サーヴァント・ウォーズ
3話
──風が吹き抜ける。青空が視界いっぱいに広がる。
生徒は立ち入り禁止の屋上に、少年少女の姿があった。
「えっと……二年二組の、小鳥遊 雲雀だよな?」
「そうよ。よく知ってるわね?」
当然だ。高校の入学式で唯一金髪──そして、日本人離れした美貌。日本人とドイツ人のハーフ。それが、小鳥遊 雲雀。
といっても、逸騎が雲雀の事を一方的に知っているだけだが。
「それで? 俺に何の用だ?」
「……そうね。回りくどいのは嫌いだし、単刀直入に言うわ」
雲雀の切れ長い目が、逸騎を見据えた。
「──あなた、『サーヴァント・ウォーズ』のプレイヤーね?」
──なんで知ってるんだ?
結愛以外には誰にも話していない。それに、かなりのゲーマーである結愛ですら、『サーヴァント・ウォーズ』を知らなかった。
なのに──そんなマイナーなゲームの名前を、それも逸騎が『サーヴァント・ウォーズ』について知っていると、なんで知っているんだ?
「誤魔化しても無駄よ。『サーヴァント・ウォーズ』のプレイヤーは引かれ合うの。私は、あなたが『サーヴァント・ウォーズ』のプレイヤーだと確信してる。昨日までは何とも無かったあなたに、私は急に引かれた──それが、あなたがプレイヤーである証拠よ」
言いながら、雲雀がバッと虚空に手を伸ばした。
──雲雀の右手に、光が集まっていく。
右手が見えなくなるほどに光が収束し──光が晴れた時、その手にはプラスチック製のデッキケースが握られていた。
「──は……?」
「その様子だと、まだ一回もウォーズをしていないみたいね。なら、こっちとしても都合がいいわ。あなたも構えなさい。あなたに『サーヴァント・ウォーズ』の厳しさを教えてあげるわ」
──ズシッと、逸騎の右手が何かを握った。無意識だ、逸騎は何かを握ろうとしたつもりはない。というか、自分は何を握っている?
視線を向けると──逸騎の右手に、デッキケースが握られていた。『サーヴァント・ウォーズ』のデッキケースだ。
「は……? なんで……? さっき坂本先生に没収されたはずじゃ……?」
「さっき言ったでしょう。『サーヴァント・ウォーズ』を持つプレイヤーは引かれ合う、って。私のデッキに、あなたのデッキが応えたという事よ──早く構えなさい。自分の願いを叶える事──それがどれだけ大変な事か、教えてあげるわ」
──何を言ってるんだ、コイツは。
理解不能、ただただ意味不明だ。それに、逸騎の反応が危険だと訴えてくる。
逸騎は制服のポケットにデッキケースを入れ込み──雲雀に背を向けた。
「悪いけど、意味がわからん。とりあえず、一旦教室に帰らせてくれ」
「待ちなさい。あなた初心者でしょう。『サーヴァント・ウォーズ』を手にしたという事は──」
「ごめんけど、明日にしてくれ。とりあえず今は、教室に帰らせてくれよ」
屋上から立ち去る逸騎。どこか心配そうに、雲雀は逸騎の後ろ姿を見つめ続けた。
──────────────────────
「──ったく……何なんだよ、これ……!」
──放課後。部活動生が頑張っているであろう時間帯。
帰路を辿る逸騎は、通学鞄に入っている『サーヴァント・ウォーズ』のデッキケースを見て眉を寄せた。
──いくら捨てようとしても、無駄だった。トイレに置いても、校舎の窓から外に投げても、帰る前に机の引き出しの中に入れたままにしても。
このデッキケースは──気が付いたら、逸騎の手に握られていた。
「チッ……! とりあえず──」
──考え事をするなら、あそこがいい。
通学鞄を閉め、逸騎は歩みを早める。
「『サーヴァント・ウォーズ』……50連勝すれば、願いが叶う……」
自分で言いながら、逸騎は苦笑を漏らした。
──たかがカードゲームで勝つだけで、自分の願いが叶う? バカにしているのか?
「その程度で願いが叶うなら、俺は悩んでねぇんだよ……」
歩みをさらに早め、逸騎は複雑に表情を歪ませた。
──カードゲームで勝つ? 50連勝すれば願いは叶う?
ゲームで連続して勝てば願いが叶うなんて……その程度の事で、たかがゲームで俺の願いが叶うなんて──
「ん……」
いつの間にか、河川敷に着いていた。
──夕焼けが水面をキラキラと反射している。見慣れているのに、どこか幻想的とも言える光景を前に、逸騎はベンチに腰掛けた。
……何をしているのだろうか、俺は。早く家に帰ればいいのに、こうして時間を潰している。
それもこれも──『サーヴァント・ウォーズ』の願いを叶えるという文字が原因だ。
「願いが叶う、ねぇ……」
──仮に、もしも。
「もしも……本当に願いが叶うのなら──」
脳裏に蘇る、幼き日の思い出。
あの思い出を……あの幸福を、あの日々を取り戻せるのなら──
「俺は──」
──何を犠牲にしても、どんな代償を支払う事になったとしても。
「──あの日々を、取り戻したい」
「ウォーズッッ!!」
背後から、大声が聞こえた。
慌てて振り向くと──そこには、30代ほどの男性の姿が。
「──ぁ……」
男性の手から、何か四角い物体が投げられている。
よく見るとそれは、逸騎の持っている『サーヴァント・ウォーズ』のデッキケースと酷似していた。
──カツンッと、男の投げたデッキケースが地面に触れる。
瞬間──男と逸騎を取り囲むように、巨大な結界が現れた。
「──は……? なん、だ……これ……?」
「構えろ、少年。ウォーズを始めるぞ」
──視界が変だ。黒い結界の中にいるのに、全てハッキリ綺麗に見える。
何がどうなってこうなった? 自分の視界がおかしくなったのか?
そんな事を考える逸騎──ふと、とある文字を思い出した。
──基本的な情報。
ウォーズ──戦いの事。ウォーズと言いながらデッキケースを地面に投げる事で、ウォーズが始まります。
この黒い結界が現れる直前、逸騎の耳にはウォーズという言葉が聞こえた。
という事は、つまり──
「『サーヴァント・ウォーズ』の戦い……」
男の目の前に、台座が現れる。
よく見ると、台座には縦二列、横四列の四角形が刻まれていた。
「やはり初心者か……まあいい。早く構えろ」
台座に手を置く男は、逸騎を待っている。
──願いが叶う?
本当に願いが叶うのか? この男に『サーヴァント・ウォーズ』で勝ち、そうして50連勝すれば──逸騎の願いが叶うのか?
それを確かめる方法なんて、一つしかない。
即ち──『サーヴァント・ウォーズ』を勝ち抜く。
「──はぁ……」
願いが叶う? ああ、確かに逸騎には願いがある。
その願いが叶うのであれば、何かしらの犯罪を犯してもいいという覚悟だ。まあ、犯罪を犯してもどうにもならない事だから、逸騎はほぼほぼ諦めていたのだが。
その願いが、逸騎が諦めた願いが、絶対に実現不可能だと思っていた願いが、もしも叶うのであれば──
「──ウォーズッッ!!」
──受けてやる、この戦いを。荒唐無稽な話でも。意味不明なままだとしても。
あの日々を取り戻せるのなら──俺は、他の全てを諦めると決めたのだから。
「くははッ! そうこなくてはッ!」
男の表情が笑みに変わった──直後、逸騎の投げたデッキケースが地面に突き刺さる。
デッキケースは光の粒子となって消え──逸騎の足元が揺れ、四角形の台座が現れた。
「これが、『サーヴァント・ウォーズ』……」
逸騎の前に現れた台座にも、縦二列、横四列の四角形が刻まれている。
よく見ると、下列の一番右端にはカードが積まれている。おそらく、これがデッキなのだろう。
逸騎は再び、説明書きに書かれていた内容を思い出す。
──フィールド。
召喚ゾーン──サーヴァントが召喚される場所です。召喚ゾーンには、3枚のサーヴァントカードしか存在できません。
設置ゾーン──セットカードを設置する場所です。設置ゾーンには、3枚のセットカードしか設置できません。
破壊ゾーン──戦闘や効果で破壊されたカードが置かれる場所です。
召喚ゾーン、設置ゾーンに置けるカードは三枚。だが、四つ目の場所にデッキが積まれている。
という事は──ほとんど逸騎の勘だが、デッキの上にある四角形が、破壊ゾーンなのだろう。
「先攻はオレが貰う! ドロータイム! カードをドローッ!」
デッキからカードを引く男。ニヤッと笑みを浮かべ、男は台座にカードを叩き付けた。
「オレは手札から、『見習い魔法使い』を攻撃形態で召喚ッ!」
──地面から、光の粒子が浮き上がる。
輝く粒子は一カ所に固まり──光が晴れた時、そこには幼い少女の姿があった。
「そして手札からスペシャルカード、『魔法使いの導き』を発動ッ!」
男がカードを天に掲げた──瞬間、少女の体が輝き始めた。
「このスペシャルカードは、自分フィールドに『魔法使い』と名の付くサーヴァントが存在する時に発動できるッ! フィールドの『魔法使い』と名の付くサーヴァントを破壊ゾーンに送る事で、手札から中級サーヴァントを召喚権を使用せずに召喚できるッ!」
少女の体が光に包まれ──光が輪っかとなった。
「来いッ! 『ベテラン・ウィッチ』ッ!」
──輪っかの中から、白い女性が現れた。
髪も瞳も服も白い女性。ヴヴッと、女性の横に数字が表示された。
ATK 2500 DEF 1000 攻撃形態──自分の手札では到底敵わないサーヴァントを見て、逸騎は顔をしかめた。
「互いに最初のターンは攻撃できない。オレはセットカードを一枚設置ゾーンに置き、エンドタイムだ」
エンドタイム──相手がエンドタイムを宣言すれば、自分のターンになる。
カードの山に目を向け、逸騎はギロッと男を睨み付けた。
「──やってやる」
言いながら、逸騎はデッキからカードを引いた。
生徒は立ち入り禁止の屋上に、少年少女の姿があった。
「えっと……二年二組の、小鳥遊 雲雀だよな?」
「そうよ。よく知ってるわね?」
当然だ。高校の入学式で唯一金髪──そして、日本人離れした美貌。日本人とドイツ人のハーフ。それが、小鳥遊 雲雀。
といっても、逸騎が雲雀の事を一方的に知っているだけだが。
「それで? 俺に何の用だ?」
「……そうね。回りくどいのは嫌いだし、単刀直入に言うわ」
雲雀の切れ長い目が、逸騎を見据えた。
「──あなた、『サーヴァント・ウォーズ』のプレイヤーね?」
──なんで知ってるんだ?
結愛以外には誰にも話していない。それに、かなりのゲーマーである結愛ですら、『サーヴァント・ウォーズ』を知らなかった。
なのに──そんなマイナーなゲームの名前を、それも逸騎が『サーヴァント・ウォーズ』について知っていると、なんで知っているんだ?
「誤魔化しても無駄よ。『サーヴァント・ウォーズ』のプレイヤーは引かれ合うの。私は、あなたが『サーヴァント・ウォーズ』のプレイヤーだと確信してる。昨日までは何とも無かったあなたに、私は急に引かれた──それが、あなたがプレイヤーである証拠よ」
言いながら、雲雀がバッと虚空に手を伸ばした。
──雲雀の右手に、光が集まっていく。
右手が見えなくなるほどに光が収束し──光が晴れた時、その手にはプラスチック製のデッキケースが握られていた。
「──は……?」
「その様子だと、まだ一回もウォーズをしていないみたいね。なら、こっちとしても都合がいいわ。あなたも構えなさい。あなたに『サーヴァント・ウォーズ』の厳しさを教えてあげるわ」
──ズシッと、逸騎の右手が何かを握った。無意識だ、逸騎は何かを握ろうとしたつもりはない。というか、自分は何を握っている?
視線を向けると──逸騎の右手に、デッキケースが握られていた。『サーヴァント・ウォーズ』のデッキケースだ。
「は……? なんで……? さっき坂本先生に没収されたはずじゃ……?」
「さっき言ったでしょう。『サーヴァント・ウォーズ』を持つプレイヤーは引かれ合う、って。私のデッキに、あなたのデッキが応えたという事よ──早く構えなさい。自分の願いを叶える事──それがどれだけ大変な事か、教えてあげるわ」
──何を言ってるんだ、コイツは。
理解不能、ただただ意味不明だ。それに、逸騎の反応が危険だと訴えてくる。
逸騎は制服のポケットにデッキケースを入れ込み──雲雀に背を向けた。
「悪いけど、意味がわからん。とりあえず、一旦教室に帰らせてくれ」
「待ちなさい。あなた初心者でしょう。『サーヴァント・ウォーズ』を手にしたという事は──」
「ごめんけど、明日にしてくれ。とりあえず今は、教室に帰らせてくれよ」
屋上から立ち去る逸騎。どこか心配そうに、雲雀は逸騎の後ろ姿を見つめ続けた。
──────────────────────
「──ったく……何なんだよ、これ……!」
──放課後。部活動生が頑張っているであろう時間帯。
帰路を辿る逸騎は、通学鞄に入っている『サーヴァント・ウォーズ』のデッキケースを見て眉を寄せた。
──いくら捨てようとしても、無駄だった。トイレに置いても、校舎の窓から外に投げても、帰る前に机の引き出しの中に入れたままにしても。
このデッキケースは──気が付いたら、逸騎の手に握られていた。
「チッ……! とりあえず──」
──考え事をするなら、あそこがいい。
通学鞄を閉め、逸騎は歩みを早める。
「『サーヴァント・ウォーズ』……50連勝すれば、願いが叶う……」
自分で言いながら、逸騎は苦笑を漏らした。
──たかがカードゲームで勝つだけで、自分の願いが叶う? バカにしているのか?
「その程度で願いが叶うなら、俺は悩んでねぇんだよ……」
歩みをさらに早め、逸騎は複雑に表情を歪ませた。
──カードゲームで勝つ? 50連勝すれば願いは叶う?
ゲームで連続して勝てば願いが叶うなんて……その程度の事で、たかがゲームで俺の願いが叶うなんて──
「ん……」
いつの間にか、河川敷に着いていた。
──夕焼けが水面をキラキラと反射している。見慣れているのに、どこか幻想的とも言える光景を前に、逸騎はベンチに腰掛けた。
……何をしているのだろうか、俺は。早く家に帰ればいいのに、こうして時間を潰している。
それもこれも──『サーヴァント・ウォーズ』の願いを叶えるという文字が原因だ。
「願いが叶う、ねぇ……」
──仮に、もしも。
「もしも……本当に願いが叶うのなら──」
脳裏に蘇る、幼き日の思い出。
あの思い出を……あの幸福を、あの日々を取り戻せるのなら──
「俺は──」
──何を犠牲にしても、どんな代償を支払う事になったとしても。
「──あの日々を、取り戻したい」
「ウォーズッッ!!」
背後から、大声が聞こえた。
慌てて振り向くと──そこには、30代ほどの男性の姿が。
「──ぁ……」
男性の手から、何か四角い物体が投げられている。
よく見るとそれは、逸騎の持っている『サーヴァント・ウォーズ』のデッキケースと酷似していた。
──カツンッと、男の投げたデッキケースが地面に触れる。
瞬間──男と逸騎を取り囲むように、巨大な結界が現れた。
「──は……? なん、だ……これ……?」
「構えろ、少年。ウォーズを始めるぞ」
──視界が変だ。黒い結界の中にいるのに、全てハッキリ綺麗に見える。
何がどうなってこうなった? 自分の視界がおかしくなったのか?
そんな事を考える逸騎──ふと、とある文字を思い出した。
──基本的な情報。
ウォーズ──戦いの事。ウォーズと言いながらデッキケースを地面に投げる事で、ウォーズが始まります。
この黒い結界が現れる直前、逸騎の耳にはウォーズという言葉が聞こえた。
という事は、つまり──
「『サーヴァント・ウォーズ』の戦い……」
男の目の前に、台座が現れる。
よく見ると、台座には縦二列、横四列の四角形が刻まれていた。
「やはり初心者か……まあいい。早く構えろ」
台座に手を置く男は、逸騎を待っている。
──願いが叶う?
本当に願いが叶うのか? この男に『サーヴァント・ウォーズ』で勝ち、そうして50連勝すれば──逸騎の願いが叶うのか?
それを確かめる方法なんて、一つしかない。
即ち──『サーヴァント・ウォーズ』を勝ち抜く。
「──はぁ……」
願いが叶う? ああ、確かに逸騎には願いがある。
その願いが叶うのであれば、何かしらの犯罪を犯してもいいという覚悟だ。まあ、犯罪を犯してもどうにもならない事だから、逸騎はほぼほぼ諦めていたのだが。
その願いが、逸騎が諦めた願いが、絶対に実現不可能だと思っていた願いが、もしも叶うのであれば──
「──ウォーズッッ!!」
──受けてやる、この戦いを。荒唐無稽な話でも。意味不明なままだとしても。
あの日々を取り戻せるのなら──俺は、他の全てを諦めると決めたのだから。
「くははッ! そうこなくてはッ!」
男の表情が笑みに変わった──直後、逸騎の投げたデッキケースが地面に突き刺さる。
デッキケースは光の粒子となって消え──逸騎の足元が揺れ、四角形の台座が現れた。
「これが、『サーヴァント・ウォーズ』……」
逸騎の前に現れた台座にも、縦二列、横四列の四角形が刻まれている。
よく見ると、下列の一番右端にはカードが積まれている。おそらく、これがデッキなのだろう。
逸騎は再び、説明書きに書かれていた内容を思い出す。
──フィールド。
召喚ゾーン──サーヴァントが召喚される場所です。召喚ゾーンには、3枚のサーヴァントカードしか存在できません。
設置ゾーン──セットカードを設置する場所です。設置ゾーンには、3枚のセットカードしか設置できません。
破壊ゾーン──戦闘や効果で破壊されたカードが置かれる場所です。
召喚ゾーン、設置ゾーンに置けるカードは三枚。だが、四つ目の場所にデッキが積まれている。
という事は──ほとんど逸騎の勘だが、デッキの上にある四角形が、破壊ゾーンなのだろう。
「先攻はオレが貰う! ドロータイム! カードをドローッ!」
デッキからカードを引く男。ニヤッと笑みを浮かべ、男は台座にカードを叩き付けた。
「オレは手札から、『見習い魔法使い』を攻撃形態で召喚ッ!」
──地面から、光の粒子が浮き上がる。
輝く粒子は一カ所に固まり──光が晴れた時、そこには幼い少女の姿があった。
「そして手札からスペシャルカード、『魔法使いの導き』を発動ッ!」
男がカードを天に掲げた──瞬間、少女の体が輝き始めた。
「このスペシャルカードは、自分フィールドに『魔法使い』と名の付くサーヴァントが存在する時に発動できるッ! フィールドの『魔法使い』と名の付くサーヴァントを破壊ゾーンに送る事で、手札から中級サーヴァントを召喚権を使用せずに召喚できるッ!」
少女の体が光に包まれ──光が輪っかとなった。
「来いッ! 『ベテラン・ウィッチ』ッ!」
──輪っかの中から、白い女性が現れた。
髪も瞳も服も白い女性。ヴヴッと、女性の横に数字が表示された。
ATK 2500 DEF 1000 攻撃形態──自分の手札では到底敵わないサーヴァントを見て、逸騎は顔をしかめた。
「互いに最初のターンは攻撃できない。オレはセットカードを一枚設置ゾーンに置き、エンドタイムだ」
エンドタイム──相手がエンドタイムを宣言すれば、自分のターンになる。
カードの山に目を向け、逸騎はギロッと男を睨み付けた。
「──やってやる」
言いながら、逸騎はデッキからカードを引いた。
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