俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第2章 #3「和彦作戦の誕生秘話」

 HRが終わり俺は机に突っ伏して少しだけ眠ろうとした。するとさっきの女子3人組の話し声が聞こえた。

 「ねえ、今日のニュース見た?」

 「ニュース?何々?加藤君のライブの事?見に行きたかったなあ〜」

 「違うって!昨日この近くの廃墟はいきょで変な男が瓦礫がれきに埋もれて倒れてたらしいよ」

 「何それ?死体?朝から変な話ヤメテよ〜」

 (なんか物凄く身に覚えがあるような…)

 俺は寝たフリをしたまま話を聞いていた。

 「それがその人気絶してただけで怪我とかも擦り傷だけだったみたい」

 「何それ、こわっ!!」

 やっぱり奥田の事で間違い無いだろう。あの状態で生きてるのは流石化け物じみた体をしているだけはある。

 「そう言えば何かその場所大量のロケ花が落ちてたらしいよ!マジ意味分かんないよね」

 「そこ廃墟でしょ!中坊とかがたまって遊んでたんじゃないの?」

 「そうなの?は〜、中坊って馬鹿な事考えるね〜」

 何故だろう?今の一言に心をえぐられた。

 自分の中では中々良い作戦だと思ったんだが、最後の後始末を完全に忘れていた。

 ---和彦作戦、奥田を戦闘不能にする為俺が無い知恵を絞り出した苦肉の策である。

 1・まず俺が奥田を誘い出す。

 2・奥田を廃墟まで誘導する。

 3・俺が廃墟の中に隠れる。

 4・俺を捜す奥田の背後を有紗が麻酔銃で眠らす。

 ココまではプランAだった。有紗が言うに作戦は幾つも考えるのが定石じょうせきだと言われ他の策も考えていた。

 プランBはプランAが失敗した場合ちょうどその廃墟の真ん中には大きな柱が崩れかけていた。

 そこに奥田をおびき出し近づいたところを有紗に壊して貰うという何とも雑な作戦である。

 因みに大量のロケ花はただの目眩めくらまし用として花火屋で大量に買占めた物だ!あの時の花火屋のおじさんの驚いた顔を思い出した。

 (しっかし思いのほか俺のロケ花流星群が効いたのは助かったな!多分、アレが決まってなかったら本気マジでヤバかった。

 キンコーン、カンコーン

 「あ、もう1限目始まんの?早いな〜」

 予鈴が鳴り先生が教室に入ると授業が始まった。授業と言っても先生の自己紹介と授業の説明だけで終わったので午前中の授業はあっという間に終わって行った。

 その間、有紗との会話は勿論、顔をあわせる事も出来なかった。

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