキムラもそこまでは食べないが携帯用の高カロリーバー的なものをお茶で流し込む。
タロは妙に嬉しそうに尻尾をブンブンと振っている。
「なんか、タロ上機嫌だね? どうしたの?」
「わうん!」
「もう行きたいの? えーっと皆準備はOK? タロがノリノリだから行こうか!」
「「「はい」」」
全員準備はオーケーだ。
「そしたらタロ、先陣は任せた」
その言葉を聞いてタロがドラゴンの部屋へと踊りだす。
そして……
「な、なん……だと……」
みるみるうちにタロが巨大化し、20m程の大きさへと変化する。
アースドラゴンよりは少し小回りだが、巨大な白狼がそこに現れる。
おっきくなったタロはスピードは変わらずにドラゴンの首元に襲いかかる。
その鋭い牙をドラゴンの喉元に突き立てると恐るべき力でドラゴンを振り回し地面へと叩きつける。
ドゴーン!! と凄まじい衝撃が走るがそのままタロはドラゴンを押さえ込む。
『ボワウ!』
図太くなった声でユキムラ達に一声かける。がっしりとアースドラゴンの喉に食らいついているから少し変な吠え方になってしまっている。
あまりの出来事に放心状態になってしまった4人ははっと我に返る事ができた。
そしてタロの意図を理解する。
「よ、よし! タロが抑えてくれている間に腹部へ攻撃を集中するんだ! 一気に行くぞ!」
アースドラゴンの頑丈な外郭は背部だけだ。腹部側は鱗が露出しているし、背中側に比べると柔らかい。のしかかりの危険性があるので潜り込んでの腹部を攻撃なんて不可能だが、今は目の前にその弱点がさらけ出されている。
全員の総攻撃で、あれほど苦労したアースドラゴンの命の火はあっさりと消える。
タロの大手柄だ。
「すごいよタロ! いつの間にあんなことができるようになったの!?」
シュルシュルと小さくなりながら尻尾を得意気に振りながらタロがユキムラに近づいてくる。
「ウォフ! ウォフ!」
「ああ、凄い助かったよ! ありがとなー」
わしゃわしゃと全身を撫で回す。タロも気持ちが良いのか完全にお腹を見せてされるがままだ。
レンやソーカもモフモフに参加する。3人に撫でられてタロはたいへんご満悦だ。
「たぶん龍玉の出来事なんだろうね、凄いなータロは。あんなの見たことないから知らなかったよー」
タロは嬉しそうに皆の顔を舐めている。先程まで単騎でアースドラゴンの動きを完全に封じていた巨獣がこの愛らしいワンコと同一生物だと誰が信じるだろうか。
何にせよ、予想外にあっさりとアースドラゴンの撃退に成功したユキムラ達。
解体を済ませて更に状態の良いドロップ品をゲットできた。
「いやー、タロの援助もあったし、武器の調子もいいね。前回とは雲泥の差だったよ」
その後探索は順調に進み。
11日目には49階の攻略まで終了することが出来た。
12日目最下層への侵入を果たすことが出来た。
ゆっくり休んで身体も軽い。37・38・39・40階まで攻略できた。
レア鉱石も幾つか出てユキムラもご満悦。
全員の意思疎通がもう一段高いところにはいった感じがする。
あの激闘を乗り越えてパーティの絆も深まったんだろう。
ダンジョン攻略9日目。
41階層になるとまた壁面に走る文様が増え、少し近未来感を感じさせる洞窟へと変化する。
息づくように光る床や壁にユキムラがロマンを感じるとうるさい。
他の3人は、はぁ……と呆れているのに気がついた方が良い。
敵のレベルも1段階上がったようで、避けられない魔法攻撃なんかも増えてきている。
ユキムラもカウンター、ガードをきちんと使い分けて戦闘をしているものの、以前のように一撃必殺とは行かなくなってきている。被弾することも起きてきており、戦闘ごとに気が抜けなくなってくる。
MDの場合はやはりレベル帯が近くなりやすいので終盤はそれなりに緊張感のある戦闘になってくる。
42・43階はレンとユキムラの合成魔法実験でオーバーキル気味にガンガン進めた。
地上でやると環境が変わってしまいそうだから使うのはやめようという話がつく。
ダンジョン攻略10日目。
予定では10日目で攻略終了だったが、まだ43階層。
ドラゴン素材を利用した防具が全員分完成したので運用を始める。
この世界において最古の生命体である龍族の素材を利用した武器防具には、使用者の能力を高める効果がつく。大気に混じっている龍気と言うものを取り込んで利用する。その結果ブレス攻撃、魔法攻撃に耐性がつくというおまけもついてくる。龍気を取り込むために自然回復量も飛躍的に向上する。
お陰で44階層でありながらかなり戦闘に余裕ができてきた。
まだ使用している量が少ないがそれ以外の鉱石もヴァージョンアップさせたため全体としては別物クラスの装備になっている。
45階層で、再びアイツが現れる。アースドラゴンだ……
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「またか……でも、もう怖くない! 龍特化武器もある! 装備も一新している!」
いやーな思い出のある足音に近づいていくとまた巨大なホールでアイツが巨体でウロウロしていた。
いくら装備が新しくなっても、前回のトラウマはそう簡単には抜けない。
戦闘準備はしっかりとやっておく。
ソーカはさっきからもぐもぐもぐと米やらライスやらを食べあさっている。
そんなに食べたら動けなくなりそうなものだがどうやら乙女の秘密のようだ。
レンやユキムラもそこまでは食べないが携帯用の高カロリーバー的なものをお茶で流し込む。
タロは妙に嬉しそうに尻尾をブンブンと振っている。
「なんか、タロ上機嫌だね? どうしたの?」
「わうん!」
「もう行きたいの? えーっと皆準備はOK? タロがノリノリだから行こうか!」
「「「はい」」」
全員準備はオーケーだ。
「そしたらタロ、先陣は任せた」
その言葉を聞いてタロがドラゴンの部屋へと踊りだす。
そして……
「な、なん……だと……」
みるみるうちにタロが巨大化し、20m程の大きさへと変化する。
アースドラゴンよりは少し小回りだが、巨大な白狼がそこに現れる。
おっきくなったタロはスピードは変わらずにドラゴンの首元に襲いかかる。
その鋭い牙をドラゴンの喉元に突き立てると恐るべき力でドラゴンを振り回し地面へと叩きつける。
ドゴーン!! と凄まじい衝撃が走るがそのままタロはドラゴンを押さえ込む。
『ボワウ!』
図太くなった声でユキムラ達に一声かける。がっしりとアースドラゴンの喉に食らいついているから少し変な吠え方になってしまっている。
あまりの出来事に放心状態になってしまった4人ははっと我に返る事ができた。
そしてタロの意図を理解する。
「よ、よし! タロが抑えてくれている間に腹部へ攻撃を集中するんだ! 一気に行くぞ!」
アースドラゴンの頑丈な外郭は背部だけだ。腹部側は鱗が露出しているし、背中側に比べると柔らかい。のしかかりの危険性があるので潜り込んでの腹部を攻撃なんて不可能だが、今は目の前にその弱点がさらけ出されている。
全員の総攻撃で、あれほど苦労したアースドラゴンの命の火はあっさりと消える。
タロの大手柄だ。
「すごいよタロ! いつの間にあんなことができるようになったの!?」
シュルシュルと小さくなりながら尻尾を得意気に振りながらタロがユキムラに近づいてくる。
「ウォフ! ウォフ!」
「ああ、凄い助かったよ! ありがとなー」
わしゃわしゃと全身を撫で回す。タロも気持ちが良いのか完全にお腹を見せてされるがままだ。
レンやソーカもモフモフに参加する。3人に撫でられてタロはたいへんご満悦だ。
「たぶん龍玉の出来事なんだろうね、凄いなータロは。あんなの見たことないから知らなかったよー」
タロは嬉しそうに皆の顔を舐めている。先程まで単騎でアースドラゴンの動きを完全に封じていた巨獣がこの愛らしいワンコと同一生物だと誰が信じるだろうか。
何にせよ、予想外にあっさりとアースドラゴンの撃退に成功したユキムラ達。
解体を済ませて更に状態の良いドロップ品をゲットできた。
「いやー、タロの援助もあったし、武器の調子もいいね。前回とは雲泥の差だったよ」
その後探索は順調に進み。
11日目には49階の攻略まで終了することが出来た。
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