どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
62
「御代わりなのじゃ!」
「おいおい……もう10皿目だぞ?良く入るな」
旨そうに、ぱくぱくステーキを食べ続けるロア……鬼騎の言う通り良く入るなぁ。
「くふふふ……乙女は色々と忙しい故、腹が減るのじゃよ」
「へいへい、そうかい……」
呆れながらも鬼騎はステーキを焼いていく、因みに俺とラキュはもう食べ終わった、ロアが食べ終わるのを待っている俺だが……こりゃ長く掛かりそうだ。
「姉上は相変わらず肉食だね…」
苦笑するラキュはトマトジュースを飲み話す、こいつもこいつで良く飲めるなぁ……実は今ので10杯目だったりする、そんなに飲んでお腹がたぽたぽにならないのか?
「ん、どうしたの?」
「いや……何でもない」
「ん?」と不思議そうに首を傾げるラキュ、まぁあいつはトマトが好きだからな、トマト料理なら幾らでも腹に入るんだろう。
「ほれ、出来たぞ」
「おぉ……くふふふ、ではいっただっきまーすのじゃ!」
早速ステーキにかぶりつくロア……あっ、口にソースがついたな……本人は気付いてないみたいだ。
「……」
これ、どうすべきなんだろう? 正直に「口にソースついてるぞ」って言ったら「ならばとってくれ、勿論シルクの口でじゃ」と言うかもしれない……いや、奴なら絶対に言う! 現状を見るとは言ったがそれとこれとは別だ、ここは黙っていよう……あっでもラキュも何か言ってきそうだよな? 此処は鬼騎から言ってくれるのを待つとしよう。
「なぁラキュ……」
「ん、何だい?」
俺はラキュが気付かない様に話をして気付かない様にさせよう、適当な会話をしていれば大丈夫だろう……さぁ鬼騎、お前なら普通に言ってくれるだろう、頼んだぞ! 鬼騎は食器を洗いつつ時折俺達を見てくる。
「かっかっ……今回も旨そうに食ってくれて料理人冥利に尽きるってもんだ」
そう呟きながら、じゃぶじゃぶ水飛沫をあげながら皿を洗っていく、洗われた食器はピカピカ、皿洗いも完璧……やはり鬼騎は料理の鉄人だ。
「……ん?」
と、ここで鬼騎がロアの顔を見て何かに気付いた、良いぞ鬼騎! そのまま「ソースが付いてる」と指摘するんだ。
「おいロア嬢、口元にソースが……」
よし言った! これで俺は恥ずかしい思いをしなくて済む、がその時……俺の背後に何かが素早く通った気配を感じた。
「ついがふっ!……」
「えっ!」
その光景は驚愕しか無かった……鬼騎はいきなり、ばたんっと力無く倒れた。
「っ、どっどうしたのじゃ鬼騎!」
「……脳筋が倒れたね」
えっ……えっ!? 何で、何で倒れた? ロアは席から立ち上がり鬼騎の方へと向かおうとする、俺も向かった方が良いだろう。
「あら、皆様どうか致しましたか?」
そう思った時だ、この部屋にヴァームが入って来た、尻尾をゆらゆら揺らし不思議そうに語る。
「ヴぁっヴァーム!突然鬼騎が倒れてしまったのじゃ!」
おろおろするロア……そりゃ突然人が倒れたらこうなるだろう、しかしヴァームのこの現れ方……。
「あらあら……それは大変ですね、直ぐにメェさんの所へ連れて行きますので皆様は食事を続けて下さい」
何処か引っ掛かる……ヴァームは鬼騎の所へ行き、ひょいっと肩に担ぐ。
「なぁ、ラキュ」
「シルク君、僕も同じ事考えてるよ……」
何か嫌な予感がする……するとヴァームが俺の方を見て、くすりっと妖しく微笑んだ。
「あっシルクさん……」
そして何かを思い出したかの様に俺に近付いて耳元で小さな声でこう言った。
「ロア様の口元にソースが付いています……取って上げてください、あっ勿論口でですよ?」
そう話した後、そそくさと部屋から出ていくヴァーム。
「何が起きるかと思ったけど直ぐに出ていったね……何がしたかったのかな?」
ラキュは腕組みして考える……その中で俺はとある答えにたどり着いた、恐らく鬼騎を倒したのはヴァームだ、俺にロアの口元のソースをどうにかさせる為に動いた、でなければあの状況で都合良くヴァームが現れる訳がない!
「なにが起きたのじゃ? 意味が分からん……」
と言いつつ「まぁ、良いか……」そう呟き椅子に座るロア……鬼騎がいなかったら俺に出来る事など無い! 逃げようにもあの廊下に掛かった魔法の性で逃げられない!
「どうしたのじゃ? 頭を抱えているが……」
「何でも無い……早く食べないと冷めるぞ?」
疑問を浮かべ俺を見てくるロア……まだソースが口元に付いている、もう自分で気付いてくれ……と言うか、何で気付かないんだよ!
そう願った時だ、横にいる奴が、ぽんっーーと肩を叩いて来た、振り返って見るとラキュが満面の笑みで俺を見ていた、あっ……こいつ、気付きやがった! そして良からぬ事を考えている。
「ねぇ、姉上……口元にソースがついてるよ?」
「ん?」
そんなラキュの言葉を聞いた時、ロアはフォークに刺さったステーキ肉を食べている時だ。
「おいっラキュむぐぐっ」
何とか言葉を制止させようとした時だ、ラキュに口を押さえられてしまう。
「ほらっ右側の口元だよ、良かったらシルク君に取って貰ったら?」
「むぐぅ……もががっ!」
このっ余計な事を言うな! ロアはフォークを口から離し、にんまりと微笑む。
「ラキュよ……今日は良く気が効くではないか」
全く効いてない! 俺を辱しめて楽しいのか! 暴れまくる俺だが、当然この行動は意味を成さなかった、俺を押さえ込みつつラキュは悪戯に笑ってこう言った。
「シルク君にとって貰おうか、姉上の口元に付いてるソースをね…勿論、シルク君の舌で舐めとる形でね」
最後に、にこっと輝かしい笑みを浮かべる、この時それを聞いたロアが、ぼふっーーと顔を急激に赤くさせる、頭から湯気が出てくる位真っ赤だ。
さぁ地獄の時間が始まってしまったぞ! ラキュ……後で覚えておけよ? この仕打ちは必ず返すからな!
「おいおい……もう10皿目だぞ?良く入るな」
旨そうに、ぱくぱくステーキを食べ続けるロア……鬼騎の言う通り良く入るなぁ。
「くふふふ……乙女は色々と忙しい故、腹が減るのじゃよ」
「へいへい、そうかい……」
呆れながらも鬼騎はステーキを焼いていく、因みに俺とラキュはもう食べ終わった、ロアが食べ終わるのを待っている俺だが……こりゃ長く掛かりそうだ。
「姉上は相変わらず肉食だね…」
苦笑するラキュはトマトジュースを飲み話す、こいつもこいつで良く飲めるなぁ……実は今ので10杯目だったりする、そんなに飲んでお腹がたぽたぽにならないのか?
「ん、どうしたの?」
「いや……何でもない」
「ん?」と不思議そうに首を傾げるラキュ、まぁあいつはトマトが好きだからな、トマト料理なら幾らでも腹に入るんだろう。
「ほれ、出来たぞ」
「おぉ……くふふふ、ではいっただっきまーすのじゃ!」
早速ステーキにかぶりつくロア……あっ、口にソースがついたな……本人は気付いてないみたいだ。
「……」
これ、どうすべきなんだろう? 正直に「口にソースついてるぞ」って言ったら「ならばとってくれ、勿論シルクの口でじゃ」と言うかもしれない……いや、奴なら絶対に言う! 現状を見るとは言ったがそれとこれとは別だ、ここは黙っていよう……あっでもラキュも何か言ってきそうだよな? 此処は鬼騎から言ってくれるのを待つとしよう。
「なぁラキュ……」
「ん、何だい?」
俺はラキュが気付かない様に話をして気付かない様にさせよう、適当な会話をしていれば大丈夫だろう……さぁ鬼騎、お前なら普通に言ってくれるだろう、頼んだぞ! 鬼騎は食器を洗いつつ時折俺達を見てくる。
「かっかっ……今回も旨そうに食ってくれて料理人冥利に尽きるってもんだ」
そう呟きながら、じゃぶじゃぶ水飛沫をあげながら皿を洗っていく、洗われた食器はピカピカ、皿洗いも完璧……やはり鬼騎は料理の鉄人だ。
「……ん?」
と、ここで鬼騎がロアの顔を見て何かに気付いた、良いぞ鬼騎! そのまま「ソースが付いてる」と指摘するんだ。
「おいロア嬢、口元にソースが……」
よし言った! これで俺は恥ずかしい思いをしなくて済む、がその時……俺の背後に何かが素早く通った気配を感じた。
「ついがふっ!……」
「えっ!」
その光景は驚愕しか無かった……鬼騎はいきなり、ばたんっと力無く倒れた。
「っ、どっどうしたのじゃ鬼騎!」
「……脳筋が倒れたね」
えっ……えっ!? 何で、何で倒れた? ロアは席から立ち上がり鬼騎の方へと向かおうとする、俺も向かった方が良いだろう。
「あら、皆様どうか致しましたか?」
そう思った時だ、この部屋にヴァームが入って来た、尻尾をゆらゆら揺らし不思議そうに語る。
「ヴぁっヴァーム!突然鬼騎が倒れてしまったのじゃ!」
おろおろするロア……そりゃ突然人が倒れたらこうなるだろう、しかしヴァームのこの現れ方……。
「あらあら……それは大変ですね、直ぐにメェさんの所へ連れて行きますので皆様は食事を続けて下さい」
何処か引っ掛かる……ヴァームは鬼騎の所へ行き、ひょいっと肩に担ぐ。
「なぁ、ラキュ」
「シルク君、僕も同じ事考えてるよ……」
何か嫌な予感がする……するとヴァームが俺の方を見て、くすりっと妖しく微笑んだ。
「あっシルクさん……」
そして何かを思い出したかの様に俺に近付いて耳元で小さな声でこう言った。
「ロア様の口元にソースが付いています……取って上げてください、あっ勿論口でですよ?」
そう話した後、そそくさと部屋から出ていくヴァーム。
「何が起きるかと思ったけど直ぐに出ていったね……何がしたかったのかな?」
ラキュは腕組みして考える……その中で俺はとある答えにたどり着いた、恐らく鬼騎を倒したのはヴァームだ、俺にロアの口元のソースをどうにかさせる為に動いた、でなければあの状況で都合良くヴァームが現れる訳がない!
「なにが起きたのじゃ? 意味が分からん……」
と言いつつ「まぁ、良いか……」そう呟き椅子に座るロア……鬼騎がいなかったら俺に出来る事など無い! 逃げようにもあの廊下に掛かった魔法の性で逃げられない!
「どうしたのじゃ? 頭を抱えているが……」
「何でも無い……早く食べないと冷めるぞ?」
疑問を浮かべ俺を見てくるロア……まだソースが口元に付いている、もう自分で気付いてくれ……と言うか、何で気付かないんだよ!
そう願った時だ、横にいる奴が、ぽんっーーと肩を叩いて来た、振り返って見るとラキュが満面の笑みで俺を見ていた、あっ……こいつ、気付きやがった! そして良からぬ事を考えている。
「ねぇ、姉上……口元にソースがついてるよ?」
「ん?」
そんなラキュの言葉を聞いた時、ロアはフォークに刺さったステーキ肉を食べている時だ。
「おいっラキュむぐぐっ」
何とか言葉を制止させようとした時だ、ラキュに口を押さえられてしまう。
「ほらっ右側の口元だよ、良かったらシルク君に取って貰ったら?」
「むぐぅ……もががっ!」
このっ余計な事を言うな! ロアはフォークを口から離し、にんまりと微笑む。
「ラキュよ……今日は良く気が効くではないか」
全く効いてない! 俺を辱しめて楽しいのか! 暴れまくる俺だが、当然この行動は意味を成さなかった、俺を押さえ込みつつラキュは悪戯に笑ってこう言った。
「シルク君にとって貰おうか、姉上の口元に付いてるソースをね…勿論、シルク君の舌で舐めとる形でね」
最後に、にこっと輝かしい笑みを浮かべる、この時それを聞いたロアが、ぼふっーーと顔を急激に赤くさせる、頭から湯気が出てくる位真っ赤だ。
さぁ地獄の時間が始まってしまったぞ! ラキュ……後で覚えておけよ? この仕打ちは必ず返すからな!
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