僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
#13 新入生研修 1日目 そのいち
新入生研修の初日、その午前中は学年レクリエーションの時間として費やされる。このレクは学年主任の苗字をとって黒瀬杯と呼ばれるらしい。
第一回となる今回の種目はクラス対抗ドッジボール大会だ。研修センターには部活の合宿にも使われるため当然ながら体育館がある。しかも、高校の体育館と遜色ない規模のものだ。ドッジボールのコートなら四面使えるらしい。各クラスを二つに分けて八人を内野にして、他は外野になる。必ず四回は内野を経験しなければならないというルールもある。チーム分けは出席番号の偶数奇数。ボクのいるチームは四組のBチームで、同じチームには二十二番の初美さんや、三十二番の森末さんがいる。
さらに、このドッジボール。試合時間を短くするために、各チームのリーダーにボールを当てれば勝ちという変則ルールが加わっている。いわゆる王様ドッジのルールだ。四Bは委員長である森末さんがリーダーだ。
「やっほー、悠希。楽しんでる?」
「まぁまぁかな。そっちは……楽しそうだね」
表情を見ていれば十分に分かる。結構な数の試合をこなして、とうとう四A対四Bの一戦になった。向こうのリーダーは麻琴らしい。
「いくよ悠希! 君のハートを狙い撃ち! って、取られちゃった!」
宣言通り、ボクの胸元に飛んできたボールを抱えるようにキャッチ。そのまま麻琴の足下へ投げ返す。
「あだ!」
「はい、試合終了!」
王様が討ち取られ次第終了というルールが一番光った試合ではなかろうか。開始二投で決着がついた。
「うぅ、悠希相手なら初めての負けでも悔いはないよ……」
そんなこんだで、四組はAチームの十一戦十勝とBチームの十一戦六勝の成績で第一回黒瀬杯を優勝というかたちで終えたのであった。
黒瀬杯の途中で昼休憩を挟んでいたので、終了後体育館の掃除まで全て完了したのが午後四時ごろ。午後五時から一組と二組が入浴。
ちなみに、この施設には浴場が二つあるため、一組の人とは別々のお風呂ということになる。最後、五組と六組が入浴終了となるのが午後六時半。各グループ30分しかもらえないのだ。で、今は入浴前の集会。入浴待ちもしくは入浴後の過ごし方の諸注意と、
「えぇ、それから。体調の関係で入浴できない生徒はシャワー室があるので、会の終了後、一組と二組の者から養護教諭の霜野先生に申し出なさい。では、解散!」
月の障りでお風呂に入れない人たちはシャワーなのか。ボクは月初めに経験したけど、あまり痛くはなかった。たしかに、出血はしたけど。再来週辺り来るのかなぁ。
「麻琴?」
目の前にある麻琴の背中が少しずつ丸くなっていく。どうしたのだろう?
「あたし、生理きてるから……悠希と一緒にお風呂入れない……。ショックすぎる」
「そんなことで落ち込まないでよ。まったく……」
「むぅ……」
むくれてるなぁ。別にお風呂なんて一緒に入ってもねぇ。
「ヒナッチ。大丈夫だよ、わたしもお風呂入れないから」 
「そっか。明音っちもか。シャワーの時は一緒に行こうか」
とぼとぼと歩く二人を見送っていると、初美さんがおもむろに口をひらいた。
「明音、大きい風呂が好きでな、今度、銭湯でも連れってやろうかな」
「初美さんが珍しく大人っぽく見えました」
「失礼だなぁ。まぁ、アイツが子供っぽすぎるんじゃねぇの?」
女の子同士の友情というのは、まだよく分からない部分ではあるが、初美さんと明音さんの友情はボクと麻琴との関係に似ているかもしれない。
「ほんじゃ、お二人さん。部屋に戻ろうか」
「そうだね」
「だな」
取り敢えず今は、千歳ちゃんに促されて部屋に戻ることとなった。
第一回となる今回の種目はクラス対抗ドッジボール大会だ。研修センターには部活の合宿にも使われるため当然ながら体育館がある。しかも、高校の体育館と遜色ない規模のものだ。ドッジボールのコートなら四面使えるらしい。各クラスを二つに分けて八人を内野にして、他は外野になる。必ず四回は内野を経験しなければならないというルールもある。チーム分けは出席番号の偶数奇数。ボクのいるチームは四組のBチームで、同じチームには二十二番の初美さんや、三十二番の森末さんがいる。
さらに、このドッジボール。試合時間を短くするために、各チームのリーダーにボールを当てれば勝ちという変則ルールが加わっている。いわゆる王様ドッジのルールだ。四Bは委員長である森末さんがリーダーだ。
「やっほー、悠希。楽しんでる?」
「まぁまぁかな。そっちは……楽しそうだね」
表情を見ていれば十分に分かる。結構な数の試合をこなして、とうとう四A対四Bの一戦になった。向こうのリーダーは麻琴らしい。
「いくよ悠希! 君のハートを狙い撃ち! って、取られちゃった!」
宣言通り、ボクの胸元に飛んできたボールを抱えるようにキャッチ。そのまま麻琴の足下へ投げ返す。
「あだ!」
「はい、試合終了!」
王様が討ち取られ次第終了というルールが一番光った試合ではなかろうか。開始二投で決着がついた。
「うぅ、悠希相手なら初めての負けでも悔いはないよ……」
そんなこんだで、四組はAチームの十一戦十勝とBチームの十一戦六勝の成績で第一回黒瀬杯を優勝というかたちで終えたのであった。
黒瀬杯の途中で昼休憩を挟んでいたので、終了後体育館の掃除まで全て完了したのが午後四時ごろ。午後五時から一組と二組が入浴。
ちなみに、この施設には浴場が二つあるため、一組の人とは別々のお風呂ということになる。最後、五組と六組が入浴終了となるのが午後六時半。各グループ30分しかもらえないのだ。で、今は入浴前の集会。入浴待ちもしくは入浴後の過ごし方の諸注意と、
「えぇ、それから。体調の関係で入浴できない生徒はシャワー室があるので、会の終了後、一組と二組の者から養護教諭の霜野先生に申し出なさい。では、解散!」
月の障りでお風呂に入れない人たちはシャワーなのか。ボクは月初めに経験したけど、あまり痛くはなかった。たしかに、出血はしたけど。再来週辺り来るのかなぁ。
「麻琴?」
目の前にある麻琴の背中が少しずつ丸くなっていく。どうしたのだろう?
「あたし、生理きてるから……悠希と一緒にお風呂入れない……。ショックすぎる」
「そんなことで落ち込まないでよ。まったく……」
「むぅ……」
むくれてるなぁ。別にお風呂なんて一緒に入ってもねぇ。
「ヒナッチ。大丈夫だよ、わたしもお風呂入れないから」 
「そっか。明音っちもか。シャワーの時は一緒に行こうか」
とぼとぼと歩く二人を見送っていると、初美さんがおもむろに口をひらいた。
「明音、大きい風呂が好きでな、今度、銭湯でも連れってやろうかな」
「初美さんが珍しく大人っぽく見えました」
「失礼だなぁ。まぁ、アイツが子供っぽすぎるんじゃねぇの?」
女の子同士の友情というのは、まだよく分からない部分ではあるが、初美さんと明音さんの友情はボクと麻琴との関係に似ているかもしれない。
「ほんじゃ、お二人さん。部屋に戻ろうか」
「そうだね」
「だな」
取り敢えず今は、千歳ちゃんに促されて部屋に戻ることとなった。
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