どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
82
時は更に経った……早いものでもう夜だ、今日の夜空は満点の星と綺麗な満月が昇っている、ロアの部屋のテラスでその月を眺める、街の明かりと上手くマッチして綺麗だ、だがこんな心境じゃなければもっと楽しめただろうに。
「どうしよう……」
そんな綺麗な景色を見ているのに俺はため息を吐いてしまう、実は俺はある事に悩んでいる、生まれてこのかた20年女になった事なかったからな……こんな状況になる事なんてなかったからどうすれば良いか分からない、と言うかこんな状況人間なら絶対に経験しない……よって考え付く取っ掛かりが見付からない。
「3日経てば元に戻るんだよな?」
3日って結構長いんだよな……俺の心もってくれるかな? いや、それよりも今は風呂の事だ、ぶっちゃけ気にせず何時も通りやれば良い事だとは思う……しかし考えてみて欲しい。
男だった身体が急に女の身体になって普通に風呂など入れるだろうか?答えは……NOだ、もしも俺の様な状況になって気にせず風呂に入れる奴がいたなら俺は急かさずこう言うだろう……お前正気か! と。
「この身体……隅々まで見たくないんだよなぁ」
そう、今は見慣れた男の体ではない……女の身体なんだ! 女体化ならまだしもロリ化と言う厄介なトッピング付き……幼女の身体に興奮する、なんて思考は持ち合わせてはいない! この身体をあまり見たくない! しかし風呂には入りたい! 3日も風呂に入らないのはちょっと無理だ。
裸になれば嫌でも見る事になる……これはロアとの付き合いの問題よりも遥かに大変な問題だ。
「ほんっと……どうしようかなぁ」
無理だ……詰みだ、これ……考えても答えが出ないじゃないか? こんな問題どう解決すれば良いか分からない、つまり手詰まりだ。
「目を瞑りながら入るか? いや……そんなのは不可能だ」
そんな事やろう物なら足元にある石鹸があって、それに滑って頭から転倒……なんて事もあるかもしれない、俺の体力なら有り得る事だ。
「……そうだ! 服を着て入れば裸を見ずに済むぞ!」
ほんっと阿呆みたいな考えだが、もうこれしか無い! 名付けて着衣入浴っ! いける……これならいけるぞ! 右手をぐっと握り締める、だがこれをするのには大きな問題がある、あれさえなければこの問題を実行出来るんだけどな……余りにもモヤモヤし過ぎて大きなため息を吐いてしまう、そんな時だ……ゆっくりと扉が開かれる。
「シルクさん、お風呂の時間ですよ」
その人は一礼して礼儀正しく入ってくる、ヴァームだ、俺を風呂に呼びに来たらしい。
此処から飛び降りて逃げたい、まぁ怖いからやらないしそんな事しても逃げ切れないだろうから素直に言う事を聞こう。
「……あぁ」
渋い顔をしつつ応えテラスから出る、そうだよ……このドラゴンメイドが服を着たままの入浴なんて許す筈がないんだ、それをした瞬間、きっと「服を濡らすなんて……喧嘩売ってるんですか?」と言って恐ろしい目に合うだろう……あぁ想像しただけでも恐ろしい。
「あら?何で私を見つめてくるのですか?顔に何か付いてますか?」
「いや、何でもない」
ぐっ……風呂場に着くまでに何とかするしかないか……何とか出来る気が全くしないがな。
「そうですか……では失礼致します」
「……なぁ、別の方法は無いのか?」
ヴァームは例のあれを実行する、それはお姫様抱っこだ……何かされるの久し振りな気がする。
「ふふふ……あったとしてもやりませんよ」
「いや、そこはやってくれよ……」
絶対にこの格好をさせたいからやってるんだろ? 俺は分かってるんだからな。
「では、行きますね」
ヴァームはそのまま廊下に出て高速で廊下を移動する、この速さにも慣れて来てしまった、ほんっとこの廊下に掛けた魔法迷惑過ぎる……っ! ヴァームの胸が、たぷんたぷんーー揺れてる、でもこれ偽物なんだよな? よそう……そんな事考えてる事が張れたら悲惨な事になってしまう。
「あっ……言い忘れた事がありました」
「なんだ?」
なんて事を思ってたらヴァームがそんな事を言ってきた、きっと録でも無い事だろう……とは思ったが気になって聞いてしまう。
「お風呂場には既にロア様が待っています」
「……そうか」
なんてこったい……これで退路は絶たれてしまった、ロアがいれば、ますます着衣入浴なんてさせてくれないだろ! と言うか今までの流れからして、風呂=ロアが一緒に入ってくる、と言うのが今までの経験でもあっただろう、何故今の今まで思い付かなかったんだ!
「ふふ……嬉しそうに笑ってますね」
「そう見えるか?」
俺は苦笑してたつもりなんだけどな、そう見えたなら1度医者に目を見て貰った方が良い。
「シルクの髪を洗うのじゃ、そう仰られていました、あぁ……大分髪の毛が痛んでますね」
じぃっーーと髪の毛を見てくる、何かじっくり髪を見られると恥ずかしい、あっ! そう言えばロアが「今日の風呂の時間、わらわが髪を洗ってやるのじゃ」って言っていたな……すっかり忘れてた、あいつは自分の欲望を押し付けるタイプだった。
「シルクさん……お1つよろしいですか?」
「今度はなんだ?」
また変な事を言う気じゃないだろうな? これ以上変な事を言ったら俺は心が折れるからな。
「ロア様との時間を楽しんで来て下さいね」
楽しんで来いか、人の気も知らないでサラッと簡単に言ってくれるなぁ。
「楽しめれば良いんだけどな……」
「ふふ……」
きっと凄く恥ずかしい事が起きそうな気がする、いや気がするじゃないな……絶対に起きる、俺の経験上そうなるだろう。
「さぁ着きましたよ……」
着いてしまったか、ヴァームは楽しめと言ったが、そんなの楽しめる訳がない、さて……心を引き締めよう、波乱の入浴が始まる! もう逃げられないなら覚悟を決めてやる!
「どうしよう……」
そんな綺麗な景色を見ているのに俺はため息を吐いてしまう、実は俺はある事に悩んでいる、生まれてこのかた20年女になった事なかったからな……こんな状況になる事なんてなかったからどうすれば良いか分からない、と言うかこんな状況人間なら絶対に経験しない……よって考え付く取っ掛かりが見付からない。
「3日経てば元に戻るんだよな?」
3日って結構長いんだよな……俺の心もってくれるかな? いや、それよりも今は風呂の事だ、ぶっちゃけ気にせず何時も通りやれば良い事だとは思う……しかし考えてみて欲しい。
男だった身体が急に女の身体になって普通に風呂など入れるだろうか?答えは……NOだ、もしも俺の様な状況になって気にせず風呂に入れる奴がいたなら俺は急かさずこう言うだろう……お前正気か! と。
「この身体……隅々まで見たくないんだよなぁ」
そう、今は見慣れた男の体ではない……女の身体なんだ! 女体化ならまだしもロリ化と言う厄介なトッピング付き……幼女の身体に興奮する、なんて思考は持ち合わせてはいない! この身体をあまり見たくない! しかし風呂には入りたい! 3日も風呂に入らないのはちょっと無理だ。
裸になれば嫌でも見る事になる……これはロアとの付き合いの問題よりも遥かに大変な問題だ。
「ほんっと……どうしようかなぁ」
無理だ……詰みだ、これ……考えても答えが出ないじゃないか? こんな問題どう解決すれば良いか分からない、つまり手詰まりだ。
「目を瞑りながら入るか? いや……そんなのは不可能だ」
そんな事やろう物なら足元にある石鹸があって、それに滑って頭から転倒……なんて事もあるかもしれない、俺の体力なら有り得る事だ。
「……そうだ! 服を着て入れば裸を見ずに済むぞ!」
ほんっと阿呆みたいな考えだが、もうこれしか無い! 名付けて着衣入浴っ! いける……これならいけるぞ! 右手をぐっと握り締める、だがこれをするのには大きな問題がある、あれさえなければこの問題を実行出来るんだけどな……余りにもモヤモヤし過ぎて大きなため息を吐いてしまう、そんな時だ……ゆっくりと扉が開かれる。
「シルクさん、お風呂の時間ですよ」
その人は一礼して礼儀正しく入ってくる、ヴァームだ、俺を風呂に呼びに来たらしい。
此処から飛び降りて逃げたい、まぁ怖いからやらないしそんな事しても逃げ切れないだろうから素直に言う事を聞こう。
「……あぁ」
渋い顔をしつつ応えテラスから出る、そうだよ……このドラゴンメイドが服を着たままの入浴なんて許す筈がないんだ、それをした瞬間、きっと「服を濡らすなんて……喧嘩売ってるんですか?」と言って恐ろしい目に合うだろう……あぁ想像しただけでも恐ろしい。
「あら?何で私を見つめてくるのですか?顔に何か付いてますか?」
「いや、何でもない」
ぐっ……風呂場に着くまでに何とかするしかないか……何とか出来る気が全くしないがな。
「そうですか……では失礼致します」
「……なぁ、別の方法は無いのか?」
ヴァームは例のあれを実行する、それはお姫様抱っこだ……何かされるの久し振りな気がする。
「ふふふ……あったとしてもやりませんよ」
「いや、そこはやってくれよ……」
絶対にこの格好をさせたいからやってるんだろ? 俺は分かってるんだからな。
「では、行きますね」
ヴァームはそのまま廊下に出て高速で廊下を移動する、この速さにも慣れて来てしまった、ほんっとこの廊下に掛けた魔法迷惑過ぎる……っ! ヴァームの胸が、たぷんたぷんーー揺れてる、でもこれ偽物なんだよな? よそう……そんな事考えてる事が張れたら悲惨な事になってしまう。
「あっ……言い忘れた事がありました」
「なんだ?」
なんて事を思ってたらヴァームがそんな事を言ってきた、きっと録でも無い事だろう……とは思ったが気になって聞いてしまう。
「お風呂場には既にロア様が待っています」
「……そうか」
なんてこったい……これで退路は絶たれてしまった、ロアがいれば、ますます着衣入浴なんてさせてくれないだろ! と言うか今までの流れからして、風呂=ロアが一緒に入ってくる、と言うのが今までの経験でもあっただろう、何故今の今まで思い付かなかったんだ!
「ふふ……嬉しそうに笑ってますね」
「そう見えるか?」
俺は苦笑してたつもりなんだけどな、そう見えたなら1度医者に目を見て貰った方が良い。
「シルクの髪を洗うのじゃ、そう仰られていました、あぁ……大分髪の毛が痛んでますね」
じぃっーーと髪の毛を見てくる、何かじっくり髪を見られると恥ずかしい、あっ! そう言えばロアが「今日の風呂の時間、わらわが髪を洗ってやるのじゃ」って言っていたな……すっかり忘れてた、あいつは自分の欲望を押し付けるタイプだった。
「シルクさん……お1つよろしいですか?」
「今度はなんだ?」
また変な事を言う気じゃないだろうな? これ以上変な事を言ったら俺は心が折れるからな。
「ロア様との時間を楽しんで来て下さいね」
楽しんで来いか、人の気も知らないでサラッと簡単に言ってくれるなぁ。
「楽しめれば良いんだけどな……」
「ふふ……」
きっと凄く恥ずかしい事が起きそうな気がする、いや気がするじゃないな……絶対に起きる、俺の経験上そうなるだろう。
「さぁ着きましたよ……」
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