どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
307
「ハロウィンはお化けのかっこうするのが良いんですよぉ」
全てはこのシズハさんの言葉から始まった……そこからヴァームがシズハさんの言葉に興味を引く切っ掛けになったのだ。
「ハロウィンと言えば小悪魔、ミイラ、ゾンビのコスプレは外せないですぅ。それあってこそのハロウィンですぅ」
「なっなるほど……人間が私達魔物の格好をする。魔物には無い発想です……脱帽しました」
まずい、まずいぞこれは……。
シズハさんが人間のハロウィンでの仮装話をしていくに連れてヴァームの目がらんらんと輝いている。
ロアに至っては「アホな言動が目立っておったが……こやつやりおるわ」と感心し、仕舞いにはアヤネが……。
「他にも吸血鬼、サキュバス、狼男もあるよ」
と助言してしまう、余計な事を言うな!
「っ、にっ人間のコスプレのアイデアは私の想像を遥かに越えていますね……」
「ほぉ……それのコスプレはそそるのぅ」
驚くヴァームに感心するロア、くっ……ヴァームもロアもシズハに対して怒りの感情を燃やしていたのに、今はどうだ! すっかりその感情は失っている!
今はただただ感激しているっ、俺はその様子を見て汗をかきまくってる。
いまでた案は確実に採用される……そうなったら俺はあのコスプレをしなければならないと言う事になる。
そんな事、あってはならない。
……と言うかラキュ、俺をここにワープさせた切り出てこないな。
シズハさんの騒動があったのにも関わらずだ。
まさか……自分の部屋に隠れてるな? くそっ、俺が引き落こした事とは言え、俺1人にこんな事させられるのは御免だ! 何が何でも巻き込んでやるっ!
「あぁ、そうですぅ。ハロウィンはぁ、コスプレだけじゃなくてぇ……お菓子も必要なんですよぉ」
「あぁ、それに付いては問題ない。既に手配はしておる……後はそれが出来るのを待つだけじゃ」
すっかり意気投合してる、なんだ? もう仲直りしたのか? 早すぎないか?
「それにしてもシズハさん……」
「なんですかぁ? ヴァちゃん」
「どうして此処まで教えてくれるのです?」
「それはですねぇ、楽しんで貰いたいからだよぉ。ハロウィンは楽しいんですよぉ、あわよくばぁ、私も参加したいなぁ……って思ってまぁすぅ」
シズハさんはにこにこしながら言った。
このゆるふわ人間め! 結局は自分が参加したいからじゃないか!
……て、あれ? ヴァームとロア、目を潤ませてないか? 手で覆ってどうしたんだ?
「ヴァーム、どうやらわらわはシズハと言う女を誤解していたらしい」
え? なに、誇らしげに言ってるんだ?
「それは私もですよロア様……シズハさんはゆるいお方で有りながら、余りあるハロウィンと言う知識を無知な私達に教えてくれる天使でした」
「いや、違うからな! この人、ただ単に面白そうだから口にしただけだからな!」
思わず突っ込んでしまった。
さっきまで黙ってたが、もう限界だ!
「シルクよ、それでも構わんではないか……面白いと言う事は楽しいと言う事、それを教えてくれると言う事は素晴らしい事なのじゃ」
「なに、にっこり笑って名言みたく言ってんだ! 今のは名言じゃなくて迷言だからな!」
何が素晴らしい事だ、俺にとっては迷惑な事だよ!
「シルク、そんな事いっちゃダメ、ママ泣いちゃうよ」
「そんな事で泣く大人があるか! って……そうだった、相手はシズハさんだった」
俺はハッとなりシズハさんを見る。
「お菓子は飴ちゃんとぉ、チョコちゃんとぉ、クッキーちゃんを希望しまぁす」
俺の話なんて全く聞いてなかった! 俺の主張よりお菓子が大事なのか!
くっそ、話しを聞かない人だとは知ってたがイライラする!
こんなんが大人だなんて俺は認めないぞ! 仮にこんなのが大人だとしても、こうはならないからな!
「うむ、作る者にそう伝えておこう」
「よろしくでぇす」
……すっかり話しはお菓子の事になってしまった、俺の話しはどこいった。
「ふふっふふふふふ……良いですねぇ、さっそくアイデアが湧いてきましたよ。と言っても……周りの魔物を参考にするだけですがね」
ヴァームは1人ぶつぶつ言いながらソファーから立ち上がり部屋を出ていった……恐らく服を作りに行ったんだろう。
「あ、そうでしたぁ」
と、その時……突然シズハさんがぽむっと手を叩く。
「アヤネちゃん」
「なに、ママ」
今度はなんだ? アヤネに何を聞くんだ? アヤネに着せる衣装の事か? それとも……自分に似合う衣装は何か聞くのか?
「怪我してないですかぁ?」
「してないよ」
「風邪ひいてないですかぁ?」
「ひいてないよ」
「お腹減ってないですかぁ?」
「ここで生活してるから平気」
「そうですかぁ、会って初めに聞こうと思ってたんだけどぉ、聞けなかったから今聞きましたぁ」
え、今更? それ今更聞くの?
衣装がどうこう言ってる話の流れで? 今ので完全に話の流れをぶったぎったよ?
まぁ……それに応えるアヤネもアヤネだがな。
だがロアは違った、明らかに戸惑った反応を見せる。
「おっおぅ、あの……えと、うぇ?」
なんて話して良いか分からず変な言葉を発してる。
ほら、変に話しを変えるからだど。
「じゃ、アヤネちゃんに聞きたい事聞けたからぁ……ハロウィンの事話しましょうぉぉぉ」
「おぉ」
「お、おぉ?」
ぐっ、と拳を挙げるシズハ、それに続けてアヤネも挙げる、ロアは戸惑いつつ挙げた。
俺は……空気を読んで一応上げておいた、ただ掛け声はしない、だって乗り気じゃないからな。
……て、ちょっと待て。
シズハさん、なんか勝手にハロウィンに参加しようとしてないか?
「ハロウィンはあれですぅ、やっぱり楽しいものだからぁ、テンションあげてやるのが一番なんですぅ、ふぅぅぅぅ」
ほら、参加する気でいる。
だって、ふぅぅぅぅって言ってるもん、テンション上げまくってるもん。
それに合わせてアヤネも「ふぅぅぅぅ」って言ってる。
声音は低めだがな……。
「……おっおぅ、なんじゃこのノリは」
ロアはそう呟き俺を見てきた。
視線が言ってる「なんとかするのじゃ」……と、そんなの俺がどうにか出来る事じゃない。
と言うかさっきまで一緒になって楽しそうに話してただろ、だからロアがなんとかしてくれ。
という訳で俺はロアに向けて口パクで……。
「頑張れ」と言っておいた、それが伝わったのか知らないが……「なっ!?」と声を上げて戸惑う。
これは通じた……か? まぁ、それは知らないが、俺はこのまま黙って見ていよう。
どうやってハロウィンパーを阻止できるか考えながら……な。
全てはこのシズハさんの言葉から始まった……そこからヴァームがシズハさんの言葉に興味を引く切っ掛けになったのだ。
「ハロウィンと言えば小悪魔、ミイラ、ゾンビのコスプレは外せないですぅ。それあってこそのハロウィンですぅ」
「なっなるほど……人間が私達魔物の格好をする。魔物には無い発想です……脱帽しました」
まずい、まずいぞこれは……。
シズハさんが人間のハロウィンでの仮装話をしていくに連れてヴァームの目がらんらんと輝いている。
ロアに至っては「アホな言動が目立っておったが……こやつやりおるわ」と感心し、仕舞いにはアヤネが……。
「他にも吸血鬼、サキュバス、狼男もあるよ」
と助言してしまう、余計な事を言うな!
「っ、にっ人間のコスプレのアイデアは私の想像を遥かに越えていますね……」
「ほぉ……それのコスプレはそそるのぅ」
驚くヴァームに感心するロア、くっ……ヴァームもロアもシズハに対して怒りの感情を燃やしていたのに、今はどうだ! すっかりその感情は失っている!
今はただただ感激しているっ、俺はその様子を見て汗をかきまくってる。
いまでた案は確実に採用される……そうなったら俺はあのコスプレをしなければならないと言う事になる。
そんな事、あってはならない。
……と言うかラキュ、俺をここにワープさせた切り出てこないな。
シズハさんの騒動があったのにも関わらずだ。
まさか……自分の部屋に隠れてるな? くそっ、俺が引き落こした事とは言え、俺1人にこんな事させられるのは御免だ! 何が何でも巻き込んでやるっ!
「あぁ、そうですぅ。ハロウィンはぁ、コスプレだけじゃなくてぇ……お菓子も必要なんですよぉ」
「あぁ、それに付いては問題ない。既に手配はしておる……後はそれが出来るのを待つだけじゃ」
すっかり意気投合してる、なんだ? もう仲直りしたのか? 早すぎないか?
「それにしてもシズハさん……」
「なんですかぁ? ヴァちゃん」
「どうして此処まで教えてくれるのです?」
「それはですねぇ、楽しんで貰いたいからだよぉ。ハロウィンは楽しいんですよぉ、あわよくばぁ、私も参加したいなぁ……って思ってまぁすぅ」
シズハさんはにこにこしながら言った。
このゆるふわ人間め! 結局は自分が参加したいからじゃないか!
……て、あれ? ヴァームとロア、目を潤ませてないか? 手で覆ってどうしたんだ?
「ヴァーム、どうやらわらわはシズハと言う女を誤解していたらしい」
え? なに、誇らしげに言ってるんだ?
「それは私もですよロア様……シズハさんはゆるいお方で有りながら、余りあるハロウィンと言う知識を無知な私達に教えてくれる天使でした」
「いや、違うからな! この人、ただ単に面白そうだから口にしただけだからな!」
思わず突っ込んでしまった。
さっきまで黙ってたが、もう限界だ!
「シルクよ、それでも構わんではないか……面白いと言う事は楽しいと言う事、それを教えてくれると言う事は素晴らしい事なのじゃ」
「なに、にっこり笑って名言みたく言ってんだ! 今のは名言じゃなくて迷言だからな!」
何が素晴らしい事だ、俺にとっては迷惑な事だよ!
「シルク、そんな事いっちゃダメ、ママ泣いちゃうよ」
「そんな事で泣く大人があるか! って……そうだった、相手はシズハさんだった」
俺はハッとなりシズハさんを見る。
「お菓子は飴ちゃんとぉ、チョコちゃんとぉ、クッキーちゃんを希望しまぁす」
俺の話なんて全く聞いてなかった! 俺の主張よりお菓子が大事なのか!
くっそ、話しを聞かない人だとは知ってたがイライラする!
こんなんが大人だなんて俺は認めないぞ! 仮にこんなのが大人だとしても、こうはならないからな!
「うむ、作る者にそう伝えておこう」
「よろしくでぇす」
……すっかり話しはお菓子の事になってしまった、俺の話しはどこいった。
「ふふっふふふふふ……良いですねぇ、さっそくアイデアが湧いてきましたよ。と言っても……周りの魔物を参考にするだけですがね」
ヴァームは1人ぶつぶつ言いながらソファーから立ち上がり部屋を出ていった……恐らく服を作りに行ったんだろう。
「あ、そうでしたぁ」
と、その時……突然シズハさんがぽむっと手を叩く。
「アヤネちゃん」
「なに、ママ」
今度はなんだ? アヤネに何を聞くんだ? アヤネに着せる衣装の事か? それとも……自分に似合う衣装は何か聞くのか?
「怪我してないですかぁ?」
「してないよ」
「風邪ひいてないですかぁ?」
「ひいてないよ」
「お腹減ってないですかぁ?」
「ここで生活してるから平気」
「そうですかぁ、会って初めに聞こうと思ってたんだけどぉ、聞けなかったから今聞きましたぁ」
え、今更? それ今更聞くの?
衣装がどうこう言ってる話の流れで? 今ので完全に話の流れをぶったぎったよ?
まぁ……それに応えるアヤネもアヤネだがな。
だがロアは違った、明らかに戸惑った反応を見せる。
「おっおぅ、あの……えと、うぇ?」
なんて話して良いか分からず変な言葉を発してる。
ほら、変に話しを変えるからだど。
「じゃ、アヤネちゃんに聞きたい事聞けたからぁ……ハロウィンの事話しましょうぉぉぉ」
「おぉ」
「お、おぉ?」
ぐっ、と拳を挙げるシズハ、それに続けてアヤネも挙げる、ロアは戸惑いつつ挙げた。
俺は……空気を読んで一応上げておいた、ただ掛け声はしない、だって乗り気じゃないからな。
……て、ちょっと待て。
シズハさん、なんか勝手にハロウィンに参加しようとしてないか?
「ハロウィンはあれですぅ、やっぱり楽しいものだからぁ、テンションあげてやるのが一番なんですぅ、ふぅぅぅぅ」
ほら、参加する気でいる。
だって、ふぅぅぅぅって言ってるもん、テンション上げまくってるもん。
それに合わせてアヤネも「ふぅぅぅぅ」って言ってる。
声音は低めだがな……。
「……おっおぅ、なんじゃこのノリは」
ロアはそう呟き俺を見てきた。
視線が言ってる「なんとかするのじゃ」……と、そんなの俺がどうにか出来る事じゃない。
と言うかさっきまで一緒になって楽しそうに話してただろ、だからロアがなんとかしてくれ。
という訳で俺はロアに向けて口パクで……。
「頑張れ」と言っておいた、それが伝わったのか知らないが……「なっ!?」と声を上げて戸惑う。
これは通じた……か? まぁ、それは知らないが、俺はこのまま黙って見ていよう。
どうやってハロウィンパーを阻止できるか考えながら……な。
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