どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
346
さて、しりとりも早々飽きて本格的になんにもする事が無くなった。
「ひまぁ……」
「そだな」
もう暇すぎてご覧の通り「暇暇」言ってる。
アヤネなんて、ベットにぺたぁっと寝て、足をパタパタさせてる。
余程暇すぎるんだろう。
これはもう、地下に戻った方がいい気がしてきた。
だって、俺も暇だからだ。
まさか、暇すぎて誰かに構って欲しいと思うなんてな。
いつもなら、「1人にしてくれ」とか思ってたのに……不思議なもんだ。
……あ、少し空が紅くなってきたか? 人間のハロウィンなら、そろそろ街に仮装した人達が集まりだす時間帯だ。
「ひまぁ、ひまひまひまぁ……」
パタパタパタ……。
あぁ、アヤネが暇すぎて"暇の歌"を歌い始めた。
しかも手と足をパタパタさせてる……。
よっぽど暇なんだな、だったらまた俺が何か言おう。
それを考えるのは暇潰しにもなるしな。
それに……久し振りアヤネと2人きりになったんだ、色々したいと思い始めた。
思えば、アヤネが家を抜け出して、俺を見付けて、俺と話したり遊んだりして……アヤネとはそんな思い出が沢山だ。
とっても楽しい思い出……だが、ロアにここに誘拐されてからは、それは出来なくなった。
だから……この時間は、あの時みたいでとっても楽しいんだ。
「ひまぁ、ひまだよぉ……あ」
……ん? 歌が終わったな。
もしかして歌うの飽きたか? 待ってくれ、もう少し考えれば暇を潰す何かを思い付く筈だ。
「シルク」
「ん?」
と、思ったら……アヤネの方が何かあるみたいで、俺の背中をペチペチ叩いて来た。
「どうした?」
そう問い掛けると、アヤネは起き上がり、俺のとなりに座ってきた。
例の如く密着してる、もう肌と肌とが当たってる。
「あのね、大事な事……言い忘れてた」
大事な事?
って、おぉ……アヤネの視線が妙に熱っぽい、しかもまた顔が紅くなってるじゃないか。
「えと、それななんだ?」
取り合えず聞いてみる。
そしたらアヤネは視線を剃らし、前髪を弄り始めた。
それを暫くした後、また俺の方を向いて口を開く。
「あっあの……さっさっき……いっ言い掛けた事……だよ」
さっき言い掛けた事?
……あぁ、クータンの家での事か。
確かにあの時は、ロアに邪魔されて聞きそびれたな……結局あの時、アヤネは何を言うつもりだったんだ?
「えと、それを……いま……いいたいの」
……それにしてもアヤネのやつ、やけに喋り方が緊張してるな。
そんな感じに喋られたら、こっちまで緊張してくるぞ。
「いっいいぞ、言っても……」
あ、俺も喋り方が緊張した感じになった。
くっ……なんか恥ずかしいな。
「そか、じゃぁ……言うね。あ!」
何かを思い出したのか、目を大きく開ける。
ん? 今度はなんだ?
「そっその前に確認」
ずずいっ、と俺の顔に自分の顔を近付けてくる……。
っ! ちっちかい! キスするっ、これ……ちょっとでも動いたらキスしそうだぞ!
「シルク……いま、たのしい?」
なんて極度の緊張に襲われてたら、妙な事を聞いてきた。
たっ楽しいかと言われれば楽しいが……今の状況から言うと……恥ずかしさがまさってる。
「たっ……楽しい……ぞ?」
だがしかし、俺はこんな感じに答えた。
そしたらアヤネは安心したのか、俺から自分の顔を離して、ほっと息を吐く。
俺も同じく息をはいた。
と、その時。
またアヤネが口を開いた。
「じゃ……言う準備するね」
「おっおぅ」
なっなんか知らないが、今度こそ話すみたいだ。
しかも準備があるらしい……その準備は何なのか検討もつかない。
恐らく、考えても分からないだろう、だってアヤネのする事は不思議に溢れてるからな。
って……ん? なんか、アヤネが俺の肩に手を乗せて来たぞ。
「シルク、もちょっとこっち」
「へ?」
成すがままに動かされる。
意味も分からず、アヤネにずりずり動かされベット中央へ。
準備って……これか?
ぐいっ!
てっ、わわっ。
ひっ引き寄せられ……って、だっ抱きつかれた! むっ胸……あっあたっ当たって……当たってる!
「シルク、良い香り」
「ふぁっ、こっこら! 匂いを嗅ぐな! あっあと……耳に息を吹くな!」
それやられると、ぞくぞくってするんだよ!
とっと言うか、はっ離れろよっ、ほっほんと……色んな所が当たってるんだからな!
「シルク……」
え、あ……無視か、くそっ……理性を抑えるの大変なんだぞっ! それ分かってんのか……っ、わっわわわっ!
「あ、アヤネ……こっこら、なにやって!」
どさっ……。
ぐっ、くぅ……。
あっアヤネ、おっ俺を……押し倒したぞ! 押し倒した後、直ぐ様股の上に乗り、顔を近付けてくる。
俺を見下ろすその視線は……熱く、切なく、何かを秘めていた。
「あ、アヤネ?」
押し倒されたのに……なぜか文句が言えなかった。
思ったのはただ1つ、俺を見下ろす今のアヤネは……今まで見たアヤネの中で、1番美しい……。
「シルク、チョコよりあまい事……言うよ? ちゃんと聞いてね」
チョコより甘い、アヤネの視線。
チョコより甘い、アヤネの声音。
チョコより甘い、アヤネの香り。
その全てが今の俺を優しく包み込んだ。
そして、アヤネの言葉に俺はただ「あぁ……」と小さな声で呟いた。
「ひまぁ……」
「そだな」
もう暇すぎてご覧の通り「暇暇」言ってる。
アヤネなんて、ベットにぺたぁっと寝て、足をパタパタさせてる。
余程暇すぎるんだろう。
これはもう、地下に戻った方がいい気がしてきた。
だって、俺も暇だからだ。
まさか、暇すぎて誰かに構って欲しいと思うなんてな。
いつもなら、「1人にしてくれ」とか思ってたのに……不思議なもんだ。
……あ、少し空が紅くなってきたか? 人間のハロウィンなら、そろそろ街に仮装した人達が集まりだす時間帯だ。
「ひまぁ、ひまひまひまぁ……」
パタパタパタ……。
あぁ、アヤネが暇すぎて"暇の歌"を歌い始めた。
しかも手と足をパタパタさせてる……。
よっぽど暇なんだな、だったらまた俺が何か言おう。
それを考えるのは暇潰しにもなるしな。
それに……久し振りアヤネと2人きりになったんだ、色々したいと思い始めた。
思えば、アヤネが家を抜け出して、俺を見付けて、俺と話したり遊んだりして……アヤネとはそんな思い出が沢山だ。
とっても楽しい思い出……だが、ロアにここに誘拐されてからは、それは出来なくなった。
だから……この時間は、あの時みたいでとっても楽しいんだ。
「ひまぁ、ひまだよぉ……あ」
……ん? 歌が終わったな。
もしかして歌うの飽きたか? 待ってくれ、もう少し考えれば暇を潰す何かを思い付く筈だ。
「シルク」
「ん?」
と、思ったら……アヤネの方が何かあるみたいで、俺の背中をペチペチ叩いて来た。
「どうした?」
そう問い掛けると、アヤネは起き上がり、俺のとなりに座ってきた。
例の如く密着してる、もう肌と肌とが当たってる。
「あのね、大事な事……言い忘れてた」
大事な事?
って、おぉ……アヤネの視線が妙に熱っぽい、しかもまた顔が紅くなってるじゃないか。
「えと、それななんだ?」
取り合えず聞いてみる。
そしたらアヤネは視線を剃らし、前髪を弄り始めた。
それを暫くした後、また俺の方を向いて口を開く。
「あっあの……さっさっき……いっ言い掛けた事……だよ」
さっき言い掛けた事?
……あぁ、クータンの家での事か。
確かにあの時は、ロアに邪魔されて聞きそびれたな……結局あの時、アヤネは何を言うつもりだったんだ?
「えと、それを……いま……いいたいの」
……それにしてもアヤネのやつ、やけに喋り方が緊張してるな。
そんな感じに喋られたら、こっちまで緊張してくるぞ。
「いっいいぞ、言っても……」
あ、俺も喋り方が緊張した感じになった。
くっ……なんか恥ずかしいな。
「そか、じゃぁ……言うね。あ!」
何かを思い出したのか、目を大きく開ける。
ん? 今度はなんだ?
「そっその前に確認」
ずずいっ、と俺の顔に自分の顔を近付けてくる……。
っ! ちっちかい! キスするっ、これ……ちょっとでも動いたらキスしそうだぞ!
「シルク……いま、たのしい?」
なんて極度の緊張に襲われてたら、妙な事を聞いてきた。
たっ楽しいかと言われれば楽しいが……今の状況から言うと……恥ずかしさがまさってる。
「たっ……楽しい……ぞ?」
だがしかし、俺はこんな感じに答えた。
そしたらアヤネは安心したのか、俺から自分の顔を離して、ほっと息を吐く。
俺も同じく息をはいた。
と、その時。
またアヤネが口を開いた。
「じゃ……言う準備するね」
「おっおぅ」
なっなんか知らないが、今度こそ話すみたいだ。
しかも準備があるらしい……その準備は何なのか検討もつかない。
恐らく、考えても分からないだろう、だってアヤネのする事は不思議に溢れてるからな。
って……ん? なんか、アヤネが俺の肩に手を乗せて来たぞ。
「シルク、もちょっとこっち」
「へ?」
成すがままに動かされる。
意味も分からず、アヤネにずりずり動かされベット中央へ。
準備って……これか?
ぐいっ!
てっ、わわっ。
ひっ引き寄せられ……って、だっ抱きつかれた! むっ胸……あっあたっ当たって……当たってる!
「シルク、良い香り」
「ふぁっ、こっこら! 匂いを嗅ぐな! あっあと……耳に息を吹くな!」
それやられると、ぞくぞくってするんだよ!
とっと言うか、はっ離れろよっ、ほっほんと……色んな所が当たってるんだからな!
「シルク……」
え、あ……無視か、くそっ……理性を抑えるの大変なんだぞっ! それ分かってんのか……っ、わっわわわっ!
「あ、アヤネ……こっこら、なにやって!」
どさっ……。
ぐっ、くぅ……。
あっアヤネ、おっ俺を……押し倒したぞ! 押し倒した後、直ぐ様股の上に乗り、顔を近付けてくる。
俺を見下ろすその視線は……熱く、切なく、何かを秘めていた。
「あ、アヤネ?」
押し倒されたのに……なぜか文句が言えなかった。
思ったのはただ1つ、俺を見下ろす今のアヤネは……今まで見たアヤネの中で、1番美しい……。
「シルク、チョコよりあまい事……言うよ? ちゃんと聞いてね」
チョコより甘い、アヤネの視線。
チョコより甘い、アヤネの声音。
チョコより甘い、アヤネの香り。
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