追放された付与術師、自分自身を『神』へと強化する。~捨てられた俺、実は万能チート。美少女と無双する間に、元仲間は全滅しているようですが?~

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第40話 追放された付与術師は、愛する家族と幸せに暮らす。

数十年後。
レント帝国は、世界で最も栄えた伝説の都として、歴史にその名を刻んでいた。
魔法と科学が融合した摩天楼が立ち並び、空には飛空艇が行き交い、地上では様々な種族が共存する理想郷。
その中心にあるレント城の庭園で、一人の老人がベンチに腰掛けていた。

白髪交じりの髪に、刻まれた皺。
だが、その背筋はピンと伸び、瞳には若者にも負けない鋭い光が宿っている。
初代皇帝にして、最強の英雄レント・シルバーだ。

「じいじ! 見て見て!」

元気な声が響く。
駆け寄ってきたのは、ひ孫にあたる子供たちだ。
彼らは小さな手で魔法を使ったり、木の枝で剣術の真似事をしたりしている。

「おお、上手だぞ。その構えはレオンに教わったのか?」
「うん! ひいおじいちゃんみたいに強くなるんだ!」

レントは目を細めた。
自分の血を受け継いだ子供たちが、こんなにも元気に育っている。
それだけで、人生の全てが報われた気がした。

「あなた、お茶が入りましたよ」

隣に座ったのは、同じく年を重ねたシルヴィアだ。
銀髪は白くなり、目尻には皺ができたが、その気品と美しさは変わらない。
彼女は今も、俺の一番の理解者であり、最愛のパートナーだ。

「ありがとう。……良い天気だな」
「ええ。本当に」

二人は静かに空を見上げた。
そこには、かつて戦った空飛ぶ要塞の残骸が、今は観光名所として浮かんでいるのが見える。

「長生きしたのう」

背後から声がした。
見ると、イグニス、セレスティア、リリアーナたちが歩いてきた。
彼女たちもまた、長い時を共に過ごしてきた家族だ。
魔族や精霊の血を引く彼女たちは、人間よりも老化が遅いが、それでも共に老い、共に笑い合ってきた時間は本物だ。

「レント様、そろそろお昼寝の時間ですよ」
「今日はエリスが特製のケーキを焼いてくれたの!」

彼女たちに囲まれ、俺は幸せを噛み締めた。
かつてダンジョンの底で死にかけていた俺が、こんな未来を迎えるなんて、誰が想像しただろうか。

「……なぁ、シルヴィア」
「はい?」
「俺は、いい人生だったかな」

俺の問いに、シルヴィアは優しく微笑んだ。

「はい。貴方は世界一、幸せな人生を送りましたわ。そして、私たちをも世界一幸せにしてくれました」
「そうか。……なら、悔いはないな」

俺は目を閉じた。
心地よい風が頬を撫でる。
子供たちの笑い声。
愛する人々の気配。
全てが愛おしい。

「レント様……?」

シルヴィアが心配そうに覗き込む。
俺は目を開け、ニカっと笑ってみせた。

「冗談だよ。まだまだ死ぬ気はないさ。ひ孫の結婚式までは生きるつもりだからな」
「もう、驚かせないでください!」

みんなが笑う。
そうだ。
俺のステータスは『無限』だ。
寿命だって、その気になればいくらでも延ばせる。
でも、今は自然の摂理に身を任せるのも悪くないと思っている。
限りある命だからこそ、この一瞬が輝くのだから。

「さあ、みんな。ご飯にしよう」

俺は立ち上がった。
足取りは軽い。
心はもっと軽い。

「はい!」

家族たちが笑顔で応える。
俺たちは城の中へと歩き出した。
どこまでも続く青空の下、俺たちの物語は、これからも語り継がれていくだろう。

かつて追放された付与術師は、自分自身に最強のバフをかけ、運命をねじ伏せ、そして最高の幸せを手に入れた。
その伝説は、永遠に色褪せることはない。

【完】

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