どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
238
再び過去の話をするむぅちゃん。
さっきのロアとシルクが初めて会った時の話じゃなくて、ロアが初めてシルクを見た時の話……。
その話はとても長かった、それを私は黙って聞いて行く。
そして……その話は終わった。
「と言うわけです……」
「……ロアも凄く想ってるんだね」
それを聞いて、こう答えるしかなかった。
だって、その話はロアのシルクを想う気持ちが伝わってきたから。
一途な想い、凄い努力、そして……大きな愛情を感じる。
でも、その気持ちなら私だって負けてない。
動揺や焦りを感じたけど、それを聞いて諦めるという選択肢は私には無い。
「その話を聞いて、私が諦めると思ったの?」
「あら、諦めませんか……アヤネさんの気持ちも強い様ですね」
そんなの言われるまでもない、私はシルクが好き。
例えどんな話をされたって動じない。
そんな気持ちでいると、むぅちゃんは下を向いてため息をはいた。
そして、じぃっと私を見てきた。
無表情。
なんと言うか、心を覗かれてる様な感じがする、そんな視線……そんな目を向けながら、また話始めた。
「ロア様はシルク様の為に努力しています。長年側にいながら頼る事しかしてこなかった貴女に邪魔はせれたくありません」
……うぅ。
凄く腹の立つ事を言われた、でも心にぐさっと刺さるものもある。
言われて見れば、むぅちゃんの言う通り。
私はシルクに頼ってる。
でもそれは、愛してるから頼ってる。
でも、それで何も行動しなかったのは今思えばいけない事。
でも、何もして来なかったのなら、今からすれば良い。
「いっぱい邪魔するよ、だって……私もシルクが好きだもん」
真っ直ぐむぅちゃんを見ながらはっきりと言って上げた。
すると、むぅちゃんはピクリと眉を動かす。
「あらあら、キツい言葉を言えば引き下がると思ったのですが、そんな事はありませんでしたね」
「ごめんね、私……人の話聞かないの」
ピリッ……。
空気が冷たくなってきた。
お互い睨みあってる、そこに笑いなんてない。
ただ真剣に言い合ってるんだ。
でも、ここで疑問が浮かんだ。
「ねぇ、聞いて良い?」
「えぇ、よろしいですよ」
だから聞いて見る事にした。
「むぅちゃんもらっ君も……少しロアの恋愛を後押しし過ぎじゃない? どうして?」
これは、今浮かんだ疑問。
らっ君はロアの事を応援してるって言ってた。
そして、むぅちゃんもそれっぽい事を言ってる。
でもどうして?
自分の姉だから? 従者だから? それで手伝っているの?
「応援したいからですよ。ロア様には、幸せになって欲しいんです。その為なら強力します」
「……」
澄んだ目でそう言ってくる。
応援したいから……周りの人にそうさせるくらい、ロアは頑張ってると言う事……。
それを聞いたら私も頑張らなきゃって思う。
……まずい、このままじゃ、ロアにシルクを取られちゃう。
そんな焦りの思いが過ってくる。
「私の話を聞いたでしょう?」
「え?」
低いトーンで呟きながら立ち上がるむぅちゃん、そして頭を下げてくる、その行為に戸惑った。
戸惑いの声を私が上げる前に、むぅちゃんは続けて話した。
「アヤネさん、その恋、諦めてくれませんか? お願いします」
…………は?
頭に血が昇ってくのが分かった。
諦めろ? お願い? ふざけないで……なにそれ、なんてお願いしてくるの?
いつの間にか立ち上がっていた私は、むぅちゃんに向けて言い放ってあげた。
「諦めるわけないでしょっ、ばか!」
そう言った後、私は大きな足取りで部屋から出ていった。
諦める訳がない。
絶対に諦めない、シルクに好かれるまで、私は……諦めないんだからっ!!
さっきのロアとシルクが初めて会った時の話じゃなくて、ロアが初めてシルクを見た時の話……。
その話はとても長かった、それを私は黙って聞いて行く。
そして……その話は終わった。
「と言うわけです……」
「……ロアも凄く想ってるんだね」
それを聞いて、こう答えるしかなかった。
だって、その話はロアのシルクを想う気持ちが伝わってきたから。
一途な想い、凄い努力、そして……大きな愛情を感じる。
でも、その気持ちなら私だって負けてない。
動揺や焦りを感じたけど、それを聞いて諦めるという選択肢は私には無い。
「その話を聞いて、私が諦めると思ったの?」
「あら、諦めませんか……アヤネさんの気持ちも強い様ですね」
そんなの言われるまでもない、私はシルクが好き。
例えどんな話をされたって動じない。
そんな気持ちでいると、むぅちゃんは下を向いてため息をはいた。
そして、じぃっと私を見てきた。
無表情。
なんと言うか、心を覗かれてる様な感じがする、そんな視線……そんな目を向けながら、また話始めた。
「ロア様はシルク様の為に努力しています。長年側にいながら頼る事しかしてこなかった貴女に邪魔はせれたくありません」
……うぅ。
凄く腹の立つ事を言われた、でも心にぐさっと刺さるものもある。
言われて見れば、むぅちゃんの言う通り。
私はシルクに頼ってる。
でもそれは、愛してるから頼ってる。
でも、それで何も行動しなかったのは今思えばいけない事。
でも、何もして来なかったのなら、今からすれば良い。
「いっぱい邪魔するよ、だって……私もシルクが好きだもん」
真っ直ぐむぅちゃんを見ながらはっきりと言って上げた。
すると、むぅちゃんはピクリと眉を動かす。
「あらあら、キツい言葉を言えば引き下がると思ったのですが、そんな事はありませんでしたね」
「ごめんね、私……人の話聞かないの」
ピリッ……。
空気が冷たくなってきた。
お互い睨みあってる、そこに笑いなんてない。
ただ真剣に言い合ってるんだ。
でも、ここで疑問が浮かんだ。
「ねぇ、聞いて良い?」
「えぇ、よろしいですよ」
だから聞いて見る事にした。
「むぅちゃんもらっ君も……少しロアの恋愛を後押しし過ぎじゃない? どうして?」
これは、今浮かんだ疑問。
らっ君はロアの事を応援してるって言ってた。
そして、むぅちゃんもそれっぽい事を言ってる。
でもどうして?
自分の姉だから? 従者だから? それで手伝っているの?
「応援したいからですよ。ロア様には、幸せになって欲しいんです。その為なら強力します」
「……」
澄んだ目でそう言ってくる。
応援したいから……周りの人にそうさせるくらい、ロアは頑張ってると言う事……。
それを聞いたら私も頑張らなきゃって思う。
……まずい、このままじゃ、ロアにシルクを取られちゃう。
そんな焦りの思いが過ってくる。
「私の話を聞いたでしょう?」
「え?」
低いトーンで呟きながら立ち上がるむぅちゃん、そして頭を下げてくる、その行為に戸惑った。
戸惑いの声を私が上げる前に、むぅちゃんは続けて話した。
「アヤネさん、その恋、諦めてくれませんか? お願いします」
…………は?
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諦めろ? お願い? ふざけないで……なにそれ、なんてお願いしてくるの?
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