どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
196
おぅ、俺の名は鬼騎だ、よろしくな。
俺は、魔王城では料理長を任されとる。
毎日毎日、魔王城に住んどる奴等に料理を振る舞っとる。
料理は好きだ、魔王さんが人間界に行く! と言って、人間界に移り住んでからは、より料理が好きになった。
これは魔王さんに感謝せんとな、ありがとよ。
さて突然だが、ある人……いや獣人について話をさせてくれ。
その獣人は羊、もこもこな白の天然ヘアー、体型は小柄ながら、胸はけしからん程にデカい……。
いつも、ブカブカの白衣を着ておる。
そんな彼女の名はメェさんと言う、俺と同じく魔王城に住んでて、医者として働いておる、その腕は魔王城や城下町に住む者が認める程だ。
そんなメェさんは、兎に角天然だ、たまに他人に迷惑を掛ける薬を作ったり、実験体を探したりと、悪戯心のある女性だ。
だがまぁ、そこがメェさんの魅力であり個性でもあるから、悪くは言えん。
と言うか、可愛すぎて甘やかしてしまうのが本音だな。
と、そんな話しはさておき……なんと俺は、メェさんに抱き付かれ、あまりの幸福感と緊張によりぶっ倒れてしまった。
なんとも情けない話だ、確実に後で、あのシスコンことラキュに、とやかく言われるんだろう。
そん時は、睨みを効かせて言い返してやろう。
と、ラキュの話しはどうでも良い。
実は今、とある問題が起きておる、それは……。
今、メェさんに膝枕して貰ってると言う事だ! 後、何故か食堂から医務室に移動しておる、いつの間に来たんだ? いっいや、そんな事より! なぜ膝枕? なぜ、でこに濡れタオル? 薄目で上を見ると、心配そうに俺を見下ろすメェさんがいる。
……あと、胸が近くにある、くっ、ドキドキが止まらねぇ!
なんだこれ、どんな天国だ? 幸せ過ぎてどうにかなっちまいそうなんだが!?
……すっ少し落ち着こうか、焦って無様な姿をメェさんには見せたくない。
いや、普段から沢山見せまくっとる気がするが、見せたくは無い。
何故かと言ったら、その……えと、まぁその、おっ俺は……その、メェさんの事が好きなんだ。
「きぃ君」
ぽつりっ、寂しげに呟いくメェさん。
っ! うぉっ、ビックリした! 思わず声をあげそうになっちまった。
こっ声とか上げたら、みっともない奴だとか思われるからな、それだけは避けたい。
ここは、まだ気絶してる振りをする、この方がみっともない感じがするが、きっ気にしちゃいけねぇ。
何も反応せずに、メェさんがこの部屋から出ていった時を見計らって目を覚ます。
それまでは俺は絶対に目を開けないぞ!
しっしかしあれだな、色々と、考え事をしとって忘れてたが、今、メェさんに膝枕されてるんだよな?
で、俺は気を取り戻してるにも関わらず気絶してる振りをしとるわけだ……。
それ、ものっすごい悪い事しとらんか? あと、それを意識しとったら……その、かなりドキドキしてきたぞ! やっヤバイ、心臓がバクンバクンいっておる。
ぐっぐぎぎぎっ、不味い、不味すぎる、ここでやましい考えをしたら、メェさんに幻滅される! と言うか、好きな者に膝枕されて、冷静にいられる者なぞおらんだろう!
あぁぁぁぁっ、ダメだぁぁっ! 気を抜いたら荒い息が出てくるっ。
そんなもん出したら、間違いなくメェさんに嫌われるっ、それだけは避けたいっ!
って、あぁぁっ! 汗拭いてくれとるっ、ありがとうごぜぇます! 俺は目を瞑っとるから良く分からんが、優しさだけは感じてますぜ!
「でも、きぃ君って……あんなに大きく驚いて挙動不審になるのメェだけです、なぜです?」
とか、感激しとったら……。
なんか偉い事を言われてしまった。
きょっ挙動不審? 俺がか? いっいやいや、まっまさか、そんな事は……ないよな?
と、ここで過去を振り替えって見る。
………………。
くっ、結構、挙動不審だったかもしれん、はっ恥ずかしい!
「……んっ、……んんっ」
「きぃ君!?」
しっしまったぁぁっ、余りの羞恥心に、ついうっかり声が漏れちまった!
不味い、不味い、不味い! どっどうにかせんといかん、何とかして誤魔化さないといかん!
こっここは、何事もなかったかの様に静かにしよう。
くっ、恐らくだが、汗をダラダラかいてるんだろうな、バレなきゃ良いんだが……心配だ。
と、ここでまた、うっすら目を開けてみる。
あぁ、まだ心配そうな目をしとるなぁ。
思えば、メェさんは初めて見た時から素敵な人だった。
昼飯を食べに食堂に来たメェさんは、まるで天使の様だった。
もう、目に写った瞬間、俺の全身に雷の様な物が駆け巡っていきおった。
つまりは一目惚れ、共に仕事をして、会う度に好きと言う感情が増して行き、話す事すら出来ねぇ様になっちまった。
しっ仕方無ぇじゃねぇか、好きな相手に緊張すんのはお前等だって同じだろう?
だが情けないな、俺の場合はもっと、ガツンっと行くべきだ、じゃなきゃ、このままずっと片思いのままだ。
これだから、ラキュにどうこう言われるのも仕方ねぇ、だが色々言われるのは腹立つ、だから言い返してしまうんだよな。
色々思い込んだ俺は、歯を食い縛る。
このままじゃダメだ、アピールしなきゃ、あっアピールを……。
よっよし、やってやろうじゃねぇか、俺は今から目を開ける。
そして、起き上がって、さり気無くメェさんに話し掛ける、会話は初歩のアピール、まず目を覚まして「うっ、めっメェさん?」と言う。
そこから、会話をするっ! よしっ、完璧だ! やってやるぞっ、鬼人の生きざま、見せてやらぁぁっ!!
俺は、魔王城では料理長を任されとる。
毎日毎日、魔王城に住んどる奴等に料理を振る舞っとる。
料理は好きだ、魔王さんが人間界に行く! と言って、人間界に移り住んでからは、より料理が好きになった。
これは魔王さんに感謝せんとな、ありがとよ。
さて突然だが、ある人……いや獣人について話をさせてくれ。
その獣人は羊、もこもこな白の天然ヘアー、体型は小柄ながら、胸はけしからん程にデカい……。
いつも、ブカブカの白衣を着ておる。
そんな彼女の名はメェさんと言う、俺と同じく魔王城に住んでて、医者として働いておる、その腕は魔王城や城下町に住む者が認める程だ。
そんなメェさんは、兎に角天然だ、たまに他人に迷惑を掛ける薬を作ったり、実験体を探したりと、悪戯心のある女性だ。
だがまぁ、そこがメェさんの魅力であり個性でもあるから、悪くは言えん。
と言うか、可愛すぎて甘やかしてしまうのが本音だな。
と、そんな話しはさておき……なんと俺は、メェさんに抱き付かれ、あまりの幸福感と緊張によりぶっ倒れてしまった。
なんとも情けない話だ、確実に後で、あのシスコンことラキュに、とやかく言われるんだろう。
そん時は、睨みを効かせて言い返してやろう。
と、ラキュの話しはどうでも良い。
実は今、とある問題が起きておる、それは……。
今、メェさんに膝枕して貰ってると言う事だ! 後、何故か食堂から医務室に移動しておる、いつの間に来たんだ? いっいや、そんな事より! なぜ膝枕? なぜ、でこに濡れタオル? 薄目で上を見ると、心配そうに俺を見下ろすメェさんがいる。
……あと、胸が近くにある、くっ、ドキドキが止まらねぇ!
なんだこれ、どんな天国だ? 幸せ過ぎてどうにかなっちまいそうなんだが!?
……すっ少し落ち着こうか、焦って無様な姿をメェさんには見せたくない。
いや、普段から沢山見せまくっとる気がするが、見せたくは無い。
何故かと言ったら、その……えと、まぁその、おっ俺は……その、メェさんの事が好きなんだ。
「きぃ君」
ぽつりっ、寂しげに呟いくメェさん。
っ! うぉっ、ビックリした! 思わず声をあげそうになっちまった。
こっ声とか上げたら、みっともない奴だとか思われるからな、それだけは避けたい。
ここは、まだ気絶してる振りをする、この方がみっともない感じがするが、きっ気にしちゃいけねぇ。
何も反応せずに、メェさんがこの部屋から出ていった時を見計らって目を覚ます。
それまでは俺は絶対に目を開けないぞ!
しっしかしあれだな、色々と、考え事をしとって忘れてたが、今、メェさんに膝枕されてるんだよな?
で、俺は気を取り戻してるにも関わらず気絶してる振りをしとるわけだ……。
それ、ものっすごい悪い事しとらんか? あと、それを意識しとったら……その、かなりドキドキしてきたぞ! やっヤバイ、心臓がバクンバクンいっておる。
ぐっぐぎぎぎっ、不味い、不味すぎる、ここでやましい考えをしたら、メェさんに幻滅される! と言うか、好きな者に膝枕されて、冷静にいられる者なぞおらんだろう!
あぁぁぁぁっ、ダメだぁぁっ! 気を抜いたら荒い息が出てくるっ。
そんなもん出したら、間違いなくメェさんに嫌われるっ、それだけは避けたいっ!
って、あぁぁっ! 汗拭いてくれとるっ、ありがとうごぜぇます! 俺は目を瞑っとるから良く分からんが、優しさだけは感じてますぜ!
「でも、きぃ君って……あんなに大きく驚いて挙動不審になるのメェだけです、なぜです?」
とか、感激しとったら……。
なんか偉い事を言われてしまった。
きょっ挙動不審? 俺がか? いっいやいや、まっまさか、そんな事は……ないよな?
と、ここで過去を振り替えって見る。
………………。
くっ、結構、挙動不審だったかもしれん、はっ恥ずかしい!
「……んっ、……んんっ」
「きぃ君!?」
しっしまったぁぁっ、余りの羞恥心に、ついうっかり声が漏れちまった!
不味い、不味い、不味い! どっどうにかせんといかん、何とかして誤魔化さないといかん!
こっここは、何事もなかったかの様に静かにしよう。
くっ、恐らくだが、汗をダラダラかいてるんだろうな、バレなきゃ良いんだが……心配だ。
と、ここでまた、うっすら目を開けてみる。
あぁ、まだ心配そうな目をしとるなぁ。
思えば、メェさんは初めて見た時から素敵な人だった。
昼飯を食べに食堂に来たメェさんは、まるで天使の様だった。
もう、目に写った瞬間、俺の全身に雷の様な物が駆け巡っていきおった。
つまりは一目惚れ、共に仕事をして、会う度に好きと言う感情が増して行き、話す事すら出来ねぇ様になっちまった。
しっ仕方無ぇじゃねぇか、好きな相手に緊張すんのはお前等だって同じだろう?
だが情けないな、俺の場合はもっと、ガツンっと行くべきだ、じゃなきゃ、このままずっと片思いのままだ。
これだから、ラキュにどうこう言われるのも仕方ねぇ、だが色々言われるのは腹立つ、だから言い返してしまうんだよな。
色々思い込んだ俺は、歯を食い縛る。
このままじゃダメだ、アピールしなきゃ、あっアピールを……。
よっよし、やってやろうじゃねぇか、俺は今から目を開ける。
そして、起き上がって、さり気無くメェさんに話し掛ける、会話は初歩のアピール、まず目を覚まして「うっ、めっメェさん?」と言う。
そこから、会話をするっ! よしっ、完璧だ! やってやるぞっ、鬼人の生きざま、見せてやらぁぁっ!!
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