俺の高校生活に平和な日常を
第2章 #21「話が長過ぎたから…」
 「私、人の血の匂いを嗅ぐのが大好きなんです」
 ああ、そういうことね。もちろん分かってたよ!吸血鬼だもんね。
 「佐藤君ってO型のRh-ですよね?」
 「えっ?そうだけど…?」
 急に血液型を答えられ俺は反応に困ったが一応当たっていたので返答した。因みに俺のO型Rh-はかなり珍しい血液型らしい。
 「吸血鬼は同じ血液型に惹かれるんですけど、O型のRh-って中々いなくて…」
 どうやら須川さんも俺と同じ血液型らしい。確かにO型の人はたくさんいるがRh-の人は俺もあんまり会った事が無い気がする。まあ、俺自身、血液型とか興味ないんだけど…
 「でも、中学の時、佐藤君が同じ血液型の人だと分かって滅多にないチャンスを逃さない様に色々と努力してたんですよ!」
 「へえ〜」
 完全に他人事の様に聞いている俺。だが須川さんは話を続けた。
 「最初はどうやったらお近づきになれるか考えて見ました。不自然に思われない様にごく自然に話しかけるにはどうしたらいいか?マンガやアニメなどを見て研究し尽くしました!」
 (多分、それ参考にならないと思うけど…)
 咄嗟に心の中でツッコんでしまった。現実はそんなものでは上手くいかないことぐらい俺にでも分かる。彼女は2次元と3次元の境界線が曖昧になっているのだろうか?
 「そして私は、1つの結論に至りました!」
 まるで舞台女優のように胸に手を当てハキハキと喋る須川さん。駄目だ!ツッコミたくてもツッコむ間がない。有紗の方に振り返ってみるが、流石の彼女も入り込む余地がなさそうだ。
 「それは…人気者になることなんです!!」
 (結局、普通の答えに辿り着いたのね)
 あんまりこういうことを思いたくないが須川さんって意外とアホなんじゃないか?と思えてきた。段々俺の中の須川さんの評価が低くなってきていた。
 「私は人気者になる為に必死に努力しました。昔は運動も勉強も標準くらいだし吸血鬼とバレない様に人とのコミュニケーションを極力避けてきましたが、全て積極的にやるようになりました!」
 (ヤバいなー。これ話が長くなるぞ!どうしよう?)
 最早話を聞くのが面倒くさくなってきた。俺は有紗を見て目で合図を送った。有紗もそれに気づき動き出した。
 「努力に努力を重ね、気づけばクラス委員長から生徒会長にまで上り詰めました。これなら佐藤君とお話しても大丈夫だと確信しました。しかし現実はそう上手くいきませんでした。そう、佐藤君との距離は相変わらず遠いままだったんです!理由は単純明快、同じクラスになったことがないから話すキッカケが無かったんです!!結局、3年間ただ努力をしただけの結果になってしまいました。でも私は諦められず高校ではと思い色んなところからの推薦を断り佐藤君と同じ地元の高校を選びました。するとどうでしょうか?奇跡的に同じクラスになれたんです!私は絶対にこのチャンスを逃すまいとして今日に至りました。どうです?私のこの想い、受け取ってくれま…」
 長々と喋っていた須川さんには悪いが俺達には全く耳に入っていなかった。何故なら…もう俺達帰ってるから!
 須川さんのその後の淋しそうな光景が俺の頭には思い浮かんでいたのだった。
 ああ、そういうことね。もちろん分かってたよ!吸血鬼だもんね。
 「佐藤君ってO型のRh-ですよね?」
 「えっ?そうだけど…?」
 急に血液型を答えられ俺は反応に困ったが一応当たっていたので返答した。因みに俺のO型Rh-はかなり珍しい血液型らしい。
 「吸血鬼は同じ血液型に惹かれるんですけど、O型のRh-って中々いなくて…」
 どうやら須川さんも俺と同じ血液型らしい。確かにO型の人はたくさんいるがRh-の人は俺もあんまり会った事が無い気がする。まあ、俺自身、血液型とか興味ないんだけど…
 「でも、中学の時、佐藤君が同じ血液型の人だと分かって滅多にないチャンスを逃さない様に色々と努力してたんですよ!」
 「へえ〜」
 完全に他人事の様に聞いている俺。だが須川さんは話を続けた。
 「最初はどうやったらお近づきになれるか考えて見ました。不自然に思われない様にごく自然に話しかけるにはどうしたらいいか?マンガやアニメなどを見て研究し尽くしました!」
 (多分、それ参考にならないと思うけど…)
 咄嗟に心の中でツッコんでしまった。現実はそんなものでは上手くいかないことぐらい俺にでも分かる。彼女は2次元と3次元の境界線が曖昧になっているのだろうか?
 「そして私は、1つの結論に至りました!」
 まるで舞台女優のように胸に手を当てハキハキと喋る須川さん。駄目だ!ツッコミたくてもツッコむ間がない。有紗の方に振り返ってみるが、流石の彼女も入り込む余地がなさそうだ。
 「それは…人気者になることなんです!!」
 (結局、普通の答えに辿り着いたのね)
 あんまりこういうことを思いたくないが須川さんって意外とアホなんじゃないか?と思えてきた。段々俺の中の須川さんの評価が低くなってきていた。
 「私は人気者になる為に必死に努力しました。昔は運動も勉強も標準くらいだし吸血鬼とバレない様に人とのコミュニケーションを極力避けてきましたが、全て積極的にやるようになりました!」
 (ヤバいなー。これ話が長くなるぞ!どうしよう?)
 最早話を聞くのが面倒くさくなってきた。俺は有紗を見て目で合図を送った。有紗もそれに気づき動き出した。
 「努力に努力を重ね、気づけばクラス委員長から生徒会長にまで上り詰めました。これなら佐藤君とお話しても大丈夫だと確信しました。しかし現実はそう上手くいきませんでした。そう、佐藤君との距離は相変わらず遠いままだったんです!理由は単純明快、同じクラスになったことがないから話すキッカケが無かったんです!!結局、3年間ただ努力をしただけの結果になってしまいました。でも私は諦められず高校ではと思い色んなところからの推薦を断り佐藤君と同じ地元の高校を選びました。するとどうでしょうか?奇跡的に同じクラスになれたんです!私は絶対にこのチャンスを逃すまいとして今日に至りました。どうです?私のこの想い、受け取ってくれま…」
 長々と喋っていた須川さんには悪いが俺達には全く耳に入っていなかった。何故なら…もう俺達帰ってるから!
 須川さんのその後の淋しそうな光景が俺の頭には思い浮かんでいたのだった。
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