バッドエンドってなんですか、それはこっちのセリフですよ
第一話 新しい魔王となるために
魔王が勇者を討伐して30年あまり、世界は混沌と化していた
魔王は勇者たちとの戦いで女神の呪いを受け、魔王城に縛られ人間たちは勇者を失い
魔王を倒す手立てがなくなってしまった
「はいはい、何度も聞きましたよテーナー、それでお父様はお兄様と私に魔族の未来を託したのですよね」
「そうです。だからメーベル様とベーリエ様に魔族の未来がかかっているのです。今日も人間の魔族の歴史についてのお勉強を」
テーナーの話はためになるのはわかってるんだけど、さすがに何十年も聞いてると飽きるね
「わかってますよ、今の魔王軍が大ピンチだってことは、あ~あお父様はご健在ですけど、魔将軍バグゼット様や魔軍司令官のフリードリヒ様がいらっしゃればまだよかったですのに......勇者たちとの闘いの記録については何度も調べましたけど、いつも不思議に思ってて、なんでバグゼット様やフリードリヒ様はおひとりで勇者達と戦ったのですか?仲間と一緒に戦えばよかったのに」
「魔族には誇りがありますからね、魔族にとって戦いに負けて死ぬことは誇りなのです。相手の最大限の力を引き出して勝つ、それが」
「かっこいい、ですか。それで残された人にとっては迷惑な話ですよ」
尊敬しているお二方ですが今の状況を考えるとそこだけは不服です
「30年で変えられなかった魔王様や私たちに同じことを言いますか?」
「言いませんよ、未来で文句を言われないように今、私とお兄様ががんがるのでしょ」
っと、そうだ!今日はお父様に呼ばれてるんだった。
もしかしたらこの勉強地獄から抜け出せるかも!まったく30年も勉強なんてお父様もひどいことを......でもそれも今日でおしまい!になるのかもしれない
「テーナー、今日はお父様に呼ばれているからこの辺で終わりましょう?ね?」
「おっと、忘れていました!つい話し込んでしまいましたね。それではまた明日お願いします」
ふぅ~やっと終わった~
テーナーとは何年も一緒にいるのになんでか逆らえないのですよね
「お父様、ただいま参りました」
「うむ」
相変わらずお父様は威厳がすごい、、なんというかオーラ?みたいなのがでてるし
「それで、御用とは」
「単刀直入に言おう、メーベル、お前には次の王になってもらう」
え?い、今なんて?
「ど、どういうことでしょうか。次の王はお兄様ではないのでしょうか、どうして私が」
お兄様はとても優秀だ。かつて魔王軍をまとめ上げていた魔軍司令の代わりを務められるくらい賢く、魔王軍の再建に貢献している
それ比べて私はずっと引きこもって勉強勉強勉強.....何も貢献していません
「実はな、ベーリエは女神の呪いを受けている。我と同じでな」
お兄様が呪い?でも魔王城を出て視察に行ったこともあったし私と一緒にお城の外にも出たことがある
女神の呪いはないはず
「ですがお兄様は魔王城の外に出たことがあるではありませんか、呪いなんて」
「いいや、ベーリエの呪いは我を殺すための呪いだ」
「どういった呪いなのでしょうか」
まさかお兄様が操られてお父様を?
「奴は勇者なのだ、女神はとんでもなく性格が悪い呪いをかけたものだ。奴の魂は聖なる力によって守られ我に縛り付けた。そしてその魂は我の子となってしまったのだ」
お兄様が勇者シュヴァイツェ?でもそうだとしたらどうしてお父様はそのままにしているの?それにお兄様が呪いを受けているのなら私も
「そ、それでは私も呪いを」
「あの女神の誤算はお前だ、呪いを受けずむしろその力をものにした。だから今まで大事にしてきたのだ。万が一にも暗殺されてはいけないのでな。だがもうその心配もないだろう」
「私は勉強しかしていないのですよ?魔法の練習などはしましたが本当に私は大丈夫なのでしょうか」
「何を言っている、お前であれば今ここで我を殺すことも可能というのに、全く本当にメーベルが呪いを受けていなくてよかった」
さすがはお父様、私が秘密裏に習得した精神干渉魔法について知っていたのですね
心あるすべての相手に対して有効、テーナーがよき実験台になってくれたので
まぁそのせいでテーナーはすっかり壊れてしまったので代わりの実験台を試したからでしょうか
「さすがはお父様です。ですが私はお父様を殺すことはしませんよ。それよりもお兄様です。どうしてお父様はお兄様をそのままにしていたのですか」
勇者だとしたらどうしてそのままに、私と接するときはそんなこと.....
「我には奴を殺せなかったのだ生まれてすぐの我が子を殺せるほど、残忍にはなれなかった。これも女神の呪いのせいかもしれないな。そしてすでに魔王軍はやつに掌握されている」
あ、確かにお兄様はフリードリヒ様の代わりになるくらい優秀で、ん?
お兄様が勇者の生まれ変わりだとしたらどうしてそんなことを?お父様は魔王城から出られないとしたらいくらでも倒す手段はあるはず
「それでお父様は私に兄殺しをしろということでしょうか」
「それはメーベルに任せる。我が案じているのは王としてこの魔族の未来を託したいのだ。とは言っても手放しにするつもりはない。ヒントを与えよう、まずはなぜ魔族が人間に負けたと思う?」
魔族が負けた理由?
「神の存在でしょうか、魔族には寿命も魔力もありますが神がいません。加護を持った人間には勝てません。現に我々魔族は神に苦しめられてます」
人間たちの歴史には必ず神が付きまといます。自分たちに力がないからってほかの存在に依存するなんて何がいいのか理解できない
でもそのおかげで力を授けられているのだから愚かなのはどっちかわからないね
「そうだ、神の存在だ。魔族と人間の決定的な差。魔族には神が足りない、だが信仰心がない。この問題についてメーベルならどうする」
魔族たちに信仰心を付けさせる?もしくは人間たちに信仰心をなくさせる?
「人間たちを殺してしまえば神も消えますのでまずは一番人口の多い国を攻め落とします」
「いい答えだ。さすがは我の娘、次期魔王にふさわしい。だが少し座学をやらせ過ぎたみたいだな。まずは己を知り敵をすることが大事だ。そこでメーベルにはこの世界をめぐってほしい、まずは魔族、次いで人間の国もだ」
「人間の国、もですか」
「面白いぞ、人間は甘言に弱いからちょっとその気にさせたら簡単に人間を裏切る。そのまま魔族となるものもいるくらいだ」
引きこもりの娘にいきなり旅しろってひどい!
けど引きこもって勉強を続けるよりは面白そうだしまぁいいか
「承知しました、必ず魔族もお父様も私が救いますので、任せてくださいね」
私がお父様と話していると
バンっと扉が勢いよく開かれる
「あらお兄様、今は私とお父様がお話ししている最中ですよ」
「すまないメーベル、どうしても父上に、魔王に用があってだな」
いきなり問題発生ですね、お父様
魔王は勇者たちとの戦いで女神の呪いを受け、魔王城に縛られ人間たちは勇者を失い
魔王を倒す手立てがなくなってしまった
「はいはい、何度も聞きましたよテーナー、それでお父様はお兄様と私に魔族の未来を託したのですよね」
「そうです。だからメーベル様とベーリエ様に魔族の未来がかかっているのです。今日も人間の魔族の歴史についてのお勉強を」
テーナーの話はためになるのはわかってるんだけど、さすがに何十年も聞いてると飽きるね
「わかってますよ、今の魔王軍が大ピンチだってことは、あ~あお父様はご健在ですけど、魔将軍バグゼット様や魔軍司令官のフリードリヒ様がいらっしゃればまだよかったですのに......勇者たちとの闘いの記録については何度も調べましたけど、いつも不思議に思ってて、なんでバグゼット様やフリードリヒ様はおひとりで勇者達と戦ったのですか?仲間と一緒に戦えばよかったのに」
「魔族には誇りがありますからね、魔族にとって戦いに負けて死ぬことは誇りなのです。相手の最大限の力を引き出して勝つ、それが」
「かっこいい、ですか。それで残された人にとっては迷惑な話ですよ」
尊敬しているお二方ですが今の状況を考えるとそこだけは不服です
「30年で変えられなかった魔王様や私たちに同じことを言いますか?」
「言いませんよ、未来で文句を言われないように今、私とお兄様ががんがるのでしょ」
っと、そうだ!今日はお父様に呼ばれてるんだった。
もしかしたらこの勉強地獄から抜け出せるかも!まったく30年も勉強なんてお父様もひどいことを......でもそれも今日でおしまい!になるのかもしれない
「テーナー、今日はお父様に呼ばれているからこの辺で終わりましょう?ね?」
「おっと、忘れていました!つい話し込んでしまいましたね。それではまた明日お願いします」
ふぅ~やっと終わった~
テーナーとは何年も一緒にいるのになんでか逆らえないのですよね
「お父様、ただいま参りました」
「うむ」
相変わらずお父様は威厳がすごい、、なんというかオーラ?みたいなのがでてるし
「それで、御用とは」
「単刀直入に言おう、メーベル、お前には次の王になってもらう」
え?い、今なんて?
「ど、どういうことでしょうか。次の王はお兄様ではないのでしょうか、どうして私が」
お兄様はとても優秀だ。かつて魔王軍をまとめ上げていた魔軍司令の代わりを務められるくらい賢く、魔王軍の再建に貢献している
それ比べて私はずっと引きこもって勉強勉強勉強.....何も貢献していません
「実はな、ベーリエは女神の呪いを受けている。我と同じでな」
お兄様が呪い?でも魔王城を出て視察に行ったこともあったし私と一緒にお城の外にも出たことがある
女神の呪いはないはず
「ですがお兄様は魔王城の外に出たことがあるではありませんか、呪いなんて」
「いいや、ベーリエの呪いは我を殺すための呪いだ」
「どういった呪いなのでしょうか」
まさかお兄様が操られてお父様を?
「奴は勇者なのだ、女神はとんでもなく性格が悪い呪いをかけたものだ。奴の魂は聖なる力によって守られ我に縛り付けた。そしてその魂は我の子となってしまったのだ」
お兄様が勇者シュヴァイツェ?でもそうだとしたらどうしてお父様はそのままにしているの?それにお兄様が呪いを受けているのなら私も
「そ、それでは私も呪いを」
「あの女神の誤算はお前だ、呪いを受けずむしろその力をものにした。だから今まで大事にしてきたのだ。万が一にも暗殺されてはいけないのでな。だがもうその心配もないだろう」
「私は勉強しかしていないのですよ?魔法の練習などはしましたが本当に私は大丈夫なのでしょうか」
「何を言っている、お前であれば今ここで我を殺すことも可能というのに、全く本当にメーベルが呪いを受けていなくてよかった」
さすがはお父様、私が秘密裏に習得した精神干渉魔法について知っていたのですね
心あるすべての相手に対して有効、テーナーがよき実験台になってくれたので
まぁそのせいでテーナーはすっかり壊れてしまったので代わりの実験台を試したからでしょうか
「さすがはお父様です。ですが私はお父様を殺すことはしませんよ。それよりもお兄様です。どうしてお父様はお兄様をそのままにしていたのですか」
勇者だとしたらどうしてそのままに、私と接するときはそんなこと.....
「我には奴を殺せなかったのだ生まれてすぐの我が子を殺せるほど、残忍にはなれなかった。これも女神の呪いのせいかもしれないな。そしてすでに魔王軍はやつに掌握されている」
あ、確かにお兄様はフリードリヒ様の代わりになるくらい優秀で、ん?
お兄様が勇者の生まれ変わりだとしたらどうしてそんなことを?お父様は魔王城から出られないとしたらいくらでも倒す手段はあるはず
「それでお父様は私に兄殺しをしろということでしょうか」
「それはメーベルに任せる。我が案じているのは王としてこの魔族の未来を託したいのだ。とは言っても手放しにするつもりはない。ヒントを与えよう、まずはなぜ魔族が人間に負けたと思う?」
魔族が負けた理由?
「神の存在でしょうか、魔族には寿命も魔力もありますが神がいません。加護を持った人間には勝てません。現に我々魔族は神に苦しめられてます」
人間たちの歴史には必ず神が付きまといます。自分たちに力がないからってほかの存在に依存するなんて何がいいのか理解できない
でもそのおかげで力を授けられているのだから愚かなのはどっちかわからないね
「そうだ、神の存在だ。魔族と人間の決定的な差。魔族には神が足りない、だが信仰心がない。この問題についてメーベルならどうする」
魔族たちに信仰心を付けさせる?もしくは人間たちに信仰心をなくさせる?
「人間たちを殺してしまえば神も消えますのでまずは一番人口の多い国を攻め落とします」
「いい答えだ。さすがは我の娘、次期魔王にふさわしい。だが少し座学をやらせ過ぎたみたいだな。まずは己を知り敵をすることが大事だ。そこでメーベルにはこの世界をめぐってほしい、まずは魔族、次いで人間の国もだ」
「人間の国、もですか」
「面白いぞ、人間は甘言に弱いからちょっとその気にさせたら簡単に人間を裏切る。そのまま魔族となるものもいるくらいだ」
引きこもりの娘にいきなり旅しろってひどい!
けど引きこもって勉強を続けるよりは面白そうだしまぁいいか
「承知しました、必ず魔族もお父様も私が救いますので、任せてくださいね」
私がお父様と話していると
バンっと扉が勢いよく開かれる
「あらお兄様、今は私とお父様がお話ししている最中ですよ」
「すまないメーベル、どうしても父上に、魔王に用があってだな」
いきなり問題発生ですね、お父様
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