どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

222

ここは魔王城の医務室です。
薬の材料を買った後、アヤネと別れてここに来たです。

「はぁ……アヤネが変な事言ったから意識しっぱなしです」

ばふっ……。
仰向けにベットに寝そべった後、ため息をついた。
アヤネめ……告白は早い方が良いとか言ったですけど、おっ大きなお世話です!

アヤネがその話をした後、自分のペースで良いとか思ったですが……良く良く考えてみると、それで他の女がきぃ君に告白しちゃったら……メェは物凄く悲しいです。

でもです! こっ告白するのはむっちゃハズいですぅ!
きっきっと噛み噛みになっちゃうですよ? それに、きぃ君がメェが告白しようとしてるって察したら……絶対に、顔真っ赤にして身体震わせて緊張するです。

メェの話しなんて絶対に聞こえないです。

「きぃ君はちょっぴり恥ずかしがり屋ですからね……きっとそうなるです」

メェとしては、告白はきちんと聞いて、ちゃんと答えて欲しいです。
きぃ君の性格は分かってるですが……やはりそれだけは譲れないです。

……いや、それよりも告白出来ない大きな問題があるです。

「メェ……白衣しか持って無いです」

告白するのに白衣でとか……ムードもへったくれもあったもんじゃないです。

ごろんっと寝返りうって、「ぅぅぅぅっ」って呻きをあげる。

地味ぃな白衣で告白とかマジ勘弁です! きっと、きぃ君も幻滅する筈です!

「……メェは何考えてるんです? いっ今すぐ告白しようって訳じゃないのに……変に考えちゃってるです」

こっこれもきっと、アヤネが急かす様な事を言ったせいです!

「いっ良いんです!こっ告白は今しなくても平気です! きっと、きぃ君なら他の人に告白されたとしても……ちゃっちゃんと断るです!」

枕を叩きながらの独り言……これ、他の人に見られたら超ハズいです。

って、て言うか……メェはなんで、きぃ君が他の人に告白されても断るって考えたんです?

………メェは、きぃ君を信用してるんですかね? 信用してるから、思えるんですかね?

っ! あぅぅぅっ、かっ顔が熱くなったです!
超絶恥ずかしい事思ったです!

「……」

また、ごろんっと寝返りをうって、じぃっと部屋の一角をみるメェ。
……きぃ君はメェの事、どう思ってるですかね? きぃ君って、メェの側だとオドオドして変な感じになるから良く分からないです。

「きっきぃ君はメェの事、好き……なんですかね?」

良く分からないから、その答えは分からないです。
もっもしも、きぃ君がメェの事を何とも思ってなかったら……どうするです?

そうだったらメェ、泣いちゃうですよ?
……確認したい、確認したいけど、その方法が分からないです。

「……きぃ君の心を知りたいです」

ぽつりと呟いた言葉、それを言った瞬間虚しさが心に襲い掛かってきました。

そう言えばメェは、きぃ君が好きだからって、抱き付いたり、筋肉さわさわしたりやっちゃったですけど……。

もしかして迷惑だったですか? 嫌だったですか? メェは自分の気持ちを押し付け過ぎだったですか?

だとしたらメェは……酷い魔物です。
きぃ君、貴方はメェの事どう思ってるですか?

「メェは、きぃ君の事好きですよ……」

なんて、自分でも恥ずかしくなる様な事を呟いた時です。
ガチャって音が鳴りました……ビックリしてその方を見てみると。

「メェちゃんめっけ」

アヤネが立っていました。
何故かニヤニヤ笑ってるです。

まっまさか、きっ聞かれたですか? うっ……だとしたらアヤネはきっとからかって来るです。

厄介な人に聞かれたです。
なんて焦っていると……。

「メェちゃん、恥じらいは捨てよ、私が強力する!」

ニヤニヤした顔は一変して真剣な表情でメェを見てきたです。
きょっ強力? なんの事です?

訳の分からないメェは、アヤネをポカーンと見つめたまま呆然としたのでした……。

「どうやら魔王は俺と結婚したいらしい」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く