どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
441
シルク、アヤネ、ロアがいなくなった食堂。
残されたメンバーは……静かに食事をしていた。
「ふぅ……焦りました、シルク様に話し掛けられた時、ドキドキしましたよ」
そんな静かな空気を崩したのは、ヴァームだった。
ふぅ……と息をはいている。
「へぇ。ヴァームでもそう思う時があるんだ」
「あらあら……失礼ですね、私だって緊張する時はありますよ?」
ヴァームはくすっと笑って僕にウインクした。
へぇ……性格からして平然としてるもんだと思ってたよ。
「ロア様、慌ててたです」
「えぇ、慌ててましたわね」
と、こっちはこっちで話してる。
そうだね、メェとラムの言う通りだよ。
すっごい慌ててた、まぁ……なんで慌ててたのかは察しが付くよ。
言い出せないんだよね? 過去にあった女が自分だって事。
約束したもんね。
アヤネの件が終わったら言うって……でも予想外に早く終わったから焦って心の準備が出来てないって感じなんだろう。
もっとシャキッとすれば良いのに。
「でも、まぁ……前よりはましか」
そう、まさに僕の言った通り前よりはマシ。
前は行動すら起こさなかったからねぇ……そう思った時、その事を思い出す。
あぁ、思い返せば見ててイライラしてたなぁ。
今後、そんなイライラがなくなるのかな? まぁ……なくなると信じよう。
そう信じてトマトジュースを飲む。
「しかしよぉ。あんとき呼び集められてなに言われるかと思ったら……まさかあんな事を言うなんてなぁ」
「ん、なにさいきなり……あの事ってなに?」
え、なに? 突然変な事言わないでよ、ハッキリ言わないと分かんないんだけど?
「あの事っていやぁ、あの事だよ。ほら……アヤネの一件が終わって夜になった時、俺等を呼んだだろうが」
「ん、んー……あぁ、あの時ね……なんだ、その事言ってたんだ」
そう言われてようやく分かったよ。
それは僕もビックリしてるよ、まさか皆を呼んでわざわざ宣言するなんてね……。
僕はあの時の事を思い出す。
そう、あれはフドウとシズハがなんの脈拍も無く帰って夜になった頃……。
姉上が皆を食堂に呼んだんだよね、そこにはシルクとアヤネはいなかった。
夜遅くに呼ばれるなんてあんまり無かったから驚いた。
だから僕が「なにかようなの?」そう言おうとしたんだけど……それよりも先に姉上はこう言った。
皆の者っ、良く聞くのじゃ! わらわは近い内っ、シルクに! 昔会って婚約の話をしたのはわらわじゃと伝えるぞ! 
それを言った瞬間、忘れられないね、瞬時にシーン……となったんだ。
皆「え? なにいってんの?」みたいな反応を取ってたよ、そんな皆を暫く見てた姉上は気恥ずかしくなったのか「さっさらばじゃ!」とか言って出ていった。
……と、こんな感じの事があったのさ。
なんで姉上があんな事をしたのかは……なんとなくだけど心当たりがある。
「たぶん、応援してくれた事のお返しなんだろうね」
染々と呟き、ふぅ……と息をもらす。
姉上は律儀だからね、なにかされたら返さないと気がすまない。
今まで沢山自分に対して色々してくれた……だからそう言ったんだ。
遅すぎるけどやっと行動に出たんだ、だけど……。
「あの様子じゃ、言えないまま帰ってくるよねぇ」
無意識に呟いちゃったけど……絶対そうなると思う。
成功する未来が見えない。
皆もそれが分かったのか、僕の言葉に黙って頷く……。
さて、姉上。
正直失敗するんだろうけど一応は応援するよ、がんばれ。
っと、そうだ……姉上の事もそうだけど自分の事もなんとかしないとダメだ。
こっちも成功する未来が見えないけど……僕の方も頑張らないとね、頑張ろう。
残されたメンバーは……静かに食事をしていた。
「ふぅ……焦りました、シルク様に話し掛けられた時、ドキドキしましたよ」
そんな静かな空気を崩したのは、ヴァームだった。
ふぅ……と息をはいている。
「へぇ。ヴァームでもそう思う時があるんだ」
「あらあら……失礼ですね、私だって緊張する時はありますよ?」
ヴァームはくすっと笑って僕にウインクした。
へぇ……性格からして平然としてるもんだと思ってたよ。
「ロア様、慌ててたです」
「えぇ、慌ててましたわね」
と、こっちはこっちで話してる。
そうだね、メェとラムの言う通りだよ。
すっごい慌ててた、まぁ……なんで慌ててたのかは察しが付くよ。
言い出せないんだよね? 過去にあった女が自分だって事。
約束したもんね。
アヤネの件が終わったら言うって……でも予想外に早く終わったから焦って心の準備が出来てないって感じなんだろう。
もっとシャキッとすれば良いのに。
「でも、まぁ……前よりはましか」
そう、まさに僕の言った通り前よりはマシ。
前は行動すら起こさなかったからねぇ……そう思った時、その事を思い出す。
あぁ、思い返せば見ててイライラしてたなぁ。
今後、そんなイライラがなくなるのかな? まぁ……なくなると信じよう。
そう信じてトマトジュースを飲む。
「しかしよぉ。あんとき呼び集められてなに言われるかと思ったら……まさかあんな事を言うなんてなぁ」
「ん、なにさいきなり……あの事ってなに?」
え、なに? 突然変な事言わないでよ、ハッキリ言わないと分かんないんだけど?
「あの事っていやぁ、あの事だよ。ほら……アヤネの一件が終わって夜になった時、俺等を呼んだだろうが」
「ん、んー……あぁ、あの時ね……なんだ、その事言ってたんだ」
そう言われてようやく分かったよ。
それは僕もビックリしてるよ、まさか皆を呼んでわざわざ宣言するなんてね……。
僕はあの時の事を思い出す。
そう、あれはフドウとシズハがなんの脈拍も無く帰って夜になった頃……。
姉上が皆を食堂に呼んだんだよね、そこにはシルクとアヤネはいなかった。
夜遅くに呼ばれるなんてあんまり無かったから驚いた。
だから僕が「なにかようなの?」そう言おうとしたんだけど……それよりも先に姉上はこう言った。
皆の者っ、良く聞くのじゃ! わらわは近い内っ、シルクに! 昔会って婚約の話をしたのはわらわじゃと伝えるぞ! 
それを言った瞬間、忘れられないね、瞬時にシーン……となったんだ。
皆「え? なにいってんの?」みたいな反応を取ってたよ、そんな皆を暫く見てた姉上は気恥ずかしくなったのか「さっさらばじゃ!」とか言って出ていった。
……と、こんな感じの事があったのさ。
なんで姉上があんな事をしたのかは……なんとなくだけど心当たりがある。
「たぶん、応援してくれた事のお返しなんだろうね」
染々と呟き、ふぅ……と息をもらす。
姉上は律儀だからね、なにかされたら返さないと気がすまない。
今まで沢山自分に対して色々してくれた……だからそう言ったんだ。
遅すぎるけどやっと行動に出たんだ、だけど……。
「あの様子じゃ、言えないまま帰ってくるよねぇ」
無意識に呟いちゃったけど……絶対そうなると思う。
成功する未来が見えない。
皆もそれが分かったのか、僕の言葉に黙って頷く……。
さて、姉上。
正直失敗するんだろうけど一応は応援するよ、がんばれ。
っと、そうだ……姉上の事もそうだけど自分の事もなんとかしないとダメだ。
こっちも成功する未来が見えないけど……僕の方も頑張らないとね、頑張ろう。
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
841
-
-
439
-
-
1
-
-
11128
-
-
22803
-
-
35
-
-
39
-
-
124
-
-
63
コメント