どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

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あれから極端に布の面積が少ない小悪魔パジャマに着替えロアと一緒にベットに入って寝た、俺をぺたぺた触りまくった後、満足気に眠って俺も寝ようか……そう思って目を瞑る事30分。

「全く寝られない……」

そう言って俺は上体を起こし汗を掻く、こうなる事は分かっていた、さっき決意したよ? 出来るだけ一緒にいてロアを見てやると! だがな……男が女と一緒に眠れる訳がないんだ! いや……違うな、何時も一緒に寝ていたな、そりゃ初めは寝られなかった、だが一緒に寝続けそれに馴れてしまった……今もそうな筈なのに寝られない、これはあれだろう……ロアの事を意識し過ぎて眠れないって奴だ。

「不器用か俺は!」

そうじゃないだろう……見てやるって!一日中じゃなくて食事中だとか会話の中での見てやるだよ! あぁぁぁっ落ち着け俺っ! 確かに答えは早く出さなきゃ行けないが慌てて出す事なんてないんだ! ロアの事意識しまくりなんだよ! こっこんな事で寝不足になったら悲しくなる、早く寝なければ……は!これも意識してしまった……これじゃ寝るのは不可能だ、俺ってほんっと不器用だな!

「くそ……こんな時は羊……は止めておこう」

前、羊を数えたらメェが来て大変な事になった、あんな事が2回も起こる訳がないと思うがこの方法は止めておこう、ちらりとロアの寝顔を見てみる。

「くかぁ……くふふぅ、しりゅくぅーそこは駄目なのじゃぁ」

綺麗な寝顔で俺に抱きついてくる、一体どんな夢を見てるんだ……夢の中の俺は何をしているんだ!

「無になるしかない……」

駄目だ……このまま色々と考えてたら寝不足になってしまう、こんな事を考えてて寝不足とかロアに絶対にからかわれる、それだけは避けたい! 無になれ……ゆっくりと枕に頭を置き、優しく目を瞑る意識を断つ、心に思う事は『無』それだけだ、と俺がそうしたその時、脳裏にとある記憶が声として出てくる。

『しっるくーキスするのじゃぁ!』
『お着替えするのじゃぁ!』
『萌えの波動を感じるのじゃぁ!』

……。

「こんなハチャメチャな日常を送っているのに無になれる訳無いだろ阿呆!」

再び上体を起こし目を開く! あぁぁぁっ! 何なんだよ、濃いのか? ロアとの日常はそんなに濃かったのか? 寝る邪魔をして来る位、深く脳裏に記憶される程濃かったのか? ……まぁ、実際濃かったけど。

「……この阿呆」

つんっ……ロアの頬をつついた、人の来も知らないですやすや眠りやがって……つんつんっ日頃のストレスを果たすかの様にぶにぶにとロアの頬を突っつく、嫌そうに顔を歪めるが容赦はしない……ん、何か顔が緩んできてないか?

「もっ……」

も?

「もっとして欲しいのじゃ」

俺は直ぐ様突っつくのを止めた……色っぽい声だった、それはもうどきっとしてしまう程に……俺に物凄い大悪感が生まれてしまった、直ぐに頭を枕に置き目を瞑る……余計な事はするもんじゃない、そうだ……ロアの事を考えるから駄目なんだ、他の事だ、他の事を考えるんだ、俺はゆっくりと呼吸し意識を手放して行く、そうこのまま無になれば良い……と思った時だ! 再び記憶が声として脳裏を過って行く。

『シルクさんお着替えしましょうか』
『うふふふ……もっと可愛い声をあげてください』
『あらあら……流石はシルクさんですね』

「わぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

あっ悪夢だ……悪夢を見てしまったぁぁ! 全身から汗が吹き出る俺……こんなに騒いでるのにロアは寝ている、起きる様子なんて微塵も無い!

「くふふぅ……今日のシルクは……やけにがっつくのぅ……そんなにわらわの身体が……気持ち良いの……かえ?」

一体どんな夢を見てるんだよ! そしてロアの夢の中の俺……何をしてるんだよっ正気になれ!

「はぁ……はぁ……」

くっ……ロアの声が夢の中で聞こえただけでも眠れないのにヴァームの声が聞こえたら余計に眠れないじゃないか……息を切らしながら俺は横目でロアを見る、ころんっ! と寝返りをうったり、俺の小悪魔コスの尻尾をにぎにぎしてきたりと以外と寝相が悪い……何度も蹴られてベットから落とされたのは1度や2度ではないと言うのを思い出してしまう。

「……もうこんな時間、流石に本腰入れて眠らないと不味い」

ふと時計を見ると午前1時……全く寝られていないじゃないか……いや、意識して眠ろうとしちゃ駄目だ……逆に考えて見よう、絶対に眠らないと考えるんだ……いけるかどうか分からないが試して見よう、自分でも本当に馬鹿な考えだな、はぁ……ある意味泣けてきた。

「よし……俺は寝ない、絶対に寝ないからな!」

そう言いつつ3度枕に頭を乗せる、そして小言の様に「寝ない寝ない」と呟く、これで眠って見せる……そう思った時だ。

「うふふ……寝たくないだなんて嬉しい事言ってくれますね」

何だか知らんがヴァームが現れ俺を抱き上げた……夜だと言うのにパジャマでなくメイド服だ……いやそんな事はどうでも良い。

「えとっあのっそれは……」

ヴァームは恍惚な笑みを浮かべこう言った。

「でしたら朝まで私と遊びませんか?」
「嫌にきま……」

てるだろう、そう言おうとしたら景色が変わった……少し経ってこの景色は見た景色だと気付く、此処はヴァームの衣装部屋だ。

「さぁシルクさん……お着替えしましょうか」

ヴァームの満面の笑みを見て一瞬にして身体中に悪寒が走る、はははっ…このドラゴン本気まじで俺を寝かせない気だ、俺は絶望からか目から一筋の涙を溢した……。
そして一夜明けて次の日になる、俺は案の定寝不足になった……コスプレなんて大っ嫌いだ。

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