モフを守りし王となる〜MPのMはモフのエム〜
アルモフトラズに潜入せよ3
ここまでせねばならないのかと思うがここまですればフーニャが奴隷でないだなんて思う人はいない。
「いらっ……しゃい」
レオが訪れたのは冒険者ギルドという場所だった。
剣や魔法があって、魔物がいるこの世界では魔物を退治する職業が存在している。
冒険者と呼ばれるもので腕っ節があれば誰でもどこでもやっていけるとあって一攫千金を狙う人から自由に行きたい人までさまざまな人が冒険者をやっている。
そんな冒険者が仕事を受けたりする場所が冒険者ギルドとなっていた。
情報を得るなら商人か冒険者と言われる。
どちらも活動範囲が広くて他者と関わることも多いので情報や噂が集まるからだ。
冒険者ギルドは酒場も兼ねている。
冒険者は好きに活動できるので
「……注文は?」
レオがカウンターに座ると冒険者ギルド兼酒場の髭面の店員はジロリとフーニャを見た。
町中を見ていてもそうだったけれどアルモフトラズではに奴隷の獣人を連れている人は少なめだった。
同じ国内でも違いがあるのだ。
酒場でも店員として働かされている奴隷の獣人が1人だけいたが、それ以外は全員人間だった。
あまり奴隷の獣人を歓迎している雰囲気ではない。
「ミルクでも」
「……ふん」
奇妙な注文をするレオを鼻で笑って髭面の店員はミルクをジョッキに出してレオの前に置いた。
「ほい」
「にゃーん」
レオはミルクのジョッキをフーニャに渡した。
酒も飲まんが今は別にミルクを飲むつもりもない。
フーニャは遠慮なくミルクをゴクゴクと飲んでいる。
「酒もミルクも飲まないで何しにきた? 冒険者って雰囲気もない」
レオの後ろに立つフーニャをギルド内にいる冒険者たちもチラチラと見ている。
フーニャは背も高いし目立つのだ。
「奴隷を買いたい」
「うちは奴隷は扱ってねぇよ」
髭面の店員は不愉快そうに顔をしかめた。
「奴隷商人探しな」
「紹介してほしい」
レオはカウンターに袋を置いて口を開いた。
中にはお金がぎっしり。
バーミットのところから盗み出してきたお金だが色々と使ったにも関わらずまだまだたくさんあった。
レオとしては解放軍にあげてもよかったのだけどレオが盗み出したものだしレオの活動資金としてレオが使うことになった。
逃げている時は重かったけど全部持ち歩いていた。
しかし今はいくらか解放軍に預けて必要な分だけを持ち歩いている。
それでも他の人から見たら結構な大金である。
髭面の店員からは中身が見えているが他の店内にいる人からは見えていない。
だがジャラリとした重たい音は聞こえていたようで袋を凝視している人は何人かいた。
「刑務所に収監された奴隷の獣人が欲しいんだ」
「なんだと?」
「刑務所に入れられるぐらいなんだ、面白いのがいるだろう?」
「チッ、他所に行け。うちは脱獄の手伝いもしないし奴隷も扱ってない。奴隷商人の仲介もしていない」
わざとらしく声を大きめにしたレオに髭面の店員はより顔をしかめて盛大に舌打ちする。
やや怒ったような視線をレオに向けるけれど涼しい顔をしてレオは受け流す。
そんなことは分かっていた。
冒険者ギルドは世界的な組織である。
中には奴隷に関して厳しい国もあればゆるい国もある。
それぞれの冒険者ギルド全てを厳重に管理することは難しいけれど一定のルールは設けなければならない。
一応ルールの上では冒険者ギルドは奴隷売買を扱わないし、獣人の差別もしないということになっている。
このギルドも奴隷の獣人はいるが商売としての奴隷売買には関わらないという一線はあるらしい。
曖昧な基準で守っていないギルドもあれば、レオが今口にしたようなことを言った瞬間に追い出されてしまうようなところもある。
何にしても冒険者ギルドがそんなことしてくれるとはつゆほどにも思っていない。
「そうか。ミルク飲んだか?」
「ん」
お口の上側を白くしたフーニャがジョッキをカウンターに置く。
「悪かったな。他を探すよ」
レオはお金の入った袋を掴むと立ち上がる。
そして冒険者ギルドから出る。
「あとは引っかかってくれるかだな」
冒険者ギルドから出てきたレオは深いため息をついた。平然としているように見えても内心では心臓がバクバクしていた。
あんな強面の男たちの視線を集めて緊張しないわけがない。
ミルクを自分で飲めばよかったと思うほど口の中が緊張がパサパサになっている。
「ほら、口にミルクついてるぞ」
「ん、ありがと」
レオはポケットからハンカチを取り出してフーニャの口を拭いてあげる。
「次は奴隷商人探しか」
奴隷商人というのも探しやすいような人もいれば探しにくいような人もいる。
この町はあまり奴隷の獣人に対して雰囲気が良くないので大っぴらに奴隷商人と看板を掲げているのではなく見つけにくいかもしれない。
「ご主人様」
「なんだ?」
バレないように鎖をくいくいと引っ張ったフーニャの方を見ないでレオが答えた。
「つけられてる」
「何人いるか分かるか?」
「……そんなに多くない」
「なら大丈夫そうだな。少し人通りの少ない道に行くぞ」
「分かった」
レオとフーニャは人通りの多い大きな道から横道に入る。
「いらっ……しゃい」
レオが訪れたのは冒険者ギルドという場所だった。
剣や魔法があって、魔物がいるこの世界では魔物を退治する職業が存在している。
冒険者と呼ばれるもので腕っ節があれば誰でもどこでもやっていけるとあって一攫千金を狙う人から自由に行きたい人までさまざまな人が冒険者をやっている。
そんな冒険者が仕事を受けたりする場所が冒険者ギルドとなっていた。
情報を得るなら商人か冒険者と言われる。
どちらも活動範囲が広くて他者と関わることも多いので情報や噂が集まるからだ。
冒険者ギルドは酒場も兼ねている。
冒険者は好きに活動できるので
「……注文は?」
レオがカウンターに座ると冒険者ギルド兼酒場の髭面の店員はジロリとフーニャを見た。
町中を見ていてもそうだったけれどアルモフトラズではに奴隷の獣人を連れている人は少なめだった。
同じ国内でも違いがあるのだ。
酒場でも店員として働かされている奴隷の獣人が1人だけいたが、それ以外は全員人間だった。
あまり奴隷の獣人を歓迎している雰囲気ではない。
「ミルクでも」
「……ふん」
奇妙な注文をするレオを鼻で笑って髭面の店員はミルクをジョッキに出してレオの前に置いた。
「ほい」
「にゃーん」
レオはミルクのジョッキをフーニャに渡した。
酒も飲まんが今は別にミルクを飲むつもりもない。
フーニャは遠慮なくミルクをゴクゴクと飲んでいる。
「酒もミルクも飲まないで何しにきた? 冒険者って雰囲気もない」
レオの後ろに立つフーニャをギルド内にいる冒険者たちもチラチラと見ている。
フーニャは背も高いし目立つのだ。
「奴隷を買いたい」
「うちは奴隷は扱ってねぇよ」
髭面の店員は不愉快そうに顔をしかめた。
「奴隷商人探しな」
「紹介してほしい」
レオはカウンターに袋を置いて口を開いた。
中にはお金がぎっしり。
バーミットのところから盗み出してきたお金だが色々と使ったにも関わらずまだまだたくさんあった。
レオとしては解放軍にあげてもよかったのだけどレオが盗み出したものだしレオの活動資金としてレオが使うことになった。
逃げている時は重かったけど全部持ち歩いていた。
しかし今はいくらか解放軍に預けて必要な分だけを持ち歩いている。
それでも他の人から見たら結構な大金である。
髭面の店員からは中身が見えているが他の店内にいる人からは見えていない。
だがジャラリとした重たい音は聞こえていたようで袋を凝視している人は何人かいた。
「刑務所に収監された奴隷の獣人が欲しいんだ」
「なんだと?」
「刑務所に入れられるぐらいなんだ、面白いのがいるだろう?」
「チッ、他所に行け。うちは脱獄の手伝いもしないし奴隷も扱ってない。奴隷商人の仲介もしていない」
わざとらしく声を大きめにしたレオに髭面の店員はより顔をしかめて盛大に舌打ちする。
やや怒ったような視線をレオに向けるけれど涼しい顔をしてレオは受け流す。
そんなことは分かっていた。
冒険者ギルドは世界的な組織である。
中には奴隷に関して厳しい国もあればゆるい国もある。
それぞれの冒険者ギルド全てを厳重に管理することは難しいけれど一定のルールは設けなければならない。
一応ルールの上では冒険者ギルドは奴隷売買を扱わないし、獣人の差別もしないということになっている。
このギルドも奴隷の獣人はいるが商売としての奴隷売買には関わらないという一線はあるらしい。
曖昧な基準で守っていないギルドもあれば、レオが今口にしたようなことを言った瞬間に追い出されてしまうようなところもある。
何にしても冒険者ギルドがそんなことしてくれるとはつゆほどにも思っていない。
「そうか。ミルク飲んだか?」
「ん」
お口の上側を白くしたフーニャがジョッキをカウンターに置く。
「悪かったな。他を探すよ」
レオはお金の入った袋を掴むと立ち上がる。
そして冒険者ギルドから出る。
「あとは引っかかってくれるかだな」
冒険者ギルドから出てきたレオは深いため息をついた。平然としているように見えても内心では心臓がバクバクしていた。
あんな強面の男たちの視線を集めて緊張しないわけがない。
ミルクを自分で飲めばよかったと思うほど口の中が緊張がパサパサになっている。
「ほら、口にミルクついてるぞ」
「ん、ありがと」
レオはポケットからハンカチを取り出してフーニャの口を拭いてあげる。
「次は奴隷商人探しか」
奴隷商人というのも探しやすいような人もいれば探しにくいような人もいる。
この町はあまり奴隷の獣人に対して雰囲気が良くないので大っぴらに奴隷商人と看板を掲げているのではなく見つけにくいかもしれない。
「ご主人様」
「なんだ?」
バレないように鎖をくいくいと引っ張ったフーニャの方を見ないでレオが答えた。
「つけられてる」
「何人いるか分かるか?」
「……そんなに多くない」
「なら大丈夫そうだな。少し人通りの少ない道に行くぞ」
「分かった」
レオとフーニャは人通りの多い大きな道から横道に入る。
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