第十六章 盲鬼

どの方がこんな状況に遭遇したことがあるか分かりません。
私が経験した人やことの中で、かなりの数の人が遭遇していますが、あまり気にしていませんでした。だから今この状況を話して、これから皆さんが警戒していただければと思います。
2007年、私の依頼人の一人が慌てて私にやってきました。私がドアを開けた瞬間、彼はバタンと私の前にひざまずき、ずっと繰り返し「妻を救ってください」と言っていました。私はこんな大きな礼を受けることがありませんでした。彼を起こしてから、やっと彼に事情をゆっくり語ってもらいました。
彼は妻が魔物に取り憑かれたと言いました。魔物に取り憑かれるということは、私の考えではいろいろな可能性があります。だから彼に妻の状況をもっと詳しく説明してもらおうとしました。
彼は自分が営業職で出張が多く、妻が一人で家にいるのが心配だったので、出張中は毎晩電話をして話をしていたと言いました。しかしある日、電話の向こうで妻が突然分からない言葉を口にし、口調も話すスピードも違って、とても不思議だったと言います。
いつも彼の質問には答えず、別のことを言うばかりでした。この男性はすぐに義母に家に来て妻を世話を頼み、自分はすぐに一番早い飛行機のチケットを予約して重慶に帰りました。
家に戻り、ドアを開けると、妻の様子にびっくりしました。表情が憔悴し、目がくつろいでいましたが、髪の毛はすらすらと整っていました。義母は泣きながら娘が他人の魂に取り替えられ、他の女性の幽霊が娘の体を占拠していると言い、男性にすぐに除霊の人を呼ぶように求めました。男性はいろいろなところで聞き回り、やっと私のところにたどり着きました。
私は話を聞いて納得いかない思いになりました。以前もいくつか魔物に取り憑かれたことがありましたが、その原因はいつも何らかの手がかりがありました。だからその男性にもっと詳しく話して欲しいと頼みました。
私は彼に、妻の変化の前の何度かの電話で、妻が何を言ったのか、何か不思議な現象はなかったか尋ねました。男性は最初はあまり覚えていない、ただ雑談をしていただけだと言い、その後、考え込んでしばらくして、あることがちょっとおかしかったかもしれないと言い始めました。
妻が魔物に取り憑かれる数日前の夜、夫婦で電話で雑談をしているとき、妻が彼にこんな状況を話したそうです。（以下の状況に遭遇した方は慌てないでください。遭遇していない方もこれから遭遇したときには気をつけてください。）彼は、ある夜、妻が彼にあることを話したと言います。昼食後、妻は家でテレビを見ていて、ノックの音が聞こえたそうです。
妻は「誰ですか？」と尋ねました。
誰も答えませんでした。
しばらくすると、再びノックの音がしました。妻はまた「誰ですか？」と尋ねました。
女性の声が答えました。「私です。」
妻はこの声が果たして誰のものか区別できなかったので、起きて猫目穴から見たところ、まだ誰もいないことがわかった。
そこで、あまり気にせず部屋に戻った。彼がこれらを話した後、私はひそかに息を呑んだ。まだ確定できないが、この家の女性がおそらくそのもの、盲目の幽霊に出会ったのではないかと推測した。
盲目の幽霊は非常に奇妙な亡霊で、通常何の目的もなく、選ぶ家もランダムである。
彼らは人のドアをノックするのが好きで、主人が誰だと尋ねると、「私」と答える。この状況は多くの人が経験したことがあると思うが、ほとんどの場合、盲目の幽霊は部屋に入らない、あるいはただいたずらが好きなだけである。
この男が出会った部屋に入る盲目の幽霊について、私は生涯3回しか出会ったことがない。前の2回は師匠に習いながら出会ったもので、もし盲目の幽霊と世帯主が質問と回答を行ったら、まるで互いに何かのつながりを築いたかのように、その隙をついて部屋に入ることができる。少し愚かなものはちょっとあちこち回ってから勝手に出ていくが、賢いものや再び人間になりたいものは、主人の体に憑りつく。男女を問わない。
盲目の幽霊の行動は、師匠のノートによると、往生の途中で何となく迷い込んだ魂で、つまり本来は行くべき場所に導かれていたのに、なぜか方向を見失い、どんどん深くはまってしまう。一部は迷った後すぐに道を見つけるが、一部は世の中に放浪し、他人を災いに遭わせる。
私は男に彼の家に連れて行って、彼の妻を見てみたいと言った。男が承諾した後、私は様々な道具を持って出発の準備を始めた。すると、男が突然私に「道服とか着替えないの？」と尋ねた。私は最初一瞬びっくりした後、笑いながら、私は道教でも仏教ではなく、田舎では神事を行う者で、都会では私たちを尊敬する人は「師匠」と呼び、尊敬しない人は「神棍」と呼ぶ。それに、私たちは普段の服装は一般人と同じだと言った。
この男の家は重慶の大渡口にあり、私は江北に住んでおり、比較的遠い。彼が車で帰る途中、ずっと私に彼の妻を救ってくれるようお願いしていた。私は実際の状況を見る前は誰にも何の約束もしない。この世界には未知のものがたくさんあり、私は神ではない。ただ学んだ少しの玄門の術を頼りに人々の災いを消し、困難を避けることができるだけだ。私たちを神のように思う人は、ただ私たちのこの技術を身につけていないだけだ。
まるで私が車の修理が分からないように、私の車が故障したとき、車の修理工は私の神様で、4S店は私のお寺のようなものです。彼の家に着いたら、彼の義母がソファに座って、心配そうな目で娘を見つめていました。
男の人の妻もソファに座って、つけられていないテレビを見つめ、首を振りながら独り言を言っていました。男の人はとても焦っていました。私は男の人をそばに引っ張り、彼に妻と話しかけてみるように言いました。男の人は妻のそばにしゃがんで、長い間話しましたが、やっと妻がまったくつながりのない言葉を口にしました。「行って、私にも2斤くれ！」
私は雲南人だとすぐに分かりました。その口調から大理辺りの人だと確信できました。私は再び男の人を呼び寄せ、自分の判断を告げました。男の人はとても焦って、私にどうしたらいいか尋ねました。私は彼に焦らないように言い、まずはこの大理の女の魂を彼の妻の体から追い出さなければならないと言い、その後これからどうすればいいか教えると言いました。
私は彼の家のドアを開け、入り口にコップを置き、コップに3本の線香を立てました。ドアを半開きにし、赤い紐でドアを1周巻き、ドアの取っ手にも巻いて結びました。そして私は師匠に電話をかけ、大理の地元で子供を脅す地元の言葉の発音を教えてもらいました。
その言葉を男の人に教えました。私は彼に、線香の香りがするとき、女の人の後頭部のところで大声でこの言葉を叫ぶように注意しました。
私はずっと入り口に立って、ドアを引っ張っていました。しばらくすると、男の人が私に香りがすると合図しました。私は彼にうなずき、叫んでもいいという合図をしました。
彼がたくさん勇気を出して大声で叫んだのがわかりました。女の人は最初はびっくりし、すぐにソファに倒れました。私も何かが高速で移動して風が私に当たる感じがしました。コップの中の線香を見ると、煙の向きが大理の女の魂がドアを出たことを示していました。私はコップを蹴り倒し、急いでドアを閉めました。
たぶん錯覚かもしれませんが、ドアを閉めた後、冷やかしたような「ヘッ」という笑い声が聞こえたような気がしました。魂は追い出されましたが、女の人はまだ目を覚ましていません。私は男の人に人中をつまんでやるように言いました。やっと女の人が目を覚ましました。
幸いにも彼女はその間のことを覚えていませんでした。彼女の記憶は憑依される前のままでした。男の人は彼女に魔物に憑かれたことを告げ、あの日の奇妙なノックの事件が原因だと言いました。私はその家族全員に、これから玄関に神様を祀らないように言い、福神や竈神、関公様も少し離れたところに移し、神像を玄関に向けるようにしました。そうしないと通りすがりの鬼が線香を盗んで食べに来るかもしれません。
そしてこれからまた誰かがノックしたとき、「誰ですか」と尋ね、「私」と答えたら、声が分からない場合はもう一度「あなたは誰ですか」と尋ねましょう。いくつかの知難而退する者はこれで黙り込むでしょう。とにかく、万事には気をつけることが大切です。
目の不自由な鬼は人命を傷つけませんが、やはり人々の生活に影響を与えます。たくさんの人が憑依という問題を持ち出しています。憑依に対処する最も簡単な方法は魂を脅すことですが、前提は本当に憑依されているのか、単なるぼんやりしているのかを確認しなければなりません。そうでないと人が人を脅して怖がらせることになり、死人を出すかもしれません。決して無謀に試さないでください。
この機会にもう少し言いたいことがあります。私は学歴が低く、科学の知識もあまり持っていません。しかし科学で証明できないものについて、迷信だと言う人が必ずいます。私は誰かに私の言うことを信じてもらおうとは思っていません。皆さんは頭があり、自分で判断できます。
思想はいったい心から来るのか、脳から来るのか？人間の感情が豊かであることが、魂を持っている最善の証拠です。
私の机の上にある茶碗は円柱状ですが、誰が知っているでしょうか。私の目に映る円柱状があなたにとって私と同じ認識であるかどうか。
人間は自分自身を証明することしかできません。一人一人は独立して存在し、ユニークです。私は輪廻を見たことがないので、輪廻については言及しませんが、私はそれを中傷したり否定したりはしません。
まさにあなたが幽霊を見たことがないように。
ただ、私は本当にデータ理論に頭が一杯の人たちに尋ねたいです。本当に小さいころから不思議なことを一度も遭遇したことがないのですか？
以上は私個人の考えです。皆さん各自で考えてください。私は弟子を受け入れません。私ができることはこれだけです。
たくさんの友達が読んで怖がったと言っています。
ここで皆さんに約束します。最初に言った通り、幽霊はめったにいないし、ほとんど無害です。
だから皆さん心配する必要はありません。
心の底が強い人は、幽霊も敬遠します。
彼らもかつて人間であったことを忘れないでください。