モフを守りし王となる〜MPのMはモフのエム〜
暴れろ、本能3
「なんだか分かんないけど悪かったよ」
浮気でもなんでもないけど二人が不機嫌なのは間違いない。
レオが謝りながら頭を撫でてやると少しずつミカオの尻尾が振られていく。
「ほれほれ」
「みんな見てるからぁ……」
今度は顎を撫でてやるとミカオは恥ずかしそうに体をよじる。
ただ避けたりやめさせたりはしない。
『ケモッ娘ミカオをモフりました。
モフポイントが3回復しました』
とりあえずミカオのご機嫌は直ったようなので次はフーニャである。
「フーニャもここまでお疲れ様」
レオの頭に顎を乗せているフーニャの頭を撫でてやる。
「後でもっとしてもらう」
「……分かったよ」
ミカオはまだ恥ずかしいらしいけどフーニャはお腹をもふもふしてもらうのが今のところ好きだった。
今は人目もあるのでモフしないけど後でやってもらうつもりのようだ。
「……どうやらバレたようだな」
突如としてアルモフトラズ刑務所の中から鐘の音が鳴り響き始めた。
どうやら脱獄がバレたらしい。
「いくぞ!」
『モフポイントを40使い、獣人の味方を発動します』
レオの能力はまだまだ神秘のベールに包まれている。
神様から説明がなかったことが悪いのであるがその実モフポイントさえあればレオはなんでもできるのであった。
獣人たちを能力的に支援することはできないかとレオが考えるとまた新たな魔法が頭の中に浮かんできた。
獣人の味方という誰も聞いたことがない名前の魔法の効果はレオが味方だと認識した獣人の身体能力を強化するものであった。
獣人限定の広範囲強化魔法である。
発動させるのに必要なモフポイントは多いが範囲内の獣人の数ではなく単に範囲の広さによって必要なモフポイントが増減する。
レオは獣人の味方をアルモフトラズ刑務所がすっぽりと入るぐらいの広さで発動させた。
かなりモフポイントは使うけれどこれでアルモフトラズ刑務所内にいる獣人はレオの強化を受けた状態となるのだ。
「すごい……」
もちろんレオのそばにいる獣人たちも強化される。
湧き起こる力にフーニャも驚いていた。
「移動しよう」
一切バレることがなければこのまま小屋から脱出するつもりだった。
しかしバレた以上は大人しく小屋から逃げることはできない。
どうするか。暴れるのだ。
ドーンと音がして、地面が振動した。
「あっちだ!」
小屋の外に出るとアルモフトラズ刑務所の壁の一部が崩壊していた。
解放軍の獣人たちが崩壊した壁の方に走っていき、レオもそれについていく。
「ガッハッハッ! こりゃいいな! 体に力が湧いてくる! 自由に暴れられるって素晴らしい!」
アルモフトラズ刑務所の壁に空けられた穴からラオナールが出てきた。
かなり上機嫌に笑うラオナールの手には看守の頭が鷲掴みにされて引きずられている。
「我々と共に来たいものは来るといい! 自由になりたいものはそうしても構わん!」
ラオナールの後ろから次々と獣人たちが飛び出してくる。
「よう、レオ」
「ラオナールさん」
レオに気づいたラオナールがニコニコとしてレオの前に来た。
「お前……私のつがいにならないか?」
「えっ?」
「お前の力、気に入った。こんなことやってやる胆力も男らしいし顔も悪くない。それに獣人嫌いじゃないんだろ? 私が他のやつからお前のことを守ってやるよ。全部世話もしてやる」
ラオナールはレオのことを抱き寄せる。
レオの強化もすごいし奴隷の首輪を破壊するほどの力もある。
変な目をしていたけれどそれは獣人を見下すような目ではなく、むしろ一人の女性としても見られていたようにラオナールは感じていた。
これまで男になんか興味なかったけれどレオなら悪くないと思ったのだ。
「どうだ? 私は……ちょっと女っぽさにかけるかもしれんがお前を一生守ってやれるぞ?」
「……そんな、ラオナールさんは十分女の子ですよ?」
「なっ……バカ……」
突然のお誘いに驚いたレオであったけれどケモッ娘は死んでもケモッ娘で女の子なのである。
そんな反撃喰らうと思っていなかったラオナールはレオの言葉に顔が熱くなった。
「むっ、ダメ……」
フーニャがレオとラオナールの間に無理矢理割り込む。
髪に隠れた奥の目はラオナールを睨みつけている。
「おっ、なんだ? ……ああ、なるほどね」
ラオナールはフーニャの目を見て事情を察した。
「ふーん、私はかまわねぇぜ? 良いオスってのは何人も抱くもんだ」
この世界において人間は基本的に一夫一妻である。
一部の国や貴族の間では跡取りなどの関係上一夫多妻も認められている。
獣人も一夫一妻の人が多いのだけどルールとしてそうなっているからじゃない。
別に一夫多妻でも全然構わなく、多くの妻を抱える獣人もいるのだ。
特に強い男は強い子孫を残すために多くの女性が集まってくる。
ラオナールはたとえ人間のレオが相手でも一夫多妻を望むのならそれでいいというのである。
「いきなり出てきてあなたは認めない」
「はっはっ! そーいうことね」
フーニャもそうした文化があることを理解している。
今もミカオとフーニャの二人で可愛がってもらっている状況なのでもしかしたらそうなるかもしれないとは思っている。
だがいきなり現れたラオナールにレオを奪われるのは我慢できなかった。
浮気でもなんでもないけど二人が不機嫌なのは間違いない。
レオが謝りながら頭を撫でてやると少しずつミカオの尻尾が振られていく。
「ほれほれ」
「みんな見てるからぁ……」
今度は顎を撫でてやるとミカオは恥ずかしそうに体をよじる。
ただ避けたりやめさせたりはしない。
『ケモッ娘ミカオをモフりました。
モフポイントが3回復しました』
とりあえずミカオのご機嫌は直ったようなので次はフーニャである。
「フーニャもここまでお疲れ様」
レオの頭に顎を乗せているフーニャの頭を撫でてやる。
「後でもっとしてもらう」
「……分かったよ」
ミカオはまだ恥ずかしいらしいけどフーニャはお腹をもふもふしてもらうのが今のところ好きだった。
今は人目もあるのでモフしないけど後でやってもらうつもりのようだ。
「……どうやらバレたようだな」
突如としてアルモフトラズ刑務所の中から鐘の音が鳴り響き始めた。
どうやら脱獄がバレたらしい。
「いくぞ!」
『モフポイントを40使い、獣人の味方を発動します』
レオの能力はまだまだ神秘のベールに包まれている。
神様から説明がなかったことが悪いのであるがその実モフポイントさえあればレオはなんでもできるのであった。
獣人たちを能力的に支援することはできないかとレオが考えるとまた新たな魔法が頭の中に浮かんできた。
獣人の味方という誰も聞いたことがない名前の魔法の効果はレオが味方だと認識した獣人の身体能力を強化するものであった。
獣人限定の広範囲強化魔法である。
発動させるのに必要なモフポイントは多いが範囲内の獣人の数ではなく単に範囲の広さによって必要なモフポイントが増減する。
レオは獣人の味方をアルモフトラズ刑務所がすっぽりと入るぐらいの広さで発動させた。
かなりモフポイントは使うけれどこれでアルモフトラズ刑務所内にいる獣人はレオの強化を受けた状態となるのだ。
「すごい……」
もちろんレオのそばにいる獣人たちも強化される。
湧き起こる力にフーニャも驚いていた。
「移動しよう」
一切バレることがなければこのまま小屋から脱出するつもりだった。
しかしバレた以上は大人しく小屋から逃げることはできない。
どうするか。暴れるのだ。
ドーンと音がして、地面が振動した。
「あっちだ!」
小屋の外に出るとアルモフトラズ刑務所の壁の一部が崩壊していた。
解放軍の獣人たちが崩壊した壁の方に走っていき、レオもそれについていく。
「ガッハッハッ! こりゃいいな! 体に力が湧いてくる! 自由に暴れられるって素晴らしい!」
アルモフトラズ刑務所の壁に空けられた穴からラオナールが出てきた。
かなり上機嫌に笑うラオナールの手には看守の頭が鷲掴みにされて引きずられている。
「我々と共に来たいものは来るといい! 自由になりたいものはそうしても構わん!」
ラオナールの後ろから次々と獣人たちが飛び出してくる。
「よう、レオ」
「ラオナールさん」
レオに気づいたラオナールがニコニコとしてレオの前に来た。
「お前……私のつがいにならないか?」
「えっ?」
「お前の力、気に入った。こんなことやってやる胆力も男らしいし顔も悪くない。それに獣人嫌いじゃないんだろ? 私が他のやつからお前のことを守ってやるよ。全部世話もしてやる」
ラオナールはレオのことを抱き寄せる。
レオの強化もすごいし奴隷の首輪を破壊するほどの力もある。
変な目をしていたけれどそれは獣人を見下すような目ではなく、むしろ一人の女性としても見られていたようにラオナールは感じていた。
これまで男になんか興味なかったけれどレオなら悪くないと思ったのだ。
「どうだ? 私は……ちょっと女っぽさにかけるかもしれんがお前を一生守ってやれるぞ?」
「……そんな、ラオナールさんは十分女の子ですよ?」
「なっ……バカ……」
突然のお誘いに驚いたレオであったけれどケモッ娘は死んでもケモッ娘で女の子なのである。
そんな反撃喰らうと思っていなかったラオナールはレオの言葉に顔が熱くなった。
「むっ、ダメ……」
フーニャがレオとラオナールの間に無理矢理割り込む。
髪に隠れた奥の目はラオナールを睨みつけている。
「おっ、なんだ? ……ああ、なるほどね」
ラオナールはフーニャの目を見て事情を察した。
「ふーん、私はかまわねぇぜ? 良いオスってのは何人も抱くもんだ」
この世界において人間は基本的に一夫一妻である。
一部の国や貴族の間では跡取りなどの関係上一夫多妻も認められている。
獣人も一夫一妻の人が多いのだけどルールとしてそうなっているからじゃない。
別に一夫多妻でも全然構わなく、多くの妻を抱える獣人もいるのだ。
特に強い男は強い子孫を残すために多くの女性が集まってくる。
ラオナールはたとえ人間のレオが相手でも一夫多妻を望むのならそれでいいというのである。
「いきなり出てきてあなたは認めない」
「はっはっ! そーいうことね」
フーニャもそうした文化があることを理解している。
今もミカオとフーニャの二人で可愛がってもらっている状況なのでもしかしたらそうなるかもしれないとは思っている。
だがいきなり現れたラオナールにレオを奪われるのは我慢できなかった。
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