日常日記

ノベルバユーザー173744

雷が落ちた

雨の匂いというか、湿気を感じた。
そして、久しぶりに大粒の雨の音をカーテン越しに聞いた。

あぁ、今度こそ、私の地域の水がめに、水が溜まりますように……

そう祈った瞬間、稲光がカーテンの間から漏れた。

雷だ……

そう呟くと床が揺れるほどの音が響いた。

落ちたのか……

一瞬息を詰めていた。
北欧神話の雷の神トールは春を呼ぶ神……農耕の神でもある。
長い冬が終わる頃、雷が落ち、春の訪れを知らせ、人々は田畑を耕す。

では、今の雷はなんだろう……

日本では稲妻と言われている。
夏の終わりから秋の初めに落ちる稲妻は、稲穂が実るのを助ける為、『稲の妻』と書くのだそうだ。
丁度この時期は、早稲の稲はすでにこうべを垂れている。
旧暦だと分かっているが、面白い説もある者だと思う。

又、カーテンの陰が光った。

雨のことも心配だが、もっと心配なのは、また災害が起きないか、である。
他県の豪雨災害を見ていると、雨が少なく滅多に氾濫しない川が氾濫しそうで怖い。
兄の家は海沿いで、高波が来たら即水没するだろう。

今年の日本は災害が多すぎる。
そして、悲しみと後悔に包まれているような気がする。

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