須美と結香の日常

9月25日。結香は登校した。精華女学院は初等部から高等部まである。A組には親友の桂木麻由がいるが、お母さんの有花さんが美人だけど煮えきらない。せっかく旦那さまの脩さんと敬お兄ちゃんが対戦を望んでるのにもったいないなぁ。「有花さんはピチピチなのに。何が不満なのかな？」「お母さんはビビリだからね。単純に世界線を超えるのが怖いのよ」「じゃあ麻由は？」「私は平気。お兄さまがきっと優しくはぐくんでくれるからね」私たちは[ブルマー離れ]を勧められ、体育の時間以外履いていない。これからの季節は大変だが、私たちは楽観的。だっていずれ異世界でお兄ちゃんと暮らすんだもの。お母さんがお父さんしか頭にないのと同じ。私たちは実の兄以外を異性として見なかった。いつまでもクマさんパンツじゃ永遠に妹から卒業できないからね。お母さんも怖がりだけど愛の力は偉大だわ。リアルで近親相姦はムリだけど異世界なら叶えてくれる。これまで私たちはずっと痛い人として扱われてきた。リアルで純愛を貫くのは簡単じゃなかった。でも久々に届いた手紙には感激しちゃった。お母さんがお父さんと結ばれるのは当然だけどね。お兄ちゃんはついに私を幼な妻に迎える決意を固めたのだ。異世界では満10歳以上なら婚姻できるからね。ただそのためには私たちの参戦が不可欠だし、プライベートビデオだってホームビデオじゃダメみたい。お母さんとの合作は赦されないし、私自身の色香を見せないといけない。かと言ってフルヌードは不可。でも果たして4時間から6時間も撮れるのかな？「ねえ麻由。プライベートビデオの撮影に協力して」「いいよ。私なんかでよければ」「よかったぁ」その代わり麻由がプライベートビデオを撮る時に私が協力することが決められた。参戦までまだまだ日数があるからきっと大丈夫。でも私たちだけの参戦はちょっぴり不安。やっぱり麻由たちを誘って4人グループを結成したい。「ねえ麻由。グループ名決めようよ」「そうね」私たちは[リリカルナイツ]に決まった。後は麻由たちを誘って参戦し、アイドル戦士を目指すだけね。ただちょっぴり物足りないのは私たちがエッチなコスチュームを求められなかった点。「いやさすがに颯お兄ちゃんはそこまでしないでしょ」「でも殿方が私たちにエッチなコスチュームを求めてくるのは当然でしょ？」「そ、そうかなぁ」「お母さんだって落ち込んでたよ」「いやさすがにソレはおかしいよ結香」「いや私たちは正常だよ」私たちは昼休み中ずっと激論を交わしたが、結論は出なかった。「まず有花さんを説得しなきゃ」「お母さんは何かないと絶対に動かないからね」私は麻由の自宅に行き、有花さんに話を聞いた。すると女流作家の彼女は創作に限界を感じていた。「今どき歴史モノを書いても受けないのよ」「それなら官能小説を書いたらどうですか？」「悪くないアイデアね」私は官能小説から本格的な作家に転身する人が多いと話した。有花さんには特異な実体験がなく、夫以外に男を知らない。「参戦すればネタもできるし特異な実体験が積めるはずです」「確かにね」私はそれ以上ゴリ押しせずに帰宅した。「あんなに美人なのにもったいないよね」「私もビビリだから人のこと言えないわ」でもお母さんは決断した。かと言って有花さんが劣ってるわけじゃない。事務員にラインで相談したら「人それぞれ時が違う」と諭された。「須美さんと有花さんは似たタイプかも知れないけど。それぞれ立ち上がる時があるの」「同じにはできないの？」「まだまだ日数があるし。たまたま一致する可能性もあるわ」「そうなんだ」違うタイミングで参戦すれば不安に駆られるし、必ずしもスムーズに運ぶとは限らない。私たちは再教育を施され、それで足並みが揃ったりするかもしれない。でもそんなにすんなりいくのかな？あの世は娯楽も出逢いも乏しいからお兄ちゃんたちは荒んでるかもしれない。たぶん闇落ちまではしてないと思うけど。でもソレは出逢うまでわからないわ。私たちは[参戦の手引]を見た。ビデオ教材だが要点が簡潔にまとめられてる。異性の殿方はイチモツや玉袋が熱を帯びるが、火傷する恐れはない。精液は生臭い匂いがせず舐めると甘い。ヤシの実の果汁みたいな味がする。魔法戦士は世界線を超えると飲み物しか摂取できない。精神体はハードなプレイに耐えられないが、故人は精神だけなので性の相性が抜群。殿方には節度があり、勝っても凌辱したりしない。降参の手順は彼らの前で片ひざをつき「私は貴方に従うわ」とか「私は貴方に従属するわ」と言うだけ。その後は武装解除が迅速に行われ、私たちは彼らに付き従う。だが中出しはされず孕まされはしない。処女の女の子は破瓜の痛みがなく処女のまま留め置かれる。クリトリスの皮を剥いたり後ろの穴を開発する行為は禁じられたが、後ろの穴を指でトントンノックする行為は認められた。