どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

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翌日、ロアは……。

「うぐぁぁぁぁっ、無理じゃぁぁっ。いざ会うとなるとはずかしいのじゃぁっ!」

自分の部屋で顔を真っ赤にして騒いでた。
ゴロンゴロンとベットの上でのたうち回ってる。
……それを哀れな顔で見るヴァーム、どことなく疲れてる様に見える。

「はぁ……。さっきまで意気は何処にいったんでしょうねぇ」

あまりに無様過ぎる主、それをただ黙って立って見てたヴァームはがっかりした。

「うぐぐぐっ、どっどうする? どうすれば良い? 考えろ、考えるんじゃわらわ!」
「考えるも何も、行って親睦を深めればよいではないですか」

うん、ヴァームの言うとおりだ。
いられる期間は決まっているが、それしか方法は無い。

「いっいや、しかしじゃな。実際会って"なんだことブス"とか言われたら嫌じゃもん」

だが、ただただ心配なロアはこんな事を言い出す。
自分に自信が無いのは、この時から始まっていた……。
そんなロアの言葉を聞いて、ヴァームは不気味にくすりと笑う。

「ロア様を見てブス? そんな事を言う奴は眼が腐ってますよ」
「え」

ロアは綺麗な魔族。
ブスなんて言われる筈がない、そう信じたヴァームの一言。
言われた瞬間はきょとんとしてたけど、数秒後……なんだか照れ臭くなってきた。

「それに……ロア様が好きになった相手はそんな事を言うと思ってるんですか?」
「いっいや! 言わんっ……多分」
「多分ではなく絶対に言わない、そう信じましょうよ」
「うっ……うむ。そっそう……じゃな」

うん、信じる……信じるぞ。
うつ向いて呪文の様に何度も呟くロア。
あぁぁ……ほんっとうに自信が無い、少し位持てば良いのに。

と、ここでだ。
ロアが何かを思い出したかの様にシュバッ! と勢い良くヴァームを見た。

「期限が1ヶ月って短か過ぎんか!」
「……え、今更それを言うんですか?」
「うっ。そっそんな事は良いでは無いか」
「はぁ……。別に良いですが」

気付くのが遅すぎる、そう言う事は置いといてだ。
まぁたロアが呻き出した……ヴァームは「またですか」と呟いたけど……ロアには聞こえなかった。

「無理じゃ、1ヶ月とか無理じゃぁぁ……」
「大丈夫ですよ、死ぬ気でやれば」
「死ぬ気でやれば!? 難しい事を簡単に言いおってぇ! 他人事か!」
「あら。他人事じゃないですか、私には関係ありませんよ?」
「おっおぬし……急に優しい事言ったり辛辣な事を言ったり、ヴァームはわらわにどうして欲しいんじゃ!」
「告白を成功して欲しい、そう思ってますよ」

屈託の無い笑顔で「ふふふふ」と笑うヴァーム。
ロアはただ、「おぅ……」と呟くしか出来なかった。

「えと、まぁ……あれじゃ、期間が短いのは一旦置いといてじゃ、どう話し掛けようかのぅ……やっぱり自信なんて持てんしなぁ、それにいきなり魔族のわらわが会いに行っても、きょとんとされるだけじゃ」

うん、まぁそうだろう。
シルクはこの時、ロアの事を全く知らない、当然そんな反応を取る。
それ以前に魔族だといった時点で「変な人だ」と思われる。
そうなったら告白処ではなくなってしまう……。

「うぅむ……」

こてんっ、と仰向けになって考えるロア。
すっ……と眼を瞑り何か良い案が無いものか、と考える。

と、その時だ! ロアの脳内に電流走るっ……!

「これじゃ! これなら……何も怪しまれずに、尚且つ期限なんて関係無く告白出来るぞ!」

何かを思い付いて言った発言にヴァームは驚いた。
だから、かなり気になったのか、少し前のめりになって聞いてみる。

「ロア様、それは一体どんな方法なんです?」

そんな問い掛けにロアは不適に笑い。

「それはじゃなぁ……」

話をし始めた。
さぁ……ロアが思い付いた方法とはなんなのだろうか?

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