老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
75話 レン君の秘密
ファイアーゴーレムはスノーアントをちぎっては投げちぎっては投げしている。
そのまま大暴れしてくれればいい。
酸をかけられてもへっちゃらだからね。
「師匠敵の勢いが落ちてきたので中入ってもいいですか?」
敵の真っ只中で虐殺をしているせいで敵の勢いも分散したようだ、レンから意見具申される。
「そうだね、天井のもほとんど落ちて来たし急襲のリスクも下がったし、ただ、危なかったらすぐに下がるんだよ?」
「それでは私も行きます」
「十分気をつけてね!」
調子に乗って奥まで入り込んでいたのでこの場はファイアーゴーレムに任せて、壁を設置した辺りまでアントを蹴散らしながら戻る。
タロもレンもソーカも危なげなくアントを蹴散らしている。
「ん?」
自分も襲いかかるアントを蹴散らしながら二人と一匹の動きを見ているとあることに気がつく。
「レンさぁ、なんで死角の敵に正確に攻撃できるの?」
さっきから明らかに死角の敵にも攻撃してるし、攻撃を避けている。
ここのアントレベルで二人と一匹の装甲は抜けないのはわかっているから静観していたが、あまりに死角をフォローしている頻度が高い。
「あ……そのー、えーっと、ソーカねーちゃんに悪いんだけど、なんか師匠の見てる世界っての、
気がついたら普通に見えちゃって。上から自分を見下ろしているような……」
「え?」
ソーカさん絶句である。
「いつから?」
「オークの村あたりから?」
「そんな前からか、言ってくれればいいのに」
「ちゃんと冒険に出られたら驚かせようと思ってたんですが、こないだソーカネーチャンが倒れたからどうしようかと……」
「そ、そういう気の使い方は逆に傷つく……」
必死に発現したものをあっさりと何事でもないように体現されてしまって、ソーカは複雑だった。
「発動条件はなんなんだろうね……」
「うーん、自分は戦っている師匠凄いなーって食い入るように見てたらボヤーッとって感じですね」
こんな会話をしながらも周囲からアントの数がみるみる減っている。
タロなんか巨大なオーラを纏ってアントの海を走り回っている。ははは、元気だな。
「ソーカ今はどうなんだって……」
ソーカの方をユキムラが見るとじーーーーっとユキムラを見つめている。
「いやいやいや、そういうことじゃないだろ! って、危ないぞ!」
ソーカの背後からアントが飛びかかってくる、まぁ防具の能力的に傷一つつかないけども、しかしソーカは真後ろから飛びかかったアントを全く見ることなく斬り捨てた。
「フフフフフ……ユキムラさん……ああ、ユキムラさん、ユキムラさん」
インカムから呪怨のような声がボソボソと聞こえてきてユキムラも苦笑いだ。
「み、見えるようになったのね。怖いからそれ止めようよ」
引きつった笑顔になってしまう。
「集中してないと消えちゃいそうで……でも、大丈夫そうですね」
「ついでにいうとあんまりそれをあてにしてると、描写範囲外からの長距離攻撃あると逆に不利になるから気をつけてね。でも混戦では役立つから、二人共良かったね」
賞賛と同時にアドバイスも忘れない。
その画面ばかり見て目の前の対処に困るのは初心者が陥りやすいことだ。
「はい!」「はい師匠!」
その後3人と可愛らしいワンコ、それに遠くで暴れているゴーレムでアントを殲滅していく。
「それにしても数が多いな、これでまだ半分か……
しょうがない、かわいそうだけど。あ、皆集まってもらってもいい?」
レンとソーカ、そしてタロがユキムラの元へと戻ってくる。
「グラビティボール」
ユキムラは自分たちの周囲以外その出したボールへと強力な重力を発生させる魔法を使う。
外にいるゴーレムも含めて敵達がそこに向かって引きずり込まれて集まっていく。
「お疲れ様でした、《自爆》」
ユキムラがコマンドを発するとファイアーゴーレムは燃え上がり白色に光りそして爆発した。
近距離に集められていた大量のアントごと大爆発だ。
トンネル内にもビリビリと振動が広がる。
「崩れないよね……?」
「師匠確信なくあんな危険なことしたんですか!?」
振動は落ち着いてきた、悠久の時を刻んだトンネルは今の爆発に耐えきったようだ。
「ワオーン」
タロが遠吠えを決める。
勝利の雄叫びではない、あとはお前だけだ、クイーンスノーアントにそう突きつける雄叫びだ。
巨体をズルズルと引きずりクイーンスノーアントが敵意を剥き出してユキムラたちに近づいてくる、
でかい、きもい、長い!
「だいたいのボス種は魔法に対して強い抵抗性を持っているから、巨大な範囲魔法とかは殆ど効かないから、やるなら近接で強力な魔法で畳み掛けるか、近接攻撃が一番」
「あの奥が巣みたいですね」
「ああ、あとできちっと始末しないとまた卵が孵るからね、まずはアイツを倒してからだね」
「ユキムラ様、アレは私が倒してもいいですか?」
ソーカが一歩前に出る。
「わうん」
タロもそこに並ぶ。
「あ、レンはダメー流石にそれは冒険者のルールに反する」
今は移動しているという体で戦闘に参加させたが、ボスに挑むのはルール違反だ。
「ソーカねーちゃん、今日は譲ってあげるからさっさと倒してね」
「ウォフ!」
  ブルンブルンとヘリコプターのように尻尾を回すタロ、
「タロもやる気だね、それじゃぁソーカ無理せず、ヤバイと思ったらきちっと引くこと。いいね」
「はい!」
切れかけていたバフをきちんと貼り直す、一人前の剣士となる儀式、初めてのボス狩りにソーカが挑む。
そのまま大暴れしてくれればいい。
酸をかけられてもへっちゃらだからね。
「師匠敵の勢いが落ちてきたので中入ってもいいですか?」
敵の真っ只中で虐殺をしているせいで敵の勢いも分散したようだ、レンから意見具申される。
「そうだね、天井のもほとんど落ちて来たし急襲のリスクも下がったし、ただ、危なかったらすぐに下がるんだよ?」
「それでは私も行きます」
「十分気をつけてね!」
調子に乗って奥まで入り込んでいたのでこの場はファイアーゴーレムに任せて、壁を設置した辺りまでアントを蹴散らしながら戻る。
タロもレンもソーカも危なげなくアントを蹴散らしている。
「ん?」
自分も襲いかかるアントを蹴散らしながら二人と一匹の動きを見ているとあることに気がつく。
「レンさぁ、なんで死角の敵に正確に攻撃できるの?」
さっきから明らかに死角の敵にも攻撃してるし、攻撃を避けている。
ここのアントレベルで二人と一匹の装甲は抜けないのはわかっているから静観していたが、あまりに死角をフォローしている頻度が高い。
「あ……そのー、えーっと、ソーカねーちゃんに悪いんだけど、なんか師匠の見てる世界っての、
気がついたら普通に見えちゃって。上から自分を見下ろしているような……」
「え?」
ソーカさん絶句である。
「いつから?」
「オークの村あたりから?」
「そんな前からか、言ってくれればいいのに」
「ちゃんと冒険に出られたら驚かせようと思ってたんですが、こないだソーカネーチャンが倒れたからどうしようかと……」
「そ、そういう気の使い方は逆に傷つく……」
必死に発現したものをあっさりと何事でもないように体現されてしまって、ソーカは複雑だった。
「発動条件はなんなんだろうね……」
「うーん、自分は戦っている師匠凄いなーって食い入るように見てたらボヤーッとって感じですね」
こんな会話をしながらも周囲からアントの数がみるみる減っている。
タロなんか巨大なオーラを纏ってアントの海を走り回っている。ははは、元気だな。
「ソーカ今はどうなんだって……」
ソーカの方をユキムラが見るとじーーーーっとユキムラを見つめている。
「いやいやいや、そういうことじゃないだろ! って、危ないぞ!」
ソーカの背後からアントが飛びかかってくる、まぁ防具の能力的に傷一つつかないけども、しかしソーカは真後ろから飛びかかったアントを全く見ることなく斬り捨てた。
「フフフフフ……ユキムラさん……ああ、ユキムラさん、ユキムラさん」
インカムから呪怨のような声がボソボソと聞こえてきてユキムラも苦笑いだ。
「み、見えるようになったのね。怖いからそれ止めようよ」
引きつった笑顔になってしまう。
「集中してないと消えちゃいそうで……でも、大丈夫そうですね」
「ついでにいうとあんまりそれをあてにしてると、描写範囲外からの長距離攻撃あると逆に不利になるから気をつけてね。でも混戦では役立つから、二人共良かったね」
賞賛と同時にアドバイスも忘れない。
その画面ばかり見て目の前の対処に困るのは初心者が陥りやすいことだ。
「はい!」「はい師匠!」
その後3人と可愛らしいワンコ、それに遠くで暴れているゴーレムでアントを殲滅していく。
「それにしても数が多いな、これでまだ半分か……
しょうがない、かわいそうだけど。あ、皆集まってもらってもいい?」
レンとソーカ、そしてタロがユキムラの元へと戻ってくる。
「グラビティボール」
ユキムラは自分たちの周囲以外その出したボールへと強力な重力を発生させる魔法を使う。
外にいるゴーレムも含めて敵達がそこに向かって引きずり込まれて集まっていく。
「お疲れ様でした、《自爆》」
ユキムラがコマンドを発するとファイアーゴーレムは燃え上がり白色に光りそして爆発した。
近距離に集められていた大量のアントごと大爆発だ。
トンネル内にもビリビリと振動が広がる。
「崩れないよね……?」
「師匠確信なくあんな危険なことしたんですか!?」
振動は落ち着いてきた、悠久の時を刻んだトンネルは今の爆発に耐えきったようだ。
「ワオーン」
タロが遠吠えを決める。
勝利の雄叫びではない、あとはお前だけだ、クイーンスノーアントにそう突きつける雄叫びだ。
巨体をズルズルと引きずりクイーンスノーアントが敵意を剥き出してユキムラたちに近づいてくる、
でかい、きもい、長い!
「だいたいのボス種は魔法に対して強い抵抗性を持っているから、巨大な範囲魔法とかは殆ど効かないから、やるなら近接で強力な魔法で畳み掛けるか、近接攻撃が一番」
「あの奥が巣みたいですね」
「ああ、あとできちっと始末しないとまた卵が孵るからね、まずはアイツを倒してからだね」
「ユキムラ様、アレは私が倒してもいいですか?」
ソーカが一歩前に出る。
「わうん」
タロもそこに並ぶ。
「あ、レンはダメー流石にそれは冒険者のルールに反する」
今は移動しているという体で戦闘に参加させたが、ボスに挑むのはルール違反だ。
「ソーカねーちゃん、今日は譲ってあげるからさっさと倒してね」
「ウォフ!」
  ブルンブルンとヘリコプターのように尻尾を回すタロ、
「タロもやる気だね、それじゃぁソーカ無理せず、ヤバイと思ったらきちっと引くこと。いいね」
「はい!」
切れかけていたバフをきちんと貼り直す、一人前の剣士となる儀式、初めてのボス狩りにソーカが挑む。
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