殺人犯ですが助けてください、呪われたクソゲーがクリアできません!チャンネル登録お願いします

原案:狩野英孝 著者:架神恭介 キャラクター原案:倉持由香 プロデュース:株式会社ビーグリー

10-2.Review

 コメント欄でヘルアネゴも不穏なことを言っている。
彼女は一体、その名から何を感じ取ったというのか? 
ともあれ、ヘルアネゴが立ち直ってくれたのは嬉しかった。
彼女の助力は力強い。

 非常階段を登り13階へと向かう。
以前に行った時には、非常階段の扉の下に高さ10cmほどのよく分からないゴミがあり、それを乗り超えられずに探索できなかった(ジャンプしても飛び越えられない!)。

それが今行くとなぜかゴミが散らばっていて先に進むことができた。
フラグが立った、ということだろうか? 
処理が雑すぎるぞ……。

 少し進むと、すぐに警備員室を発見した。

 そして、室内を物色したところ、そこでは多くの収穫があった。
まず見つけたのは、今日の当直警備員が発見したであろう「拾い物」だ。

そこには「拾得物:12階のエレベーター前にて」と書かれたメモと共に、シンプルな外観の二対の銀の指輪が置かれていた。
二対……ひょっとして結婚指輪か? 
指輪をアイテムとして入手する。

「これは間違いなくキーアイテムだな」
「アイテム欄から使用できませんか? 詳細とか分かるかも」

 古賀さんの助言に従ったところ、これもドンピシャで、「指輪の裏には561224の刻印がある」と画面に表示された。
561224……。

「昭和56年12月24日……英賀隠岐子の誕生日ですね。若色さん、これ、明らかに……」
「ああ、英賀隠岐子はこの怪異に必ず関係している」

 さらに災害救助用の手斧を入手した。
これは武器になりそうだ。
それともう一つ、警備員室には鏡があって、そこでちょっとした発見があった。
探索ボタンを押すと、鏡に映った主人公のビジュアルが挿絵で表示されたのだ。

 これまでは見下ろし視点な上にポリゴンが雑だったので気付かなかったが、こうしてイラストで見るとかなりのイケメンだ……。
線が細く、中性的な出で立ちで、片目が髪で半ば隠れている。
その両目の色が異なっていた。
オッドアイというやつか?

「ホスト? ビジュアル系?」
「少女漫画みたいな絵柄だ」
「急に世界観が変わったな……」

 コメント欄の反応は微妙だ。
しかし、わざわざ挿絵を入れたということは、主人公の外見に何か重要なヒントがあるのではないか? 
特にオッドアイが怪しいが……。

 そう思い、視聴者と一緒に考察したが、古賀さんは「単に趣味だと思いますよ」「お姉ちゃんが好きそうなタイプだもん」と冷ややかだ。
なお、古賀さんはマッチョでツーブロックのゴリラみたいな男が好みだと以前に言っていた。

 警備員室で発見できるものはこれで全てだろうか? 
探索を終えて部屋を出ようとした時、ニラネギが「待って下さい」と俺を引き止めた。

「待って下さい、これは"夜間警備ホラー"です」

 は? 
なんだそれ。

「夜間に警備員が怪異に遭遇する……という恐怖譚のフォーマットがあるんですよ。で、その展開でよくあるのが、過去の警備日報を手繰ると、自分が味わった恐怖と同じような体験談が報告されているというもので……」

 つまり、ニラネギは「どこかに警備日報があるはず」と言うのだ。
実際、部屋中をくまなく探し回ると、ロッカーの後ろに落ちていた警備日報を発見した。

えっ、警備日報って毎日使うもんじゃないの? 
なんでロッカーの後ろに落ちてるんだよ。
普通に机の上に置いとけよ。

 ともかくニラネギの推測は見事だった。
ここから新しい情報が得られるはずだ。

俺達はそう確信し、アイテム欄から手に入れた警備日報を選んで「使う」を押してみた……のだが……、

「げっ……!」

 俺達は揃って絶句した。
過去の記録が一日毎にずらっと選択肢となって並んだのだが……その選択肢の量がハンパではない。
「昭和▓▓年▓月▓日」の形式の選択肢がゆうに4000以上ある。

えっ、これ、11年分の記録ってこと!?

 もうこの時点でゲッソリしてやる気を失いそうになるが、いくつか試しに選んでみると、どれもこれも「異常なし」ばかりだ。

ク、クソが……。
あからさまなプレイ時間のかさ増しをしやがって。
こっちは命が懸ってんだぞ……。

 しかも、選択肢を押すごとに、日報をめくるイラッとするアニメーション演出が挟まる。
なんでこんなアニメーションに工数掛けてんだよ。

「まずいですね……。この糞アニメーションのせいで、一日分を確認するだけで30秒掛かってます……」
「えっ、古賀さん。それって……全部確認したら……」
「単純計算で約34時間……です、ね……」
「ふぁっ!?」

 34時間!?? 
おい、ふざけんな、人が死ぬぞ!! 
クソゲーに殺される!!

 だが、俺が奇声を上げて頭を抱えている間にも視聴者たちはいち早く動いていた。
コメント欄が目まぐるしく更新されていたのだ。

「いま各配信者に支援要請飛ばしてます!」
「ベオうるふゲームズ、ぐりばーチャンネルから支援の申し出が来ました!」
「支援の申し出、続々来てます!」
「協力してくれる配信者を集約してタスクを割り振ります」
「攻略wikiにページが作られてます。進捗管理はこちらで行いましょう」
「各配信者の入手情報もwikiに記入していきます」
「情報収集は任せて若色さんは分析に集中して下さい!」

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