二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?
第58話 ようたの○○なんて興味ないですわ!
セラフィに強引に引っ張られて数分が経とうとしていた。
最初のうちは、勢いがあって俺もなされるがままだったのだが、今はどちらかと言うと全然勢いがない。ていうか、完全に迷ってね?これ。
俺たちが集合場所に選んだ駅には隣接して大きなショッピングモールがある。
洋服に雑貨に本にいろいろとたくさん揃っていてここにくればある程度のものが揃うのだが、なぜかセラフィはこのショッピングモールに入ってからというもの、俺の腕を掴んだまま右を向いたと思いきや左を向いてみたりと、なぜか迷っていた。
「さっきから何を迷ってるんだ?服屋ならここにはないぞ?」
今いる場所はみんな大好きおもちゃ屋で、俺も休日にたまに1人で来たりするところだ。
ウルト○マンの人形とか見てるとテンション上がるんだよな。
子供に混じって試しプレイできるゲームに並ぶこともある。
「わ、分かってますわよ!少し黙っててくださる?」
若干キレ気味でセラフィに言われた俺は、それ以上は何も言わなかった。いや、今流行りでいう所の言えなかったの方が適切だ。
だって、めっちゃ怖かったんだもん!
桃も柏木もそうだが、なんで顔が端正なやつらがキレ気味でなにかものを言うとめっちゃ怖いんだろね?
顔の造りが良すぎるって言うのもダメなんだな。うん。
顔の造りが良すぎて変態発言しか言わないって言うのもダメとだ思うな!
つか、暴力系とかまじ俺怖いからキレ気味で言わないで下さい!
「よ、ようた?」
「な、なんですか?」
おもちゃ屋をぐるっと1周し、何度が左右を確認した後でセラフィが恐る恐ると言った感じで俺に聞いてきた。
返事が敬語になってしまったのは、べつに怖いからじゃないんだからねっ!
「そ、その……よ、洋服を売っているお店はどこにありますの?」
「………………は?」
一瞬セラフィが何を言っているのかわからなかった。
よし、OKだ。順番に整理しようじゃねーか。
セラフィは俺の腕を強引に掴んだあげく、強引に引っ張ってこのショッピングモールへと入ってきた。
しかし、ショッピングモールに入ってからというものセラフィはなぜか一目散におもちゃ屋へと足を向けて、散々首を左右に降ったあげく俺に服屋はどこにあるのかと聞いてきた。
……意味がわからない。こいつは一体なにがしたいんだ?
「服屋なら1階にあったぞ?」
聞かれた俺は、事実をありのままに言った。
このショッピングモールに入ってる一発目に俺の目に入ってきたのが何だか高そうな服屋だったから覚えるし、間違いない。
「え?ほんとうですの?」
驚愕の真実と言った感じでセラフィは確かめてくる。
「いや、逆に聞きたいんだが気づかなかったのか?」
「その……夢中になっていて周りが良く見えてなかったですわ……」
「服屋を探すのに夢中になっていたのに、夢中になりすぎて服屋を見落とすなんて」
「ば、バカにしないでくださいませ!」
「実際バカだろ」
「……うっ…」
俺の言葉が効いたのか、セラフィはようやく掴んでいた俺の腕から手を離し、うなだれた。
「だってしょうがないじゃないですの。デートどころか買い物にだってろくに来たことすらなかったのですから」
「え?お前あんなに自分に自信があるように言っておいてデートしたことなかったのか?」
「悪いですの!?」
「いや。全然悪くないです」
だから、その端正な顔で怒らないでください。
余計に怖さが増しますんで。
「わたくしが他の女性より人気があるのは自負しておりますけれど、わたくしは名家のお嬢様なんですのよ?行動に制限があって当然ではなくて?」
「当然って……。俺にはお嬢様の当然とか。あるあるとか。全然分かんないんだけど」
なんてたって一般人ですから。
「高校生になってからは行動にも多少自由が効くようになりましたけど、買い物などはすべてメイドに任せていたのでよく分かりませんの」
「おい。だからってなんでちょっと最後ドヤ顔してんだよ。やるタイミングが全然ちげーぞ?」
「なのでようた」
「無視ですか。そうですか」
「わたくしは買い物に関しては素人同然なので、エスコートをしてもらってもよろしくて?」
「ようはあれか?ろくに買い物出来ないから買い物について教えてくれとかだろ?」
「違いますわ。これはデートなんですのよ?わたくしをようたがエスコートするのですわ!」
「なにその無駄なプライド」
お嬢様のプライドなのか、買い物について教えてくれなんて言えないのか。まぁ、しょうがない。エスコートなりなんだりしてやっても……。
「だが断る!」
「へ?」
「だって俺は強制的にお前にデート(笑)に連れてこられたんたぜ?……遅刻したけど。なのになんで誘われた立場の俺がお前のエスコートなんか」
「第二体育館……女子が使用中に……用具室……」
「エスコートは任せろ。得意中の得意だ」
☆
「ここはなんですの?」
「服が欲しいんだろ?俺がよく(店の前で中を見ているだけの店)来る店だ」
「そうですの?ここが……」
俺たちはショッピングモールを後にし、大通りへとやって来た。
ショッピングモールにも専門的な店は多いのだが、大通りにある専門的な店はショッピングモールに比べると圧倒的に多いし、品揃えも豊富だ。
服が欲しいと言うセラフィの願い通りに俺は大通りにある、とある専門ショップにへと連れてきた。
ここはよく俺が行っているアニメ関連のグッズが売ってる店の通り道にあって、いつか入ってみたいと思っていた店だ。
外から店内を見る限り多種多様の服があるみたいだから、セラフィの気に入った服の一つや二つあるだろう。
「とりあえず中に入ってみようぜ」
「そうですわね」
店の看板を見て、渋い顔をするセラフィをよそに俺は中にへと入っていった。
そう……コスプレ専門ショップに。
☆
「ようた……もう一度聞きますわよ?ここはなんなんですの?」
試着を終え、メイドの衣装を着ている店員からパチパチと手を叩かれながらお似合いですよーと言われているセラフィは、嬉しいのかプルプルと身体を震わせながら俺に聞いてきた。
「ん?言ったろ?コスプレ専門ショップだって」
「言ってないですわよ!」
……おう。どこかの候補生みたいなことを言うなんて。やっぱりセラフィは候補生肌なんじゃないのか?
「なんなんですの!?これは!」
「知らないのか?それはメイド服って言うんだ」
「知ってますわよ!自分の家でこれに似たような服装をしている従業員を毎日見てますもの!」
「お嬢様アピール乙」
「アピールなんてしてませんわよ!」
「嫌だったか?メイド服?けっこう似合ってるのに」
「へ?そ、そうですの?」
「おう。金髪縦ロールのお嬢様が罰ゲームで召使いの格好をしてるエ○アニメに出て来そうだ」
「それは、褒めてますの?」
「俺はそういうエ○アニメは好きだぞ?」
「ようたの性癖になんて興味ないですわ!」
そう言葉を吐いた後、セラフィは試着室のカーテンをシャッと思いっきり閉めた。
やれやれ何を怒ったのだか。
けど、似合っていたのは事実だ。
顔もそうだが、スタイルがいいセラフィにメイド服はジャストフィットって感じでメイド喫茶にバイトでもしに行けば、即その店のNo.1になれるほどに着こなしていた。
パティシエタイプのメイド服は、ニーソが特徴的で絶対領域が好きな男だったらイチコロレベル。
これにどこぞのうさぎちゃんみたいにガーターベルトを装備するのも悪くない。悪くないんだが。セラフィはしょせん3次元。
某迷える子羊が出てくるラノベのうさぎちゃんが働いているメイド喫茶でセラフィが働いたとしても客なんて全然来ないだろうな。
セラフィが試着室で着替えてる間、手持ち無沙汰になった俺は、店内にある他のコスプレ衣装を見て回ることにした。
チャイナ服に、ナース服に、アニメに出てきた二次元美少女たちの四肢を纏っていた衣装まで、たくさんのコスプレ衣装が店内にはあった。
俺はその中の一つ。
爽やか系王子様が出てくるアニメの俺にとってのメインヒロイン。こまめちゃんのバイト先の衣装を手に取ろうとした。
「あ、すいません」
取ろうとした瞬間。
同じものを取ろうとした人と手がぶつかってしまった。
ギャルゲーとかでならここでイベントとかフラグが立ちそうな感じだが、リアルでそんなことは……。
「いえ。こちらこそ……あれ?陽向さん?」
「き、霧咲?」
リアルでもどうやらイベントは起こるものみたいだ。
そして、なぜだろう。冷や汗が止まらないんですけど。
最初のうちは、勢いがあって俺もなされるがままだったのだが、今はどちらかと言うと全然勢いがない。ていうか、完全に迷ってね?これ。
俺たちが集合場所に選んだ駅には隣接して大きなショッピングモールがある。
洋服に雑貨に本にいろいろとたくさん揃っていてここにくればある程度のものが揃うのだが、なぜかセラフィはこのショッピングモールに入ってからというもの、俺の腕を掴んだまま右を向いたと思いきや左を向いてみたりと、なぜか迷っていた。
「さっきから何を迷ってるんだ?服屋ならここにはないぞ?」
今いる場所はみんな大好きおもちゃ屋で、俺も休日にたまに1人で来たりするところだ。
ウルト○マンの人形とか見てるとテンション上がるんだよな。
子供に混じって試しプレイできるゲームに並ぶこともある。
「わ、分かってますわよ!少し黙っててくださる?」
若干キレ気味でセラフィに言われた俺は、それ以上は何も言わなかった。いや、今流行りでいう所の言えなかったの方が適切だ。
だって、めっちゃ怖かったんだもん!
桃も柏木もそうだが、なんで顔が端正なやつらがキレ気味でなにかものを言うとめっちゃ怖いんだろね?
顔の造りが良すぎるって言うのもダメなんだな。うん。
顔の造りが良すぎて変態発言しか言わないって言うのもダメとだ思うな!
つか、暴力系とかまじ俺怖いからキレ気味で言わないで下さい!
「よ、ようた?」
「な、なんですか?」
おもちゃ屋をぐるっと1周し、何度が左右を確認した後でセラフィが恐る恐ると言った感じで俺に聞いてきた。
返事が敬語になってしまったのは、べつに怖いからじゃないんだからねっ!
「そ、その……よ、洋服を売っているお店はどこにありますの?」
「………………は?」
一瞬セラフィが何を言っているのかわからなかった。
よし、OKだ。順番に整理しようじゃねーか。
セラフィは俺の腕を強引に掴んだあげく、強引に引っ張ってこのショッピングモールへと入ってきた。
しかし、ショッピングモールに入ってからというものセラフィはなぜか一目散におもちゃ屋へと足を向けて、散々首を左右に降ったあげく俺に服屋はどこにあるのかと聞いてきた。
……意味がわからない。こいつは一体なにがしたいんだ?
「服屋なら1階にあったぞ?」
聞かれた俺は、事実をありのままに言った。
このショッピングモールに入ってる一発目に俺の目に入ってきたのが何だか高そうな服屋だったから覚えるし、間違いない。
「え?ほんとうですの?」
驚愕の真実と言った感じでセラフィは確かめてくる。
「いや、逆に聞きたいんだが気づかなかったのか?」
「その……夢中になっていて周りが良く見えてなかったですわ……」
「服屋を探すのに夢中になっていたのに、夢中になりすぎて服屋を見落とすなんて」
「ば、バカにしないでくださいませ!」
「実際バカだろ」
「……うっ…」
俺の言葉が効いたのか、セラフィはようやく掴んでいた俺の腕から手を離し、うなだれた。
「だってしょうがないじゃないですの。デートどころか買い物にだってろくに来たことすらなかったのですから」
「え?お前あんなに自分に自信があるように言っておいてデートしたことなかったのか?」
「悪いですの!?」
「いや。全然悪くないです」
だから、その端正な顔で怒らないでください。
余計に怖さが増しますんで。
「わたくしが他の女性より人気があるのは自負しておりますけれど、わたくしは名家のお嬢様なんですのよ?行動に制限があって当然ではなくて?」
「当然って……。俺にはお嬢様の当然とか。あるあるとか。全然分かんないんだけど」
なんてたって一般人ですから。
「高校生になってからは行動にも多少自由が効くようになりましたけど、買い物などはすべてメイドに任せていたのでよく分かりませんの」
「おい。だからってなんでちょっと最後ドヤ顔してんだよ。やるタイミングが全然ちげーぞ?」
「なのでようた」
「無視ですか。そうですか」
「わたくしは買い物に関しては素人同然なので、エスコートをしてもらってもよろしくて?」
「ようはあれか?ろくに買い物出来ないから買い物について教えてくれとかだろ?」
「違いますわ。これはデートなんですのよ?わたくしをようたがエスコートするのですわ!」
「なにその無駄なプライド」
お嬢様のプライドなのか、買い物について教えてくれなんて言えないのか。まぁ、しょうがない。エスコートなりなんだりしてやっても……。
「だが断る!」
「へ?」
「だって俺は強制的にお前にデート(笑)に連れてこられたんたぜ?……遅刻したけど。なのになんで誘われた立場の俺がお前のエスコートなんか」
「第二体育館……女子が使用中に……用具室……」
「エスコートは任せろ。得意中の得意だ」
☆
「ここはなんですの?」
「服が欲しいんだろ?俺がよく(店の前で中を見ているだけの店)来る店だ」
「そうですの?ここが……」
俺たちはショッピングモールを後にし、大通りへとやって来た。
ショッピングモールにも専門的な店は多いのだが、大通りにある専門的な店はショッピングモールに比べると圧倒的に多いし、品揃えも豊富だ。
服が欲しいと言うセラフィの願い通りに俺は大通りにある、とある専門ショップにへと連れてきた。
ここはよく俺が行っているアニメ関連のグッズが売ってる店の通り道にあって、いつか入ってみたいと思っていた店だ。
外から店内を見る限り多種多様の服があるみたいだから、セラフィの気に入った服の一つや二つあるだろう。
「とりあえず中に入ってみようぜ」
「そうですわね」
店の看板を見て、渋い顔をするセラフィをよそに俺は中にへと入っていった。
そう……コスプレ専門ショップに。
☆
「ようた……もう一度聞きますわよ?ここはなんなんですの?」
試着を終え、メイドの衣装を着ている店員からパチパチと手を叩かれながらお似合いですよーと言われているセラフィは、嬉しいのかプルプルと身体を震わせながら俺に聞いてきた。
「ん?言ったろ?コスプレ専門ショップだって」
「言ってないですわよ!」
……おう。どこかの候補生みたいなことを言うなんて。やっぱりセラフィは候補生肌なんじゃないのか?
「なんなんですの!?これは!」
「知らないのか?それはメイド服って言うんだ」
「知ってますわよ!自分の家でこれに似たような服装をしている従業員を毎日見てますもの!」
「お嬢様アピール乙」
「アピールなんてしてませんわよ!」
「嫌だったか?メイド服?けっこう似合ってるのに」
「へ?そ、そうですの?」
「おう。金髪縦ロールのお嬢様が罰ゲームで召使いの格好をしてるエ○アニメに出て来そうだ」
「それは、褒めてますの?」
「俺はそういうエ○アニメは好きだぞ?」
「ようたの性癖になんて興味ないですわ!」
そう言葉を吐いた後、セラフィは試着室のカーテンをシャッと思いっきり閉めた。
やれやれ何を怒ったのだか。
けど、似合っていたのは事実だ。
顔もそうだが、スタイルがいいセラフィにメイド服はジャストフィットって感じでメイド喫茶にバイトでもしに行けば、即その店のNo.1になれるほどに着こなしていた。
パティシエタイプのメイド服は、ニーソが特徴的で絶対領域が好きな男だったらイチコロレベル。
これにどこぞのうさぎちゃんみたいにガーターベルトを装備するのも悪くない。悪くないんだが。セラフィはしょせん3次元。
某迷える子羊が出てくるラノベのうさぎちゃんが働いているメイド喫茶でセラフィが働いたとしても客なんて全然来ないだろうな。
セラフィが試着室で着替えてる間、手持ち無沙汰になった俺は、店内にある他のコスプレ衣装を見て回ることにした。
チャイナ服に、ナース服に、アニメに出てきた二次元美少女たちの四肢を纏っていた衣装まで、たくさんのコスプレ衣装が店内にはあった。
俺はその中の一つ。
爽やか系王子様が出てくるアニメの俺にとってのメインヒロイン。こまめちゃんのバイト先の衣装を手に取ろうとした。
「あ、すいません」
取ろうとした瞬間。
同じものを取ろうとした人と手がぶつかってしまった。
ギャルゲーとかでならここでイベントとかフラグが立ちそうな感じだが、リアルでそんなことは……。
「いえ。こちらこそ……あれ?陽向さん?」
「き、霧咲?」
リアルでもどうやらイベントは起こるものみたいだ。
そして、なぜだろう。冷や汗が止まらないんですけど。
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