どうやら魔王は俺と結婚したいらしい

わいず

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どうも、メェです。
メェは、魔王城に住むお医者さんです。
自分でも言うのもなんですけど、結構腕が立つんですよ? 数多くの、お薬を作ったりして看病さんを治してあげたです!

おっと、そんな話しは置いといて……。
実はメェには好きな人がいるです、あっ、正しくは人でなくて鬼です、その鬼とはズバリ……きぃ君こと鬼騎君です!

たくましい筋肉、強面の顔に職人気質。
昔、メェが魔王城で医者として働く事になって、初めて、きぃ君を見た時……メェを見るなり、そっぽを向いちゃう無愛想な鬼だったです。

つまんない鬼ですね、仲良くなるのは時間が掛かりそうです、とか思っちゃたです。

でも筋肉が凄かったですから、ほんの少しだけ気になっちゃいました。
まぁ、そんな思いは時間と共に薄れて行く、時間が経てば魔王城で一緒に働く仕事仲間としての関係が築かれる程度、そう察したです。

でも、きぃ君はメェを惚れさせたんです。
きぃ君は覚えてるですかね? きっと覚えて無いですよね? 実を言うと、あれを切っ掛けにメェは、どんどん、きぃ君に惹かれて行ったんです。

にひひぃ、思い出すと、かなり恥ずかしい出来事ですね。

……っ、はっ恥ずかしくなったから、そろそろ話を変えるです!
ほんっとうに突然ですが、きぃ君は重たいです、だけどメェは結構力持ちっ、持ち上げるのは割りと簡単です。
ずっと食堂にいたけど、「きぃ君を看病したいから医務室に行くですっ」そう言い残して、メェは、きぃ君を両手で、よいしょと持ち上げて医務室まで運んで来たです。

持ち上げた時、なぜかシルク君、ラキュ君はビックリしてたですね、あの時は気にも止めなかったですけど、なぜです?

「………」

真っ白な壁、真っ白な床、いろんな所に医療器具に薬品棚が置いてあるお部屋。
そこに置いてある大きなベットにきぃ君が寝てるです、なんにも喋んない。

「きぃ君」

側に丸椅子を置いて、きぃ君を看病、おでこに濡れタオルを置いて、別の濡れタオルで汗を拭うです。

心配です、これってあれですよね? きぃ君って、ちょっぴり緊張しぃな所あるですから、他人に触れられと、とてつもなく挙動不審になるんです。
メェは分かってます、だって初めて会った時からそうだったんです。

なのにも関わらず、メェは目の前の筋肉の誘惑に負けてしまって、ボディータッチに凄く耐性の無い、きぃ君に抱き着いちゃったです。

そしたら、色々と耐えきれなくなって倒れちゃったです。
うぅぅっ、これは全部メェのせいです、もっと気を付ければ良かったです。

「でも、きぃ君って……あんなに大きく驚いて挙動不審になるのメェだけです、なぜです?」

と、心配してる中、出て来た疑問。
シルク君の時は普通に喋れてるです、同じ女性のロア様やアヤネ、ヴァームとかも普通に喋れてる。

あっ、でもラキュ君相手だと喧嘩ばっかですね、目が覚めて落ち着いたて、落ち着いた時、さりげなく聞いてみるです。

今は、きぃ君が目覚めるのをじっと待つしか無いです。

「……んっ、……んんっ」
「きぃ君!?」

今、口元が、もごもご動いたです、慌てて声を掛けたですが……直ぐに静かになったです。

そろそろ、目覚めても良いんですけど、目覚めないです。
見立ては気絶で、時間が経てば目覚める筈、それに、きぃ君は人間じゃなくて鬼、身体の造りが人間と比べて遥かに強い、だから目覚めるのも速い……そう思ったんですが、ダメですね。

うんとも寸とも言わないです。
メェは、きぃ君の頬を突っついてみる、そしたら眉がぴくんって動いた、だけど目覚めない。

あぁぁぁっ、超絶心配ですぅぅっ、早く目覚めるですよぉぉぉっ。

って、心の中で叫んでも仕方無いですね、こうなったら目覚めるまで、精一杯看病するですよ!

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