どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

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「これなんかどうですか?」
「告白するのに、それは派手過ぎだと思う」
「あぁ……そうですね、でしたらこれならどうでしょう?」

メェは今、お着替えをされてるです。
うっうぅ……メェの意思そっちのけで脱がされたです、酷いですぅ。

「それは、メェちゃんにはキツ過ぎない? 主にサイズ的に」
「……そうですね、主にこれの性で着れませんね」

ぺちんっ。
メェの胸を叩くヴァーム、そしたらぽよんって揺れたです。

「なっなにするですか! 叩く事ないですよね?」
「あらあら、ございますよ? 私の嫉妬です。叩かないと怒りが貯まりますからね、適度に発散しないとダメでしょう?」

無茶苦茶言ってるです……なんです? その理屈は。
勝手な事言うなです!

「むーちゃん、嫉妬はいけない。貧乳はステータスだって昔から言われてる」
「ふふふ……そうですね」

……アヤネ、それフォローのつもり言ったです? ヴァームにとっては、多分そう聞こえてないですよ?

「……おっと、今は私のコンプレックスの事はどうでも良いんです」

メェに服を手渡して、別の服を取りに行くヴァーム。
やっぱりコンプレックスなんですね。
別に貧乳でも良いと思うですけどね、メェだって貧乳の方が良いです。
胸が大きいと色々疲れるですよ。

「今はメェの服選びの方が大切です。安心してくださいね、良いのを選んであげますよ 」
「あ、その事ですけど……」

ヴァームが服選びの話になったです。
ここで、メェは今思ってる事を言う事にしたです。

「はい、なんでしょう?」
「えと……なんか、勝手に話しが進んでるですが……メェは告白しないですよ? あ、今はしないって意味です。だから……帰って良いです?」

と、苦笑しながら言うと……ヴァームは大きくため息をついたです。

「なるほど、いつかですか……」

同じ様にアヤネもため息をついたです。
えと、なんか呆れた顔をしてるですね……なんでです? 告白したい気持ちは本当ですよ?
メェは勇気が出た時に告白するですよ!

「メェさん」
「なんです?」
「この際です、ハッキリと申しましょう」

ピリッ……。
空気が変わったです、なっなんか重苦しい感じになったですね。
ヴァームはメェに睨みを聞かせながら話を続けた。

「メェさんはこの先、一生告白しませんよ」
「…………は?」

ヴァームの言葉を聞いてメェの眉はピクリと動いたです。
一生告白しない? するですよ! 告白事態はしようって思ってるです。

何度も言ってるのに、何で信じてくれないですか!
文句言ってやるです! そう決めて何かを言おうとした時です。

ヴァームが続けて冷たい口調で話して来たです。

「怒ってる様なので質問しましょう……メェの言ういつかとはいつですか?」
「……っ!」

それを聞いた瞬間、メェは困ってしまった。
え……そっそんな事言われても、メェはそこまで考えてないですよ?

たっただ、告白出来る勇気が出たらするつもりでいたです。

と、こんな事を考えながら口をもごもごしていると、「やれやれ」と言いたげに手を広げて、またため息を吐いたです。

「答えられないと言う事はそう言うと事です……貴女は何かと理由をつけて告白を先伸ばしにしているんですよ」

グサッ!
そんな擬音と共に、心に正論の刃が突き刺さった。
うっ、うぅ、そっそれに関しては何も言えないですぅ。

「そもそも、こう言うのは通常は男である鬼騎からするものなんです。ですが向こうは通常のヘタレの3倍のヘタレ、出来る筈がありません」

え……なんか、きぃ君の事酷い事いってるです。
きっきぃ君は言う程ヘタレじゃないですよ。

「それでしたら、こっちから行くしかないでしょう」

……。
こっ告白、ヴァームの言った様に恥ずかしいのは本当です。
でも、あと1つ……あと1つ、告白に踏み切れない事があるです。

そっそれを言えば……メェの事、放っておいてくれるですかね?

「めっメェは……きぃ君の気持ちを知らないです。もっもしかしたらきぃ君はメェの事、なんとも思ってないかも知れないです……めっメェは、それが怖くて」

告白が出来ないです。
と、そう言おうとしたですが、ヴァームが口を挟んで来たです。

「貴女はバカですか?」
「……へ?」

……え、えと。
一瞬、なに言われたか分かんなかったですが、ばっバカって言ったですか?

目をパチクリして、口をポカーンとあけるメェ。
そんなメェにヴァームは頭を軽くチョップしてきたです。

いっ痛い……。

「それ、本気で言ってるんですか? ……失礼、本気で言ったんですね? やれやれ、アヤネさんがお節介するのも納得ですね」

あ、また呆れられてるです……メェは変な事言ったですか?

「何も分かってないメェに言いますが………いえ、私からは何も言わないでおきましょう」
「……?」

いっ言い掛けて言うの止めるなですよ……気になるです。

「言う言葉とすればただ1つです。さっさと告白しなさい」
「でっでも、メェは……その」
「向こうが好きじゃないとかは関係ありません。告白と言うのは、気持ちを押し付ける物です」 

ヴァームはメェの手を握ってくる。
暖かい……そして、メェを見つめる目は優しい。

「メェちゃん」

ここで、ずっと黙ってたアヤネが口を開いたです。
ヴァームと同じ様な目をして続けて話して来たです。

「好きな人がいるなら、周りの視線だとか、相手がどう思ってるだとか、余計な事考えちゃダメ……もっと好きな人の事に一途になろ」

アヤネのその言葉はメェの心に強く響いたです。

周りなんて考えるな、相手がどう思ってるか考えるな、もっと一途になれですか……。

「ちょっと……重くないです?」
「愛はちょっとぐらい重い方が良いってママが言ってた」

ぐーサインを出してにっと笑うアヤネ、そうですか……ちょっとくらい重い方が良いですか。

「メェ、貴女はあれこれ考え過ぎなんです……魔王様を見習って下さい。考えずに思うがまま行動してるでしょう?」
「……それ、ロア様が聞いたら怒られるですよ?」

それを聞いたヴァームが「ふふふ、そうですね」と言って、くすりと笑ったあと、こう続けたです。

「鬼騎に告白しましょう」

ストレートですね。
ヴァームの物言いはいつもこうです。
でも今は、それを聞いて奮い立ってるですよ。

でも、まだ恥ずかしさ、とか不安があるです、その事実は消せないです。

でも……ヴァームの言うように、このまま「いつかする」って思ったままだと、告白しないままずるずる過ごしてしまうのも事実……だからメェは、真っ直ぐヴァームとアヤネの目を見て言ったです。

「……分かったです。頑張ってみるですよ」

それはちょっぴり勇気を出して言った言葉、きっと告白する時は、これの100倍勇気がいるんだろうけど……こっこれは告白の準備運動です。

めっメェは……やってやるです。
きちんと告白して、きぃ君とくっついてみせるですよ!

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