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やりこみ好きによる領地経営 ~俺だけ見える『開拓度』を上げて最強領地に~

空野進

第1章 やりこみ好きが転生しました (3)

 さて、どっちを選ぶべきか……。いや、どっちかを選ぶ必要なんてないな。素材は拾ってこればいいだけだ。なら、両方とも作ってしまおう。まずはこの木の棒だな。

 俺は更に必要素材を使って、木の棒の品質を上げる。


……。


 新しく出来上がった木の棒は少しだけこうしてくれた気がする。

 能力の上昇値も1から2に上がったし、この調子でどんどん上げていけたら……と思ったのだが、残念ながらそう簡単にはいかないようだ。

 次に必要になるのはD級木材。

 残念ながら落ちている木の枝だとどうすることもできない。おそらく。この辺りからは木をばっさいしていく必要があるのだろうな。もちろん、そんな道具もないので、これはりゅうだ。

 とりあえず今は集められる素材を回収していくだけだな。再び俺は素材となるものを集めに行く。領地側の森林で簡単に木の枝が見つかるので楽でいいな。

 ついでにそのへんの石も拾っておいた。これで小屋の開拓度を上げるのと石の槍を作ることもできるだろう。


 さて、それじゃあそろそろ戻るかな。

 小屋に戻ろうとしたそのタイミングでかげから青いゼリー状の物体が現れる。

 それを見た瞬間に俺はサッと見つからないように木の後ろに隠れていた。

「あれは……スライムか?」

 水晶にはさすがに魔物の情報までは表示されなかった。ただ、その特徴的な姿からおおよその想像は付く。しかし、それが逆に問題でもあった。

「スライムといえば最弱の魔物としても有名だが、強力な魔物としても有名だ。こいつは一体どっちだ?」

 最弱の魔物ならおそらく俺でも相手にできる。でも、強い場合は俺の命をだいとして支払わないといけない。絶対間違うわけにはいかない。

 ひたいから汗がにじみ出てくる。木の棒を持つ手に力が入る。スライムの力を測るためにその様子をうかがう。すると、スライムが周りを見渡して、そして……。

「Zzz……」

 ……えっ、寝ちゃったぞ? 俺がいるのに? いや、気づいていないのか? ……さすがにこの隙を見逃す手はないよな? 再度、グッと木の棒を強く握りしめると覚悟を決めてスライムに向かって駆け出す。

 そして、木の棒をスライムへ向けて、力の限り振り下ろす。

 すると、スライムは軽々と飛んでいった。そこで俺は確信する。

 このスライムは弱いスライム! それなら手をゆるめる理由はない。

 何があったのか理解したスライムが俺に向かって飛びかかってくる。

 それにタイミングを合わせて俺も木の棒を振り下ろす。


 スカッ。


 思いっきり外してしまう。そして、スライムは俺の腹に体当たりをしてくる。


 ぷにっ。


 全く痛くない……。

 そこからは完全などろあいだった。俺が何度も攻撃を外しながらスライムが倒れるまでひたすら叩き続ける。スライムも何度も俺に向かって体当たりしてくるが、痛みは感じない。むしろ柔らかい体が心地良いくらいだ。

 そして、数十分それを繰り返し、いい加減息が切れたころにようやくスライムを倒すことができた。すると、スライムが石のようなものを吐き出していた。


【名前】 魔石

【品質】 E [魔石]

【損傷度】 0/100


 やっぱり魔物を倒したら魔石を落とすようだ。

 ただ、最弱と思われるスライム相手で数十分か……。

 俺が戦うのは効率が悪いな。本格的に集めるなら人をやとうことも考えないといけない。

 まぁ、これも本格的に領地が大きくなると簡単に解決するだろう。今はとにかく領地を育てていくことだな。特に魔石がとれるとわかった以上、畑を育てることは急務だ。

 ……魔石三つか。後2体スライムを見つけて倒す必要があるわけだ。

 よし、もうひとり頑張るか。


◇◇◇


「はぁ……、はぁ……。これでようやく三つだ……」

 息を荒くしながら手に入れた三つ目の魔石をしっかり握りしめていた。

 これで畑の開拓度を上げることができるはず……。

 早速畑の方へと向かう。

 ……まだキュウリは新しくできてないようだな。

 畑の表示欄にある『キュウリ(0/1)』の文字を見て少し残念に思う。

 やっぱり完全回復するには1日ほどかかるのか……。

 いや、もう回復しないことも考慮しておく必要があるだろう。でも、開拓度を上げたら大元の1の数値が上がってくれるはず。早速、上げていくことにする。


【名前】 荒れた畑

【開拓度】 1(0/10)[農業]

【必要素材】 E級魔石(3/3)

【状況】 キュウリ(0/1)


『荒れた畑の開拓度を上げますか?』

→はい

いいえ


 ここは当然いったくだ。『はい』を押すと、古びた小屋のときとは違い、更に選択画面が出てくる。


『量を増やしますか? 種類を増やしますか?』

→量

 種類


 そこも選択なのか。ただ、種類の方はその内容までは表示されないのか。

 結構ギャンブル性は高いな。ただ、キュウリが何本も増えてもそこまで腹は満たされない。

 それならば別の野菜を増やす方がいいかもしれない。

 少し迷ったあげくに俺は種類を選んでいた。すると水晶から種とじょうろが飛び出してくる。

 ……えっと、植えて世話するところからなのか? いや、まぁ、それが普通なんだけど、それだといつできるか全くわからないんだけど……。

 既に残り時間が表示されてる。

「って、残り5分しかない!? や、やばい、早く植えないと……」

 俺は慌てて畑に種を植えていく。

 数が少ないのであっさり植え終わったが、油断をしているとすぐに時間を超えてしまう。

 やっぱり開拓度を上げたり鍛冶をするときには油断したらダメだな。

 しかし、無事に畑の開拓度もしっかり上げることができたようだ。


【名前】 荒れた畑

【開拓度】 1(1/10)[農業]

【必要素材】 E級魔石(0/3)

【状況】 キュウリ(0/1)トマト(0/1)


 今植えた野菜はトマトのようだ。ただ、数字は(0/1)になっている。

 やっぱりできるまで数日かかるのだろうか? こればっかりは明日にならないとわからない。

 とりあえず、そろそろ日も暮れてきたことだし休むか。

 ……腹減ったなぁ――。

 畑以外にも食料調達の方法を考えないといけない。

 森だと木の実ができているかもしれないし、川とかがあるなら魚がれるかも知れない。

 魔物もスライムなら倒せるようになったわけだし、領地周りを調べておくのも必要だろう。できれば近くに町があればいいんだけどな……。領地っていうくらいだから近くにはなさそうだけど――。


◇◇◇


 翌朝、目が覚めるとまず畑を見に行く。

 すると、俺の予測通りにキュウリが生えていた。やはり1日経つと数字は回復するようだ。ただ、トマトの方は依然としてゼロのままだった。

 これは畑の開拓度を上げてから1日……と考えるのが良さそうだな。

 そして、石の槍と木の棒改(勝手に俺が名付けた。実際はE級木材で品質を上げた木の棒)を持つと、一応領地……となっている部分をまず調べていくことにした。

 これはどういうわけか感覚でわかるようになっていた。領地の外に出たら、ここから外は魔物が出てくる……とか。

 だからこそ、そのギリギリのラインを見極めて、木の棒改で線を引いていく。

 すると、直径30メートルくらいの円が出来上がった。

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