どうか、いかないで。
あの子がまた、笑えるように。(後編)
あれから愛海とわたしたちの戦いがはじまった。
愛海は毎日のように私や月華を殴って蹴って、私と月華のものを破いたり隠したりしたが
私も月華も動じなかった。
二人で乗り越えようと約束した。
そうして過ごした1週間。
ついにあの日がやってきた。
あの子が、自殺した日。
絶対に守ると約束した。
あの子は、私が守る。
______________________________________
放課後_
「今日は、早く帰ろう」
私は言った。
でも彼女は頑なに応じなかった。
「…私は予定があるの」
良くない予感がした。
どうしてだろうか。
彼女が死ぬ運命は避けて通れないのではないかと。
同じ道を通らなければいけないのではないかと。
「あんたは先に帰っていて。私きっと待たせると思うから。」
「いや、待ってるから。どこでなにがあるの?」
「大丈夫だから。」
そういって彼女は行ってしまう。
待って。お願い。
「待って!」
気づいたときにはもう口に出ていた。
急いで彼女の手首を掴む。
「何をする気?ねえ、だめだよ。何を…わたしたちは一緒に乗り越えるんでしょ!?」
「…もう、いいから。」
彼女はそう言って手首を振りほどき、小走りで去ってしまった。
彼女は何をするつもりなのだろう。
だめ、、お願い死なないで。
必死に彼女を探す。
恥さらしだけれど、そこを通りかかる生徒や先生全員に彼女の行方を聞いた。
「ああ、架園さん?たしか、理科室に…」
理科室…
理科室!!
あの子はやはり死ぬ気だ。
だめ。
だめ!
だめっ…!!!
だめっ理科室だけはっ…!
理科室だけは…
お願い、
もう、
死なないで。
私は勢いよく理科室の扉を開く。
「つきかーーーーーーーっ!!」
もう、あんたの名前、呼べるようになった。
つきかって読むんだって。
あんたが教えてくれたじゃん。
きれいだよね。
素敵な名前。
死なないでよ。つきか。
「さ…早紀!?どうして…」
彼女は眼の前でマッチを擦られそうになっていた。
ところどころ煤の後もある。
きっと今、私が来るまでにつけられたのだろう。
「大丈夫!?!?お願い、月華…死なないで!!」
そういうと愛海たちが口を挟む。
「お前らさあ…心底気に食わねえな。」
「友達ごっこじゃねーんだよ!」
そういって、私の胸ぐらを掴む。
「っ…」
その瞬間、愛海の手が離れた。
「いったっ…この…」
手を抑えている。
月華の震える手には、カミソリがあった。
「早紀、お願い、私を助けてくれるなら職員室に行って先生に言ってきて。その間に私がなんとかするから。」
月華の目は真っ直ぐだった。
「お願い。早紀。あんたにしか頼めない。」
こんなにだれかに頼られたことははじめてだったので、つい教室を出てしまった。
職員室に行ってしまった。
職員室で先生と交渉し、理科室に戻ろうとした、瞬間だった。
ドカンッ…と激しい、鈍い音がした。
地面が揺れた。
天井がパラッと落ちてきそうなくらいの。
月華は大丈夫だろうか。
月華は無事だろうか。
いや…
もしかしたら…
月華が…!!
月華が爆発を…!!!!
私はその日、理科室には戻れなかった。
先生が慌てて校内を周り、焦った様子で先生たちは生徒たちを即帰宅させた。
私も帰らされた。
頭は月華のことでいっぱいだった。
そして_________________________
もう二度と、月華に会うことはできなかった。
月華は、またしても自殺した。
愛海たちを道連れにして。
あの事故_そう、ガス爆発を起こしたのは月華らしかった。
即死だったそうだ。
後ほど見せてもらった遺書。
そこにはこう書かれていた。
早紀へ
これを読んでるってことは、私はもういないんだね。
あの日、靴が泥まみれになったときにあんたが声をかけてくれたとき、私は嬉しかった。
早紀が味方で嬉しかった。
ありがとう、早紀。
もう、安心して。これでうまくいった。もうあんたがいじめられることはない。
私は、ガス爆発で死にました。
どうしてか、知りたい?
あいつらは、私をいじめるのを辞める代わりに、早紀をターゲットに移すといった。
わたし聞いちゃったんだ。
それが嫌だったの。
やさしい早紀には、生きていてほしい。いじめなんかあってほしくない。
これから辛いこともあると思うけど、
私の分まで生きて。
月華
私は
ずっと泣いていた。
また助けられなかった。
また変えられなかった。
ごめんなさい…ごめんなさい。
ごめんなさいっ…
月華。
お願い。
どうか、いかないで…
私はあなたにまた、笑ってほしいんだ。
月華……
愛海は毎日のように私や月華を殴って蹴って、私と月華のものを破いたり隠したりしたが
私も月華も動じなかった。
二人で乗り越えようと約束した。
そうして過ごした1週間。
ついにあの日がやってきた。
あの子が、自殺した日。
絶対に守ると約束した。
あの子は、私が守る。
______________________________________
放課後_
「今日は、早く帰ろう」
私は言った。
でも彼女は頑なに応じなかった。
「…私は予定があるの」
良くない予感がした。
どうしてだろうか。
彼女が死ぬ運命は避けて通れないのではないかと。
同じ道を通らなければいけないのではないかと。
「あんたは先に帰っていて。私きっと待たせると思うから。」
「いや、待ってるから。どこでなにがあるの?」
「大丈夫だから。」
そういって彼女は行ってしまう。
待って。お願い。
「待って!」
気づいたときにはもう口に出ていた。
急いで彼女の手首を掴む。
「何をする気?ねえ、だめだよ。何を…わたしたちは一緒に乗り越えるんでしょ!?」
「…もう、いいから。」
彼女はそう言って手首を振りほどき、小走りで去ってしまった。
彼女は何をするつもりなのだろう。
だめ、、お願い死なないで。
必死に彼女を探す。
恥さらしだけれど、そこを通りかかる生徒や先生全員に彼女の行方を聞いた。
「ああ、架園さん?たしか、理科室に…」
理科室…
理科室!!
あの子はやはり死ぬ気だ。
だめ。
だめ!
だめっ…!!!
だめっ理科室だけはっ…!
理科室だけは…
お願い、
もう、
死なないで。
私は勢いよく理科室の扉を開く。
「つきかーーーーーーーっ!!」
もう、あんたの名前、呼べるようになった。
つきかって読むんだって。
あんたが教えてくれたじゃん。
きれいだよね。
素敵な名前。
死なないでよ。つきか。
「さ…早紀!?どうして…」
彼女は眼の前でマッチを擦られそうになっていた。
ところどころ煤の後もある。
きっと今、私が来るまでにつけられたのだろう。
「大丈夫!?!?お願い、月華…死なないで!!」
そういうと愛海たちが口を挟む。
「お前らさあ…心底気に食わねえな。」
「友達ごっこじゃねーんだよ!」
そういって、私の胸ぐらを掴む。
「っ…」
その瞬間、愛海の手が離れた。
「いったっ…この…」
手を抑えている。
月華の震える手には、カミソリがあった。
「早紀、お願い、私を助けてくれるなら職員室に行って先生に言ってきて。その間に私がなんとかするから。」
月華の目は真っ直ぐだった。
「お願い。早紀。あんたにしか頼めない。」
こんなにだれかに頼られたことははじめてだったので、つい教室を出てしまった。
職員室に行ってしまった。
職員室で先生と交渉し、理科室に戻ろうとした、瞬間だった。
ドカンッ…と激しい、鈍い音がした。
地面が揺れた。
天井がパラッと落ちてきそうなくらいの。
月華は大丈夫だろうか。
月華は無事だろうか。
いや…
もしかしたら…
月華が…!!
月華が爆発を…!!!!
私はその日、理科室には戻れなかった。
先生が慌てて校内を周り、焦った様子で先生たちは生徒たちを即帰宅させた。
私も帰らされた。
頭は月華のことでいっぱいだった。
そして_________________________
もう二度と、月華に会うことはできなかった。
月華は、またしても自殺した。
愛海たちを道連れにして。
あの事故_そう、ガス爆発を起こしたのは月華らしかった。
即死だったそうだ。
後ほど見せてもらった遺書。
そこにはこう書かれていた。
早紀へ
これを読んでるってことは、私はもういないんだね。
あの日、靴が泥まみれになったときにあんたが声をかけてくれたとき、私は嬉しかった。
早紀が味方で嬉しかった。
ありがとう、早紀。
もう、安心して。これでうまくいった。もうあんたがいじめられることはない。
私は、ガス爆発で死にました。
どうしてか、知りたい?
あいつらは、私をいじめるのを辞める代わりに、早紀をターゲットに移すといった。
わたし聞いちゃったんだ。
それが嫌だったの。
やさしい早紀には、生きていてほしい。いじめなんかあってほしくない。
これから辛いこともあると思うけど、
私の分まで生きて。
月華
私は
ずっと泣いていた。
また助けられなかった。
また変えられなかった。
ごめんなさい…ごめんなさい。
ごめんなさいっ…
月華。
お願い。
どうか、いかないで…
私はあなたにまた、笑ってほしいんだ。
月華……
「文学」の人気作品
書籍化作品
-
戻ってきた初恋はバラの香り~再会した御曹司の豹変ぶりに困惑しています~-
222
-
年下御曹司は白衣の花嫁と極夜の息子を今度こそ! 手放さない-
150
-
お久しぶりです。俺と偽装婚約してもらいます。~年下ワケあり生真面目弁護士と湯けむり婚前旅行~-
140
-
ガベージブレイブ【異世界に召喚され捨てられた勇者の復讐物語】-
550
-
どうにもならない社長の秘密-
769
-
【コミカライズ】堕ちた聖騎士さまに贈るスペシャリテ〜恋した人はご先祖さまの婚約者でした〜-
1
-
勇者の出番ねぇからっ!!~異世界転生するけど俺は脇役と言われました~-
147
-
チートあるけどまったり暮らしたい-
3395
-
転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~-
70818

コメント
コメントを書く