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異世界の酒場で運命の男が待っていました ぬるいエールを魔法で冷やして

このはなさくや

【一章】きっかけはエール (2)

 手に持っていたマントを手早く纏い、部屋から出て行こうとしたところで、男の逞しい腕がそれを阻んだ。

「違う。そうじゃねえ。俺は自分の迂闊さに呆れてただけだ」

「でも」

「だから、そうじゃなくてよ」

 大きな手が私の頤を掴み、上を向かせる。突然色気を増した低音の声に、背筋がゾクリと震えた。

「こんないい女が隣にいて、気が付かないで呑気に酒を飲んでた自分に呆れてんだ」

 吐息の温度を感じる間もなく唇が奪われ、するりと脱がされたマントが音をたてて床に落ちていった。

「俺はカイスだ。……お前、名前は?」

「……ん……、美、希……」

「ミキか、なあミキ、お前、本当に後悔しねえか」

「……?」

 うっすら目を開けて男を見上げると、その瞳には未だに戸惑いが浮かんでいるのがわかった。

「……私はもっと積極的にあなたを誘惑しないと、駄目なんですか?」

「いやそうじゃねえ。だが、なんだか信じられなくてよ」

「信じられない? ……私が?」

「違う。つまりだ、ミキみたいな綺麗な女が、俺の腕の中にいるのが信じられねぇんだ」

「ふっ、ふふ」

 思わず下を向いて吹き出すと男は眉間に皺を寄せ、私の頬を指でそっと擦った。

「おい、なんで笑う」

「だってあなたが、」

「カイスだ。さんはいらねぇ。カイスと呼べ」

「だって、カイス、が、さっきからいい女とか綺麗とか言うから」

「ああ? 本当のことだろうが」

「私のこと、男だと思ってたんでしょう?」

「あー、……まったく俺はどこを見てたんだろうな。どこもかしこもこんなに華奢なのによ」

「あっ」

「この首も、肩も、腰も、……壊しちまいそうで怖いくらいだ」

 男の太い指が、私のシャツのボタンを慎重に外していく。そして剥き出しにされた首筋に、鎖骨に、胸元に、順番に唇を当てる。

 まるで大切な物に所有印を押すような行為に、私の口から漏れる吐息が少しずつ熱を帯びていく。

 やがて黒いレースの下着だけを纏った姿になると、男は鋭い瞳を細め、深く息を吐いた。

「野郎みてぇな服の下にこんなの隠してるなんてよ、反則だろう」

「……気に入った?」

「気に入るどころの話じゃねえ。もっとちゃんと見せてくれ」

 男は軽々と私を横抱きにして、ベッドに運ぶ。そして覆い被さるように上に跨がり、大きな手で下着ごと私の胸を包んだ。

「脱がすのがもったいねぇな。……ミキ、すごく綺麗だ」

「あ……んっ」

 私は自分の胸が男の手の中で蹂躙されるさまを見ながら、優しい愛撫に身体を震わせる。

 感触を楽しむようにやわやわと胸を揉んでいた男は、レースから透ける頂に顔を近づけるとそっと口に含んだ。

「んっ……」

 熱い口の中で胸の突起が丹念に舐められ、飴玉のように転がされる。

 ちゅ、ちゅ、と柔らかく吸われるのが気持ちよくて、でもどこかもどかしい。

「ね、全部脱ぐから……あなたも、脱いで?」

「駄目だ」

 焦れた私が強請るように上目遣いで見つめると、男はニヤリと笑って手早く自分の服を脱いだ。

「俺が脱ぐのはいいが、お前は全部俺が脱がす。せっかくの楽しみをとるんじゃねえ」

 薄暗い部屋の灯りが、無駄な物の付いていない引き締まった身体に濃い陰影を落とし、男の筋肉を引き立てる。

 盛り上がった胸筋の下にあるのは、見事に六つに割れた腹筋だ。腰がくびれて見えるのは、余計な脂肪が付いていないからだろうか。そして一際存在感を放つのは、猛々しく反り返った男の雄。私は思わずゴクリと唾を呑んだ。

 ……すごい、大きい。それにこんな綺麗な筋肉、初めて見る……。

 そっと手を伸ばして、日に焼けた滑らかな肌の感触を確かめる。それから鍛えられた筋肉の一つ一つをなぞった。

「おい、くすぐってぇぞ」

 じっくり触り心地を堪能していると、男は苦笑いして私の手を取り、指先にキスをした。

「男の裸なんぞ、触っても面白いもんじゃねぇだろう」

「もっと、触りたい。すごく綺麗だし、素敵」

「ククッ、そんなこと言われたのは初めてだな。だが綺麗なのはお前のほうだ。……さあ、今度は俺の番だ」

 男は慎重に下着のリボンを解き、暴かれた裸を大きな掌で撫でていく。

 焦らすように時間をかけてその手が胸に到達すると、待ちわびていた私の身体は歓喜に打ち震えた。

「あぁ……っん」

 熱い舌が先端をチロチロと舐め、味わうように吸い上げる。もう片方の先端は二本の指で捏ねられ、優しく捩じられる。

 男の口と手で丹念に愛撫された頂は痛いほど固く尖り、私は快感に太腿を摺り合わせた。

「あぁっ……」

「こんなに尖らせて、ずいぶんいやらしいんだな」

「ふ……ぁん……」

 男は私の胸を吸いながら、身体のラインを丹念になぞっていく。腰の窪みを確かめた手が臍をくすぐり、太腿を割って足を開く。そして濡れている場所を見つけると、蜜の滴る割れ目を確かめるように撫でた。

「すげえな。もうこんなに濡れてるぞ」

「や……言わない、で」

 優しく割れ目を撫でていた指が、隠れていた秘芯を見つけて暴き出す。鋭い快感に、私は堪らず嬌声を上げた。

「ああっ……そこ、だめ……んっ」

「駄目じゃねえだろう? 腰が揺れてるぞ」

 蕩けきった蜜道に太い指を入れると、男は中の襞を確かめるように内側をなぞり、ゆっくり動かし始めた。

「……指だけでもずいぶんきついな」

「んっ……あ……あぁ……」

 男は私の膝を掴んで大きく開かせ、蜜に濡れた秘所に顔を近づける。次の瞬間、熱く湿った舌が淫芯を這う感触に、びくんと身体が強張った。

「やっ……あ、それ、恥ずかしい」

「大丈夫だ。なにも考えずに俺に任せていりゃあいい」

「あぁ、そこで喋ったら、だめ」

 男は芯をぴちゃぴちゃと舐め、溢れる蜜を吸いながら、指を動かして丹念に中を解す。

 やがて私が反応する場所を見つけると、指を二本に増やし、そこだけ押すように擦り上げた。

「んっ、そこ、だめ、あ、ぁ、」

「だいぶ柔らかくなってきたな。……ずいぶん感じやすいな。ミキ、すげえ可愛いぞ」

 陰核を吸いながら内側を掻き回され、空いた手が胸の飾りを執拗に弄ぶ。お腹の奥から湧き上がる疼きに、身体が激しく勝手に反応する。ビクビク跳ねる腰を押さえられて、男の熱い舌と指は私を絶頂へ導いていく。

 ……どうしよう、こんなに恋人みたいに優しくされたら、勘違いしてしまいそう……。

「いや、あ、あああぁぁぁっ」

 男は大きく反らした腰を掴むと、少し早急な動作で火傷しそうな熱を蜜口に宛がった。

「悪い。もう我慢できねえんだ。……挿れるぞ」

「あ、ああああぁんっ」

 圧倒的な存在感が、みちみちと、まるで掻き分けるように私の中に侵入する。

 あまりの太さと熱に私の身体が強張ったのがわかったのか、男は低く唸ると腰を止めた。

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