二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

IFストーリー柏木編②

柏木が泊まりに来た翌日の夜。

「おい……」

「ん?」

「ん、じゃねーよ!どうしてまた居るんだよ!」

今日は休みだから昼まで寝てて、その後どっちも用があるからと解散して帰ってきたら柏木が居るってどういうことだよ!
鍵かかってましたよねぇ!?

なに、しれっとベットにいんだよ!

「合鍵を作ってきたからに決まってるでしょ?」

「用事ってそれかよ!」

合鍵を作るのが用事ってなんだよ!
ガサゴソやってるなーとは思ったけど、そういう事だったんですね!

「まーとりあえず昨日の続き見よ」

「まー。そーすっか」

慌ててもしょうがない。
とりあえずは昨日柏木と一緒に見ていたアニメの続きを見ることにしよう。
気まずさから見始めたもので、前にも見たことがあるやつだったけど、なんだかんだで続きが気になってたんだよなー。
1期2期、それぞれ2クール。さすがにOVAも合わせて50話の作品を一夜で見るには無謀すぎだな。

「瀬尾って流されないよな」

「どういう意味だよそれ」

「普通はさ。やっぱ動揺するでしょ?まさかまた泊まりに来るなんてさ」

「ハハハ。俺をそこらへんの人種と同じにすんなよ?俺はなオリジ」

「あーはいはい」

「だから最後まで言わせろって」

俺のこと舐めすぎじゃないですかねー。

「ん」

「これは?」

「見て分からない?これはねポテチって言って」

「それくらい分かるわ」

どこの世界にポテチを分からないアニオタが居るんだよ。
俺は基本アニメをながらで見たりするから、アニメの共にポテチは最強なんだよ。

「つか、よく俺の好きな味とか知ってるな」

「当たり前でしょ?ここ何ヶ月一緒に居ると思ってんの」

「あーだな」

確かに柏木とは
ここ何ヶ月かずっと一緒に居る気がする。
さすがに泊まりは昨日今日が初めてだが、ほぼ毎日と言っていいほど俺と柏木はつるんでる。
それだけに、俺は柏木のことをあまり知らない。
柏木は俺の好きな味とか知っているというのにだ。
初めてだ。誰かのことを知りたいと思ってるのは。

「柏木」

「ん?」

「俺、もっとお前のこと知りたいかも」

「/////っば!何言ってんだよ!」

「?俺は思ったことを言っただけなんだが」

柏木の好みの味やアニメ以外の趣味。
知らないことは知っておきたい。色々なことを。
なぜ泊まりに来ているのかも。

「本気か?」

「本気に決まってるだろ?」

柏木は俺の返答を聞いたあと、何かを覚悟し、上着を脱ぎ……

「ちょっと待て。何をしている柏木」

「……。瀬尾、1発殴っていいか?」

「なんで!?」

よく考えてみる。
俺は柏木のことをもっと知りたいと言った、柏木は顔を真っ赤にして本気かと聞き返してくる。
んー。あれだな勘違

「エンドオブアース」

「ぐはっ!」

狂気に満ちた柏木の顔を最後に俺の意識は途絶えた。
理不尽すぎる。



3日目、なぜか今日も柏木はここが我が家とでも言わんばかりのノリで普通にベットに居た。

「よ」

「よ、じやねーよなんでまだいんだよ」

「それより大丈夫?顔」

「あーこれなーのんか知らないけどいてーんだよなー転んだっけ?」

昨日の記憶がところどころないのはどうしてなんだ?

「瀬尾は変なところで主人公だな」

「変なところってなんだよおい。俺はどっからどう見ても主人公だろうが」

ラッキースケベどんと来い!!

「ま、とりあえず飯食おうぜ」



「なぁ柏木」

「なに?」

2人で飯を食いながら、俺は言おうとしていたことをついにい言う決心をした。
気になっていたことを。

「親となんかあったのか?」

「…………」

「あったんだな?」

「……なんで?」

「いやさ、泊まりに来てから何回かお前携帯無視してるだろ?悪いとは思ったけど覗いたら母親って書いてあったし」

一昨日も昨日もそしてついさっきも柏木はやたらと携帯を無視していた。最初は携帯をいじらない派なのかと思っていたが、ポケットから薄く光っていては誰かの着信があるというのを知らせていた。それも何回も。風呂に入っている時に、部屋に置いていった携帯を覗くと母親と書いていて、これはなにかあるなと思った次第だ。

「そーいやファミレスに居る時も何回かシカトしてたな」

今思えばだいぶ前からそんな感じだった。
着信があれば、一瞥し、冷たい表情で切るなんてのは多々あった。

「なんかあったのか?」

再度聞いて見る。
他人の家のことだ。
あまり踏み込んだりしない方がいいと思うが、これは違う。ただこどじゃない。

「関係ないでしょ?」

関係ない。
確かに関係ない。
他人の家の事だ俺が関わるべきではないし、関わっていいはずがない。でも、でもだ。

「関係あるに決まってるだろ?俺とお前は友達なんだから」

「友達……ね」

柏木の友達といいう言葉にはどこか、寂しげな声音が混ざっていた。

「友達なら尚更関係無くない?他人でしょ?私と瀬尾は」

冷たく重い一言だった。
昔の俺ならメンタルをズタボロにされた言葉だ。

でもな柏木、俺は主人公だからこんな言葉は聞かねぇんだよ!それにな、俺はお前のことを友達とは思ってるけどそれ以上に!

「じゃあ結婚しようぜ柏木」

「へ?」

「へ?」

ん?ちょっと待て。何を言ってんだよ!俺は!
何を口走ってんだ!
訳分からなくなりすぎだろ!

「それってどういう……」

ええい!こうなりゃヤケだ!
俺の思いをぶつけるしかねぇ!
ちくしょー!思いをぶつけるって恥ずかしいな!

「い、いやさ?他人なんなら結婚して家族になればいいだろ?そしたら俺にも関係ある事になるし?も、もちろん!結婚が嫌だったら付き合うからでも全然俺はOK…」

「瀬尾……。お前……馬鹿だろ?」

目に涙を浮かべて柏木はそう言った。

「2次元にしか興味ないんだろ?」

手で涙を拭いながら聞いてくる。
俺はその問に真剣に答える。

「前まではっていうか、ついこの間までな。いいか?恥ずかしいけどよく聞けよ?柏木と一緒にいる時間はそのー何ていうか楽しかったんだよ。自分をさらけ出せるっていうか、何ていうかか分からないけどよ、素の俺で話せれたんだ。最近も柏木について知りたいと思うようになったし、こんな気持ちになったの初めてだから上手く言えないけどよ。でもこれだけは言える俺の好きな人が困ってるのは見てらんない。だから、助けさせてくれ柏木」

思いを俺はぶちまけた。
すごく恥ずかしい。
こんなことを世のリア充共はやっているかと思うと尊敬する。

「……助けてくれ瀬尾」

微笑みながら、そっと寄り添ってくる柏木に

「当たり前だ」

俺は力強く答えた。



「お前のかーさんインパクトつえーな」

「私が嫌いな理由分かったでしょ?」

俺と柏木は、あの後、すぐに柏木の家に行って母親と会った。

俺は勝手に柏木と母親がケンカでもしているものだと思っていたのだが、そんなことは全然なくて、柏木の母親が柏木のことを好き好きているだけだった。ストーカー並に。

「リビングやばかったなーお前の写真しかなかったな」

「恥ずかしい……」

リビングに通されたのだが、至るところに柏木の写真、写真、写真だらけだった。
テレビにもサイズに合わせた柏木の写真が貼ってあって何時でも柏木しか見ることが出来ない仕様に変わっていた。

で、事の顛末なのたが、用は母親が柏木のことを好きすぎで柏木はそんな母親が大っ嫌いで、まぁケンカと言えケンカをしていた中だったらしい。
そして、今日会って決めたのは過度なスキンシップはしないのと、寝込みを襲わないの2つ。
正直、柏木のことを嬉しそうに話すあの母親にはゾッとした。

「ありがとね瀬尾」

「特に何もしてないけどな」

「でも、キッカケにはなった」

「なら良かった」

口走って告白したりしたのを思い出すと恥ずかしい。
なんで告白してしまったのか。

「あーそうそう返事なんだけどさ瀬尾」

「お、おう」

「よろしくお願いします陽向」

「へ?」

最高に可愛い顔で最高にいい声で、最高にいい返事を俺は貰った。

「ま、まじか」

「嘘はつかないよ瀬尾」

「つか、今下の名前で呼ばなかったか?」

「呼んでないって」

素直に喜んでいいのか、分からないけど、すごく嬉しい。世のリア充共はこんな気分を味わっていたのかと思うと殺意が湧いてくるな。

「一つ聞いていいか?」

「なに?」

「俺が結婚しようって言った時なんで泣いたんだ?」

「……」

「まさかのシカト!?」









「……言えるわけないでしょ。世界で一番好きな人に告白さらたからなんて」

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