どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

275

食事を済ませたわらわは先程言った通りラムをわらわの部屋に呼んでに詳しい話を聞いておった。

お互い椅子に向かい合って座っておる、因みに部屋にはわらわとラムしかいない。

「なるほど、突然の事じゃったからソレしか分からぬか」
「申し訳ありませんの」

じゃが、ラムいま言った通り食堂で言った容姿しか分からぬとの事。
まぁしかたないの、突然の事じゃったと言うし。

「気にするでない、いざとなれば魔法でちょちょいと探し出せば済む事じゃからな」
「そっそうですの?」
「うむ、そうなのじゃ」

それで済むからわらわはあまり慌てておらぬし、心配もしていない。
寧ろ他の事が心配なのじゃ、それは……シルクの事じゃ。

くぅ……。
突然の事じゃったらから止められなかったが、やはり止めるべきじゃったのぅ。
もし不審者に出会したら全力で逃げるとか言っておったが、シルクの体力でそれが出来るのかが不安じゃ。

「はぁ……」

そう思うと、思わずため息が出てしまう。
うぅ、心配じゃぁ……あぁ、心配じゃぁ。

「ロア様、シルク様の事が心配ですの?」
「ん、良くわかったの……」
「分かりますわ。だって顔つきがそう言ってますもの」

むっ、顔に出ておったか。

「それに、ロア様の考える事なら全て……とはいきませんが、ある程度お見通しですわっ」
「きゃぴきゃぴしながら身の毛のよだつ様な事をいうでない!」

何を顔を紅くさせてるんじゃ……スライムの紅潮した顔など誰も得せんじゃろう。
いや、そうでもないかもしれぬ。
世の中には色んな人がおるからの……と、そんな話はどうでも良いんじゃ。

「まったく……お前は何時も変態的な事を言うの」
「あらっ、急に褒めないでくださいまし」
「…………はぁ」

なんで、ここで照れるのかのぅ……此処にラムを呼んだわらわが言うのはあれじゃが、こやつとの会話は疲れる。

「話は変わるが……ラムよ、シルクにはあの事をキチンと聞けたのかえ?」
「え、そっそれは聞けましたが……先程の話は終わりでよいのですか?」
「あぁ、あれは構わん。わらわが何とかしておくのじゃ」
「そっそうですの?」
「そうなのじゃ」

強引に話を変えたので、ラムは慌てた顔をする。
侵入者がいるのかいないのか知らぬが、わらわの人探しの魔法で何とかするか。

ま、その魔法は明確に特徴が分からんと使えんがの……まぁそこら辺は後で考えるのじゃ。

「じゃから聞かせてくれぬか? はろうぃんとか言う祭りの事を」
「はっはい! お話ししますわ」

元気良く応えたラムは話始める……。
そう、実はわらわはラムに頼んでおいた事があったのじゃ!

それは、さっき言った通り、はろうぃんについてをシルクに聞いてくる事。
わらわは、ソレは名前しか知らぬからのぅ。

と言っても、ソレを知ったのは最近の事じゃがな。
わらわが城にある図書室で何か適当な本を読もうかと探している時……人間界のお祭り! と言う本を見つけたのじゃ。

それを見て、気になって読んでみた所……色々な人間界の祭りが書かれておった。

そこには、はろうぃんについても書かれていて、わらわは大変興味が沸いた。
じゃが……本の著者は魔物、じゃから殆どが想像で書いてると書かれていた。

なんじゃ、想像で書かれているのか……と、内心「なぁんじゃ……」と思って本を閉じたその時、わらわは閃いたんじゃ!

だったら知ってる者に聞けばいいのじゃ! と。
だからわらわはシルクに聞こうとした……しかしじゃ、わらわがシルクにその事を聞くと、きっと……。

「また大変な事になりそうだから教えない」とか言って教えてくれんじゃろう。
なので、比較的暇じゃろうと勝手に思ったラムに聞いてもらったのじゃ。

で、その後は……わらわ自身でも情報を集めるかと思い、とある場所に行く事にした。
その場所は、城下町地下じゃ。

そこに向かったのには理由があるのじゃ、それは本にはこう書かれていたのじゃ。

『はろうぃんはカボチャ、お菓子、お化けがメインのお祭り』

とな。
想像で書いてるから本当か分からぬが、一応信じてみる事にした。
で、その場所が城下町地下と言う訳じゃ。

あそこはお化けもいるし、それっぽい雰囲気もある。

それに何より、そこにはカボチャとお菓子に当てはまる魔物もいるしの。

なので、そやつの所に行く事にした。

その時にヴァームと出会って、その事を話したら「私もご一緒してよろしいですか? 何故かは知りませんが、興味が出てきました」と言われたから、「別に良いぞ」と返して一緒にそこに向かった。

……で、色々あって今に至ると言う訳じゃ。
いやぁ、あそこでラキュとアヤネに会うとは思わんかったのぅ……ほんっと驚いてしまったのじゃ。

おっと、長々と説明してしまったの。
……不審者の事は気になるが、ぶっちゃけわらわは祭りの方が大事じゃ。

まぁそうも言ってられんから、ぱぱっと何とかしてやるかの。
そう思ったわらわはラムの話を聞き続けたのじゃ。

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