俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章 #8「魅惑の誘惑」

 「綺麗な人だな!?」

 その女性はみのりに良く似ていた。多分、10年後にはこんな感じになっていると思う。

「その人、私の母親なんです」

 後ろからみのりがお料理をお盆に載せて運んできてくれた。さっきの話よりお盆に載っている料理のいい匂いの方が気になっていた。

 「おっ、いい匂い!」

 「先に食事を済ませちゃいますか!?」

 持っていたお盆をテーブルに置くみのり。

 「親子丼か!」

 「はい!お昼はガッツリ丼物がいいかな?っと思いまして」

 俺の前に置かれる親子丼は黄金色に輝いているように見える程見た目は完璧だった。ヨダレが垂れそうになってきた。

 「そんじゃあ、いただきます!!」

 「どうぞ♡」

 俺は合掌して箸を手に取り親子丼に手を出した。

 「…んめ〜〜〜!!!」

 涙が出そうな程美味しかった。箸も止まらずどんどんと口の中に頬張っていく。

 「ふふ♡良かったです!」

 嬉しそうな顔を浮かべるみのりはジッと俺が食べる姿を見ていた。

 ---あっという間に食べ終えた俺の頭の中は幸せでいっぱいになっていた。

 「ぷはあ!ごちそうさまでした!イヤ〜〜美味かったな〜〜!!」

 「お粗末様でした!」

 2人共、お昼を終えお茶を飲みながらゆっくりとしていた。

 「そう言えばさっきの話なんだけど…」

 「ああ、母の話ですか!?」

 俺はアルバムの話に戻すことにした。話の続きも気になっていた。

 「みのりの母親って確か人間なんだよね?」

 「そうですね。母は他の人と変わりない人間の子ですよ!」

 「だとしたら何で吸血鬼と結婚したんだろう?あ、別に悪く言ってるわけじゃないけど…」

 俺はただ単純に不思議だった。捕食関係と言ったらいいのだろうか?人の血を吸う吸血鬼と吸われる人間が何故結婚したのか?

 「分かってますよ!私も母に聞いたことがありますし…2人が出会ったのもちょうど私達と同じ中学の頃だったらしいです」

 「へ〜、そうだったんだ!?」

 こういう偶然もあるんだな!?まあ俺が吸血鬼って知ったのはつい最近だけど…

 「2人もこうして私達みたいに家で2人っきりになってゲームしたりご飯食べたりして…」

 「ちょ、みのり…さん?」

 するとイキナリみのりは俺のところへ急接近して来た。俺の手にみのりの手が重なるのを感じる。

 「それでこうやって体を重ねて…」

 「!?」

 更に俺にまたがって来るみのり。流石にコレはマズイのでは…

 「そしてこうやって体を抱き合わせて…」

 みのりは俺の腰に手を当てゆっくりと抱きしめて来た。

 (保て!俺の理性よ!!)

 理性のネジがぶっ飛びそうになる俺は必死に脳内に言い聞かせていた。

 「そしてこうやってお互いの唇を重ねて…」

 アカン!それだけは冗談抜きでヤバい!だがそんな事を気にせずみのりの顔は俺の顔に近づいてきた。もうお互いの息を感じられるところまで来ていた。

 「あ、あ…」

 緊張のあまり声が出て来ない。このまま唇を重ねたら俺の理性は間違い無く破壊される。そうなったら自分がどうなってしまうのか?自分自信でも分からない?

 (マズイ!誰か!誰かー!)

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