老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
67話 ラブコメの香り
早朝の街を二人の人影が歩いている。
用意してもらった宿から診療所へと向かうユキムラとレンだ。
旅の疲れもあったのかユキムラもレンも昨晩はぐっすりと眠ってしまった。
普通に考えればボス級の敵を2体も同時に相手をしたので当然といえば当然だ。
昨日のボスクラスの魔物が街の近くまで出ることは珍しいことで、急な吹雪で身動きが取れない人や動物を狙ったのだろうってことと、もう一点が北にある永久凍土に住む龍の機嫌が悪いらしく、北方の森深くにいるような魔物が比較的人里近いところまで出てきているそうだ。
サルソーさんとの会食中も宿の女将さんに聞いた話も一緒だった。
ジャイアントスノーボアとジャイアントスノーウルフはこの辺りでも被害が出ていたので、ギルドからも報奨金をもらえた。
ギルドへの通信設備も設置を行った。
2体の巨大種を倒したことでさらにS級への階段を登ったと、通信テストで話したサイレンからお墨付きをもらえた。
診療所はすでに開いていた。
二人が中へ入ると待合室は閑散としていた。
  タロはきちんと外でお座りして待っている。
  お医者さんだから待っててねと言うとワオンと鳴いてきちんと待つ賢い子です。
「おー、昨日のあんちゃんたちか。目ぇ覚ましとるよ」
おじーちゃん先生が扉を開けて呼んでくれた。
「ソーカ!」
「ユキムラ様!」
顔色も落ち着いてすっかり元気そうになっているソーカを見て安心するユキムラとレン。
「ご心配をおかけして申し訳ございません」
「いやー、気にしなくていいよ。それよりも元気になったみたいでよかった!」
「病室なんだから少しは静かにせんか、まぁあんちゃん達が雪なくしてくれたおかげで、けが人の列も無くなって助かってるがな」
カラカラと人懐っこい笑顔を見せる先生。
「すみません。そしたらソーカは退院しても大丈夫なんですね?」
「何も問題なし、健康そのもの。しっかしおねーちゃんは鍛えとるな、彼氏さんも苦労するなハッッハッハッハ!! あ、お代は領主からもらっとるから帰ってええよ」
彼氏さんと言われたユキムラもソーカもお互いの方を見て目があって真っ赤になっている。
横でレンがはぁやれやれ子供かと呆れている。
3人が外に出ると日も高くなっていた。
タロが嬉しそうにソーカの周りをグルグルと走り回っている。
ソーカも嬉しそうにタロを持ち上げようとかがんだその瞬間、
ぐ~~~~~~~~~~
ソーカのお腹が盛大な音を立てて空腹を訴えた。
「いやぁぁ……」
その場に座り込んでしまうソーカ。
仕方ない、昨日から丸一日以上何も食べていなかったんだ。
朝食前に心配したユキムラ達が来ちゃったからね。
健気にソーカの手をペッロペロ舐めているタロが最高に可愛い。
そのあと死ぬ死ぬ言っているソーカを引きずって朝食を共に食べることした。
「ところでソーカ、戦闘の最後のアレは……」
「はい、たぶんユキムラ様の思ってるとおりだと思います。
昔聞いたカウンターの動き、それに、変なグラフとか数字が見えました。
それに、見えないはずの位置の映像も……」
食事を終え、落ち着いたソーカにユキムラはソーカの異変の原因となった変化を聞く、その後ユキムラはいろいろと質問をして確信へと変わる。
「確かに俺のVOの力を借りた戦闘方法だな、間違いない」
「ただ、今でも一生懸命再現しようとするのですが、
同じことは起きてくれません……」
悲しそうに目を伏せるソーカ、レンはそっと紅茶のおかわりを入れてくれる。
「必死になったときだけ、火事場のクソ力的な物なのかもなぁ……」
「アレが自由に使えれば、もっとユキムラ様のお役に立てるのに……」
「いやいや、終わった後の発熱から考えてもあまり乱用するべきじゃないよ!」
そう言われ迷惑をかけてしまったことを改めて反省してしまうソーカ、
「あ、いやあの時は本当に助かったし、ただ、心配なんだよソーカが……」
「ユキムラ……さん……」
見つめ合う二人。
「あのー、お邪魔そうなんで出かけてきましょうか?」
「「!?」」
すっかりレンとタロがいることを忘れて二人の世界に入りかけていた二人はまたも赤面してしまう。
「まったく、色仕掛けまでしておいて今更なに照れているんだかソーカネーチャンは……」
はぁ、とため息を付きながら空になった皿を片付け洗い始める。
その言葉にユキムラは過去の露天風呂での一件を思い出しかけてブンブンと頭を振る。
ソーカは、なんであんなにも積極的だったのにこうも恥ずかしいのか、うつむいてう~あ~と頭を抱えている。
「師匠、そろそろサルソーさんとの約束の時間になりますので、お二人の甘い時間は夜にでもゆっくり過ごしてください。
今日は私は馬車でやりたいことあるので、宿でゆっくりとお過ごしくださいね」
ゆっくりの部分に力を込めてレンはサルソーとの鉱山見学の支度を始めていく。
残された二人はチラチラとお互いの顔を見ては顔色を変化させている。ウブか!!
まぁ、ユキムラを落とすなら正攻法できちんと告白をすることが一番効果的だとレンも考えている。
以前からソーカなら戦闘力、事務能力、それに人柄も合格点だ。
そばに居てくれればレンとしても助かると考えている。
ただそれと同時に、師匠であるユキムラが誰かに取られるような子供っぽい感情と、初恋の人であるソーカへの秘めた思いでほんの少しごちゃっとしている。
「僕もまだまだ子供ですね」
準備をしながらつぶやくレン。
間違いなく君が一番年下だよ、精神年齢は一番上かもしれないけどね。
用意してもらった宿から診療所へと向かうユキムラとレンだ。
旅の疲れもあったのかユキムラもレンも昨晩はぐっすりと眠ってしまった。
普通に考えればボス級の敵を2体も同時に相手をしたので当然といえば当然だ。
昨日のボスクラスの魔物が街の近くまで出ることは珍しいことで、急な吹雪で身動きが取れない人や動物を狙ったのだろうってことと、もう一点が北にある永久凍土に住む龍の機嫌が悪いらしく、北方の森深くにいるような魔物が比較的人里近いところまで出てきているそうだ。
サルソーさんとの会食中も宿の女将さんに聞いた話も一緒だった。
ジャイアントスノーボアとジャイアントスノーウルフはこの辺りでも被害が出ていたので、ギルドからも報奨金をもらえた。
ギルドへの通信設備も設置を行った。
2体の巨大種を倒したことでさらにS級への階段を登ったと、通信テストで話したサイレンからお墨付きをもらえた。
診療所はすでに開いていた。
二人が中へ入ると待合室は閑散としていた。
  タロはきちんと外でお座りして待っている。
  お医者さんだから待っててねと言うとワオンと鳴いてきちんと待つ賢い子です。
「おー、昨日のあんちゃんたちか。目ぇ覚ましとるよ」
おじーちゃん先生が扉を開けて呼んでくれた。
「ソーカ!」
「ユキムラ様!」
顔色も落ち着いてすっかり元気そうになっているソーカを見て安心するユキムラとレン。
「ご心配をおかけして申し訳ございません」
「いやー、気にしなくていいよ。それよりも元気になったみたいでよかった!」
「病室なんだから少しは静かにせんか、まぁあんちゃん達が雪なくしてくれたおかげで、けが人の列も無くなって助かってるがな」
カラカラと人懐っこい笑顔を見せる先生。
「すみません。そしたらソーカは退院しても大丈夫なんですね?」
「何も問題なし、健康そのもの。しっかしおねーちゃんは鍛えとるな、彼氏さんも苦労するなハッッハッハッハ!! あ、お代は領主からもらっとるから帰ってええよ」
彼氏さんと言われたユキムラもソーカもお互いの方を見て目があって真っ赤になっている。
横でレンがはぁやれやれ子供かと呆れている。
3人が外に出ると日も高くなっていた。
タロが嬉しそうにソーカの周りをグルグルと走り回っている。
ソーカも嬉しそうにタロを持ち上げようとかがんだその瞬間、
ぐ~~~~~~~~~~
ソーカのお腹が盛大な音を立てて空腹を訴えた。
「いやぁぁ……」
その場に座り込んでしまうソーカ。
仕方ない、昨日から丸一日以上何も食べていなかったんだ。
朝食前に心配したユキムラ達が来ちゃったからね。
健気にソーカの手をペッロペロ舐めているタロが最高に可愛い。
そのあと死ぬ死ぬ言っているソーカを引きずって朝食を共に食べることした。
「ところでソーカ、戦闘の最後のアレは……」
「はい、たぶんユキムラ様の思ってるとおりだと思います。
昔聞いたカウンターの動き、それに、変なグラフとか数字が見えました。
それに、見えないはずの位置の映像も……」
食事を終え、落ち着いたソーカにユキムラはソーカの異変の原因となった変化を聞く、その後ユキムラはいろいろと質問をして確信へと変わる。
「確かに俺のVOの力を借りた戦闘方法だな、間違いない」
「ただ、今でも一生懸命再現しようとするのですが、
同じことは起きてくれません……」
悲しそうに目を伏せるソーカ、レンはそっと紅茶のおかわりを入れてくれる。
「必死になったときだけ、火事場のクソ力的な物なのかもなぁ……」
「アレが自由に使えれば、もっとユキムラ様のお役に立てるのに……」
「いやいや、終わった後の発熱から考えてもあまり乱用するべきじゃないよ!」
そう言われ迷惑をかけてしまったことを改めて反省してしまうソーカ、
「あ、いやあの時は本当に助かったし、ただ、心配なんだよソーカが……」
「ユキムラ……さん……」
見つめ合う二人。
「あのー、お邪魔そうなんで出かけてきましょうか?」
「「!?」」
すっかりレンとタロがいることを忘れて二人の世界に入りかけていた二人はまたも赤面してしまう。
「まったく、色仕掛けまでしておいて今更なに照れているんだかソーカネーチャンは……」
はぁ、とため息を付きながら空になった皿を片付け洗い始める。
その言葉にユキムラは過去の露天風呂での一件を思い出しかけてブンブンと頭を振る。
ソーカは、なんであんなにも積極的だったのにこうも恥ずかしいのか、うつむいてう~あ~と頭を抱えている。
「師匠、そろそろサルソーさんとの約束の時間になりますので、お二人の甘い時間は夜にでもゆっくり過ごしてください。
今日は私は馬車でやりたいことあるので、宿でゆっくりとお過ごしくださいね」
ゆっくりの部分に力を込めてレンはサルソーとの鉱山見学の支度を始めていく。
残された二人はチラチラとお互いの顔を見ては顔色を変化させている。ウブか!!
まぁ、ユキムラを落とすなら正攻法できちんと告白をすることが一番効果的だとレンも考えている。
以前からソーカなら戦闘力、事務能力、それに人柄も合格点だ。
そばに居てくれればレンとしても助かると考えている。
ただそれと同時に、師匠であるユキムラが誰かに取られるような子供っぽい感情と、初恋の人であるソーカへの秘めた思いでほんの少しごちゃっとしている。
「僕もまだまだ子供ですね」
準備をしながらつぶやくレン。
間違いなく君が一番年下だよ、精神年齢は一番上かもしれないけどね。
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コメント
にせまんじゅう
もちファンがここにも…
にせまんじゅう
火事場のクソ力?…
輪廻転生
レンが一番大人だな
ノベルバユーザー254917
えーソーカなんだ(ーー;)