どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

401

そう察した後、鬼騎はゆっくりと口を開き……話した。

「ラキュ、最近何かあったのか? 様子が変だぞ」
「えぇと、聞きたい事ってそれ?」

なんか、思ってたのと違う。
もっと、難しい話しをするのかと思ってた。
なんか拍子抜けだなぁ……って、ん? 鬼騎がテーブルに肘をついた。
そして、手に顔をのせ僕をガン見してくる、え?なに? なんで見てくるの?

「なに? 僕の顔見てても面白くないと思うんだけど?」
「あ、すまん」

そう言って鬼騎は僕から視線を反らして姿勢を正した。
変なの、様子が変なのは鬼騎の方じゃん。

僕もテーブルに肘をついて鬼騎をガン見してやる。
その視線に気付いたのか、僕の方をチラチラ見てきた。

「突然変な事を言ったな、悪い」
「うん、まぁ言ったね」

そんな視線に気付きながら言ってきた。
変だとは思ってるんだ、なのに聞いてきたんだ。
と言うことは、僕の最近の様子が凄く気になってたって事?

えっなにそれ、鬼騎に気にされてたの? えぇ、なんか嫌だなぁ、それ。
と言うかそんなに様子が変だったかな? 別に変な事は無かったと思うけどなぁ。

そんな疑問が浮かんでると、鬼騎が話し掛けてきた。

「あぁえと、説明した方が良いか? なんでこんな事言うのか」
「そうだね、一応聞いておくよ」

説明してくれるなら聞いておく、だって気になるもん。
僕がそう言うと「そうか、なら話すか」と言って頷いた、と言う訳で鬼騎の話しを聞いてみる。

「ハロウィンが始まる前、それ位か? その辺りからお前の様子が可笑しくなっとったんだ。何時もより静かだったしな」

え、そんなに前から? と言うか、何時もと様子が違うって良く分かったね。
普段喧嘩ばっかしてる割りには、良く見てるんだね。
なんて思ったけど、今は口に出さないでおこう。

「まぁ、そん時は別に気にもしなかった。そんな日もあるだろうなぁって程度に思っとった」
「ふぅん、なるほどね」

そんな事思ってたんだ。

「で、だ。そんな感じなのが長い事続いた。流石に気になりもするだろう」
「へぇ」

長い間……ね、自覚無いけど、そんな風になってたんだ。
それがさっきの質問を言った理由って事か。
つまり、その訳を聞きたいって事だね。

「僕と仲良い訳でも無いのに、気になるんだ。心配してくれてるの?」
「ふんっ。確かに気に食わん相手だが、嫌いな奴じゃない、心配してやってんだよ」

相変わらずぶっきらぼうな答え方だ。
別に心配してくれなくても良いのに、でもまぁ鬼騎相手にずっと心配されるのは嫌だ、答えてあげようかな、ざっくりとね。

「そうなんだ。じゃぁ、その心意気に感謝して答えるよ、別に深い意味は無い。ただの考え事さ」

思い返せば、あの時は色々あったからね。
色々悩んだりしたんだ、だから何時もより静かだって思われたんだろう。

そう、僕が言うと「なるほどなぁ」と言いながら深く息を吐き、腕を組んで天井を見上げた。
そしたら、鬼騎は暫くその体制で黙ったまま固まってしまう。

納得してくれたって事かな? なんか良く分からない反応を取ってるけど、どうしたの? そう思い、なにか話してやろうと思い話し掛けようとしたその時だ。

バッと鬼騎が僕の方を見た。
ビックリした、ドキッとした。
そのまま、じぃっと睨んで3秒くらいの間を開けたあと。

「その悩みってのはぁ、アヤネの事か?」

こう話してきた。
それを聞いた瞬間、身体が震えた。
あっ当たってる、なんで? なんで分かったのさ、アヤネの事なんて少しも言ってないのに。

「その反応、当たりか」

そう呟いた後、鬼騎はクスリと笑う。
なんか勝ち誇った見たいにニヤついてる。
はっ腹立つ、からかってる相手にからかわれたって感じだ。
そんな苛立ちを感じてると、鬼騎が再び話し出す。

「なぁ。もうちょっと話しに付き合えや、その事で深く聞きたい事があるんだ」

どうやら、話の方は長くなりそうだ。
僕の方は色々と言いたい事が山程浮かんで来たよ、良いよ、話そうじゃないか。

からかわれた分、数倍からかってやるし、僕から話しを聞くだけじゃなくて、鬼騎に対して色々言ってやる。
だから、覚悟しなよ? そう思って鬼騎を睨み付けた。

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