追放された付与術師、自分自身を『神』へと強化する。~捨てられた俺、実は万能チート。美少女と無双する間に、元仲間は全滅しているようですが?~

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第34話 付与術で土地そのものを強化。不毛の荒野が楽園に。

「さて、今日は畑の拡張と、新しい居住区の整備だな」

朝の爽やかな日差しが降り注ぐ中、俺は腕まくりをして城の裏手に広がる荒野を見渡した。
かつて魔王軍との戦場となり、瘴気に汚染されてペンペン草一本生えなかった不毛の大地。
しかし、俺の『付与術』にかかれば、こんな場所も一瞬でリゾート地へ早変わりだ。

「レント様、準備完了ですわ!」
「パパ……じゃなくてレント様、マオもお手伝いする!」

リリアーナ王女と、魔王の生まれ変わりの幼女マオが、麦わら帽子を被ってやる気満々だ。
リリアーナは王族らしくないジャージ姿(俺が錬金術で作った)で、マオは小さなスコップを握りしめている。
微笑ましい光景だが、彼女たちのスペックを考えると、これはただの土いじりではない。
国家プロジェクト並みの大規模開発だ。

「よし、まずは土壌改良からだ。……付与術・【超・沃土化(ハイパー・ファータイル)】!」

俺が地面に手をかざすと、半径数キロに渡る大地が黄金色に輝き始めた。
土中の毒素が分解され、代わりに植物の成長を促す最高純度のマナが充填されていく。
カサカサだった地面が、ふかふかの黒土へと変質する。
その変化は劇的で、まるで早回しの映像を見ているようだ。

「次は水だ。……付与術・【無限水源(インフィニット・スプリング)】」

俺が指を鳴らすと、荒野の中央に巨大な泉が湧き出した。
ただの水ではない。
【浄化】【ミネラル豊富】【魔力水】の特性が付与された、飲むだけで健康になる奇跡の水だ。
泉から溢れ出した水は、俺が事前に掘っておいた水路(タイタンが拳で殴って作った溝)を通って、大地全体に行き渡る。

「わあぁっ! お花が! お花がいっぱい咲いてきた!」

マオが歓声を上げる。
水を吸った大地から、一斉に緑が芽吹き、色とりどりの花が咲き乱れ始めた。
季節を無視した強制開花だが、綺麗だからよしとしよう。

「すごい……! 王宮の庭師が百年かけても作れない楽園が、たった数分で……!」
「リリアーナ、驚くのはまだ早いぞ。ここからが本番だ」

俺はさらに魔力を練り上げた。
ただの農地にするだけでは面白くない。
この広大な土地を、あらゆる作物が育ち、どんな天候にも左右されない『絶対豊穣領域』にする。

「付与術・【環境固定(クライメット・ロック)】。設定温度25度、湿度50%、日照時間12時間」
「付与術・【成長促進(グロウ・ブースト)】。倍率1000倍」
「付与術・【害虫・病気無効】」

重ねがけされた付与の効果により、空間そのものが変質する。
目に見えないドーム状の結界が張られ、その内部は常春の楽園となった。
植えたばかりの果樹の苗木が、みるみるうちに大木へと成長し、たわわに実をつける。
野菜の種が、植えたそばから芽を出し、収穫可能な大きさへと育っていく。

「こ、これは……魔法というより、奇跡ですわ……」
「うむ、これなら食料問題など永遠に無縁じゃな」

イグニスがもぎたてのリンゴをかじりながら感心している。
この『レント式農法』なら、一週間で一年分、いや十年分の食料を生産できるだろう。
余った分は他国へ輸出すれば、莫大な外貨獲得にもなる。

「よし、次は居住区だ。家がないと人は住めないからな」

俺は居住区画予定地へ移動した。
そこには、リナとタイタンが待機していた。

「お兄ちゃん、素材は集めておいたよ!」
「おう! 近くの岩山を一つ削って、石材にしておいたぜ!」

リナの魔法とタイタンの怪力によって、山のような建材が用意されていた。
俺はそれらに向かって手をかざす。

「付与術・【自動建築(オート・ビルド)】。設計図・タイプA(一般住宅)、タイプB(商店)、タイプC(公共施設)」

俺の脳内にある設計図(前世の記憶にあるモダンな建築様式をアレンジしたもの)を魔力に乗せて転写する。
資材が独りでに動き出し、レゴブロックのように組み上がっていく。
カンカンカン! という軽快な音と共に、数百軒の建物が次々と完成していく様は圧巻だ。

「下水道完備、魔導照明付き、断熱・防音構造。……完璧だな」

完成した街並みは、中世ファンタジー風の外観ながら、機能性は現代日本に近い快適さを備えている。
これなら、どんな難民でも快適に暮らせるはずだ。

「レント様、広場に私の像を建ててもいいですか?」
「リリアーナ、それは却下だ。恥ずかしいからやめろ」
「えーっ、残念」

冗談を言い合いながら、俺たちは完成したばかりの街を歩いた。
すでに移住者たちが荷物を運び込み始めており、あちこちから驚きと感謝の声が聞こえてくる。

「なんて立派な家だ……! 本当にここに住んでいいのか?」
「水道から水が出るぞ! しかもお湯まで!」
「レント様、ありがとう! 一生ついていきます!」

人々の笑顔。
それが、俺にとって何よりの報酬だった。
かつては「役立たず」と蔑まれ、誰からも必要とされなかった俺が、今はこうして多くの人々の生活を支え、感謝されている。
悪くない気分だ。

「レント様、これで『国』としての基盤は整いましたね」

シルヴィアが満足そうに頷く。

「食料、住居、そして防衛力。小国レベルなら軽く凌駕しています」
「ああ。あとは、これをどう運営していくかだが……」

俺は空を見上げた。
国を作るのは簡単だ(俺にとっては)。
だが、それを維持し、守り抜くのはまた別の話だ。
大きくなればなるほど、外敵の目につきやすくなる。
そして、その予感はすぐに的中することになった。

「旦那様、緊急連絡デス」

エリスが空中にホログラムを展開する。
映し出されたのは、南の海上に浮かぶ巨大な船団の姿だった。

「南ノ海域ニ、所属不明ノ艦隊ガ出現。数ハ五十隻。紋章ハ……『世界蛇(ウロボロス)』。古代魔法文明ノ遺産ヲ狙ウ、武装商船団デス」
「世界蛇か。聞いたことがあるな」

俺は記憶を探った。
世界各地の遺跡を荒らし回り、禁断の兵器を発掘しては売りさばく、死の商人たち。
彼らの狙いは、俺の城の地下にある『旧文明の地下遺跡』だろう。

「警告ヲ無視シテ、領海ニ侵入シテイマス。攻撃シマスカ?」
「いや、まずは出方を見よう。いきなり沈めるのも大人気ない」

俺はテラスから南の空を睨んだ。
平和な国作りを邪魔する奴は、誰であろうと許さない。
だが、彼らが持っている『古代兵器』には少し興味がある。
もし使えるものなら、回収してウチの戦力に加えさせてもらおう。

「行くぞ、みんな。新しいお客さんのお出迎えだ」

俺たちは転移魔法で南の海岸へと飛んだ。



南の海岸線。
青い海原を埋め尽くすように、黒い船団が迫っていた。
先頭を行く旗艦『リヴァイアサン』は、全長三百メートルを超える巨大な魔導戦艦だ。
甲板には無数の魔導砲が並び、マストには巨大な蛇の紋章が翻っている。

「ヒャハハハ! 見ろよあの街を! 宝の山だぜ!」

旗艦のブリッジで、船団長である隻眼の男・バルボッサが高笑いしていた。
彼は『世界蛇』の幹部であり、残虐非道な海賊としても恐れられている。

「情報通りだ。あの城の地下には、古代兵器『巨人兵(タイタン)』の工房が眠っているはずだ。それを手に入れれば、我々は世界を支配できる!」
「船長! 前方に人影! 空を飛んでます!」

部下の報告に、バルボッサは望遠鏡を覗いた。
上空に浮かぶ、数人の男女。
俺たちだ。

「なんだありゃ? 観光客か? 構わん、撃ち落とせ!」
「アイアイサー! 主砲、発射!」

ドォォォォン!!

戦艦の主砲が火を噴いた。
巨大な魔力弾が、俺たちに向かって飛んでくる。
直撃すれば山一つ吹き飛ぶ威力だ。

「相変わらず、挨拶が物騒だな」

俺は片手をかざした。

「【魔力吸収(マナ・ドレイン)】」

シュゥゥゥ……。

俺の掌に触れる直前、魔力弾は急速に縮小し、最後は豆粒のような光になって消滅した。
俺の体内に魔力が還元され、心地よい満腹感が広がる。

「ごちそうさん。デザートには少し重いけどな」
「な、なにぃ!? 主砲を防いだだと!?」

バルボッサが驚愕する。
俺は拡声魔法で呼びかけた。

「よお、海賊さんたち。ここは俺の国だ。不法侵入は罪になるぞ」
「うるせぇ! 俺たちは『世界蛇』だ! 欲しいものは力ずくで奪う! 全艦、斉射! あいつらを蜂の巣にしろ!」

五十隻の船から、雨あられと砲弾が放たれる。
空を覆い尽くす弾幕。

「セレスティア、防げるか?」
「はい! 【聖域の盾(サンクチュアリ・シールド)】!」

セレスティアが翼を広げると、巨大な光のドームが出現した。
全ての砲弾が弾かれ、海面に落ちて水柱を上げる。

「硬ぇ! なんだあの盾は!」
「イグニス、お返しの時間だ」
「うむ! 海の上なら、遠慮なく燃やせるのう!」

イグニスが嬉々として前に出た。
深呼吸。
そして、

「【竜王・灼熱地獄(インフェルノ・ブレス)】!!」

ゴオオオオオオッ!!

海面を舐めるように炎が走った。
水蒸気爆発を起こしながら、炎の波が船団を襲う。
先頭の数隻が一瞬で火だるまになり、沈没していく。

「ぎゃああああ! 熱い! 海が燃えてる!」
「バカな! 水上だぞ!? なんで消えないんだ!」

「リナ、テツジンと一緒に遊んでこい」
「はーい! テツジン、ロケットパンチ!」

ズドォン!

テツジンの腕が発射され、別の船のマストをへし折る。
リナも流星群のような魔法を降らせ、甲板の海賊たちを薙ぎ払う。

「ひぃぃぃ! 化け物だ! 逃げろ!」
「ダメだ、舵が効かねぇ!」

圧倒的。
一方的な蹂躙劇だ。
彼らは古代兵器の力に頼りすぎて、個々の戦闘力がお粗末すぎる。

「くそっ……! こうなれば、奥の手だ!」

バルボッサが叫び、甲板の下から巨大な物体をせり出させた。
それは、古代の遺跡から発掘したという『海竜型自律兵器』だった。
金属でできた巨大な蛇のような姿。
目は赤く光り、口からは破壊光線をチャージしている。

「行け! リヴァイアサン・モドキ! あいつらを消滅させろ!」

「モドキかよ」

俺は苦笑した。
所詮は発掘品。メンテナンスもろくにされていないだろう。
俺の【解析眼】には、その兵器の弱点が丸見えだった。

「シルヴィア、あの蛇の首の下、第三関節を狙え。そこに制御核がある」
「了解です! 【聖剣技・閃光一閃】!」

シルヴィアが海面を蹴って跳躍した。
光の矢となって兵器に肉薄し、聖剣を一閃させる。

ズバッ!

正確無比な一撃。
兵器の首が綺麗に切断された。
制御を失った巨大な蛇は、火花を散らしながら海へと沈んでいった。

「お、俺の最強兵器が……一撃で……」

バルボッサは膝から崩れ落ちた。
彼の野望は、海の藻屑と消えた。

「さて、残りの船はどうするかな」

俺は上空から船団を見下ろした。
彼らは戦意を喪失し、白旗を掲げている。

「降参します! 命だけは!」
「財宝も全部置いていきます! 許してください!」

「わかった。命までは取らん。その代わり……」

俺はニヤリと笑った。

「その船、全部もらうぞ。あと、お前らは俺の国の『海運部隊』として働いてもらう」
「えっ?」
「ウチには海軍がなかったからな。ちょうどいい人材(と資材)が手に入ったよ。給料は出すから、真面目に働け」

こうして、『世界蛇』の武装商船団は、俺の国の『レント海運』として再就職することになった。
彼らの持っていた古代の知識や航海技術は、国の発展に大いに役立つだろう。
バルボッサも最初は抵抗したが、イグニスに「燃やすぞ?」と脅されてからは、忠実な船長として働くようになった。

陸だけでなく、海の戦力も手に入れた俺たち。
国作りは順調に進み、いよいよ世界に向けてその存在感を示し始めていた。

だが、そんな俺たちの前に、最後の、そして最大の試練が訪れようとしていた。
それは外敵ではない。
世界そのものの『理(ことわり)』を守る者たち。
『管理者』と呼ばれる超越的存在が、俺の度重なる「ルール違反(チート)」を問題視し、直接介入を決断したのだ。

空が割れ、光の階段が降りてくる。
そこから現れたのは、神々しい翼を持つ『神の使徒』たち。
彼らは俺に告げた。

『レント・シルバー。貴様の存在は世界の均衡を崩すバグである。直ちにその力を封印し、歴史から退場せよ』

神vs最強付与術師。
最終決戦の幕が上がる。

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