モフを守りし王となる〜MPのMはモフのエム〜
ケモッ娘を増やそう3
さらになんとこの猫のケモッ娘、身長が高い。
レオも平均より高い方であったのだがそれよりも高いのである。
前髪が目元を覆っていて顔はよく見えないのだけどこれもまたメカクレという属性の一つ!
何という詰め放題パック。
レオは尊死寸前だった。
「こいつは他の商人襲いやがって護衛含めて首をへし折ったような力の持ち主です。捕まえたはいいけれど他に引き取り手もいなかったので私が引き取りましたが……売れなくて困っていたんです」
「売れないんですか?」
「デカくて可愛げもない。従属させる魔法で行動は制限できても性格は反抗的ですからね。顔も髪で隠れてるし……良いところなんてありませんよ」
それらが全部いいんだよ、ど素人が。
お前の首もへし折ってやろうか、と思うがレオは怒りを隠して営業スマイルを浮かべる。
「とりあえず強いは強いんだな?」
「その通りです」
「じゃあその子を買わせてもらおう」
「本当ですか? ありがたいです。お安く致しますよ」
がっつくような態度を取れば猫のケモッ娘が素晴らしいものだと勘付かれて値段を上げられてしまうかもしれない。
レオは表面上平静を装いながらも内心では踊り出してしまいそうだった。
奴隷商人なんて最低の行為をやってるくせにケモッ娘を見る目もないなんて終わってるな。
そんなことを思いながら従属の魔法の使用権の譲渡を受けたりする。
無理矢理いうことを聞かせるつもりもないし、どうせ後々そんな魔法破壊する。
ある程度好きなようにできると聞いて多少心は揺り動かされるが紳士たるケモナーとして無理矢理モフ行為に及ぶのはいくない。
お金を払ってズクウロヤのお店から出たレオは表面上は冷静な紳士を装う。
ほんとはハスハスしたいところ、人の目があるので取っている宿の部屋に戻った。
「とりあえず自己紹介からしよう」
宿に戻ったレオはベッドに座るけれど猫のケモッ娘は一言も発さずただただ部屋の隅に立ち尽くしている。
「俺はレオだ。こっちはミカオ。君の名前は?」
「…………フーニャ」
長い沈黙の後にようやくフーニャは名前を答えた。
何も言わないのかもと心配したけれどそんなことなくてよかった。
「なんで首輪使わないの?」
大きな体にしては声は可愛らしい。
女の子らしい声をしている。
ゴロゴロ鳴くんだろうか。
「首輪? どうして?」
「……答えないから」
フーニャはすぐに返事をしなかった。
首輪の力を使えば簡単なことなのにレオがジッとフーニャの答えを辛抱強く待っていたことを不思議に思った。
レオはフーニャのことを怖い目で見ていた。
だからきっと酷い目に遭わされるのだとフーニャは思っていた。
「なんでそんなことで? そんなこと以前に首輪を使うことはないよ」
「…………?」
フーニャはレオの言葉が理解できなかった。
わざわざ奴隷を買っておいて従わせるつもりがないなんて何がしたいのか分からない。
「俺は君を奴隷として扱うつもりはないんだ」
「……物として扱う?」
「いやいや、そんなこともしないよ!」
仕方がないこととはいえ、奴隷を買う相手に対する偏見は大きい。
獣人だと奴隷以下の物扱いされることもないとは言い切れないのだ。
「じゃあどうするの?」
「君に俺たちの仲間になってほしいんだ」
欲しいのは奴隷の仲間じゃない共に戦えるケモッ娘の仲間である。
ある意味信頼が欲しいといえる。
モフってもいい信頼。
「言うよりも見せた方が早いかな? ミカオお願い」
「はい! じゃーん!」
いくら口で言っても信頼してもらえないなら行動で見せるしかない。
ミカオが首輪を自分で外してみせるとフーニャの前髪の下の目が大きく見開かれた。
奴隷の首輪は自分でなど外すことはできない。
それなのにミカオはあっさりと外してしまった。
となるとミカオがつけていたものは奴隷の首輪ではなくただのなんの変哲もない首輪であったということになる。
つまりはミカオは奴隷でないと言えるのだ。
「俺はミカオも奴隷扱いしていない」
「それどころか、レオは私を奴隷から助けてくれたんだ」
「どういうこと?」
「どういうことっていうと……うーん、俺は獣人に偏見もないし奴隷にしたいとは思ってないんだ。それどころか獣人を助けたいと思ってる」
神様から使命を受けて転生しました。
それを言ってもいいのだけど信じてもらえるかどうか怪しい。
ミカオとも信頼を築き始めたばかりであるし、フーニャもようやくレオの話に耳を傾けてくれるようになった。
ここは変に神様が、と言い出すよりレオがケモッ娘を大切に想う愛の戦士であることを押し出していくのがいい。
ミカオには最初押しが強すぎて変態だと思われてしまったので今回は抑え気味に変態だと思われないようにセーブする。
フーニャは信じられないというようにミカオに視線を向けたけれど、ミカオは本当のことだと大きく頷いて返した。
「仲間……って?」
「今俺たちは解放軍のところに向かおうと思ってるんだ。だけど道中2人だけだと少し危なくて。解放軍のところに行くまで手伝ってほしいんだ」
「……そのあとは?」
「自由にしてくれていい。獣人なら解放軍も受け入れてくれるかもしれないし、故郷とか帰りたい場所があるなら帰ってもいい」
「自由に、してもいいの?」
「もちろんだ」
奴隷から解放するのだ、自由であって然るべき。
解放軍のところに行くまでは協力してほしいが、その後はフーニャの好きにしてくれればいいとレオは真っ直ぐに答えた。
レオも平均より高い方であったのだがそれよりも高いのである。
前髪が目元を覆っていて顔はよく見えないのだけどこれもまたメカクレという属性の一つ!
何という詰め放題パック。
レオは尊死寸前だった。
「こいつは他の商人襲いやがって護衛含めて首をへし折ったような力の持ち主です。捕まえたはいいけれど他に引き取り手もいなかったので私が引き取りましたが……売れなくて困っていたんです」
「売れないんですか?」
「デカくて可愛げもない。従属させる魔法で行動は制限できても性格は反抗的ですからね。顔も髪で隠れてるし……良いところなんてありませんよ」
それらが全部いいんだよ、ど素人が。
お前の首もへし折ってやろうか、と思うがレオは怒りを隠して営業スマイルを浮かべる。
「とりあえず強いは強いんだな?」
「その通りです」
「じゃあその子を買わせてもらおう」
「本当ですか? ありがたいです。お安く致しますよ」
がっつくような態度を取れば猫のケモッ娘が素晴らしいものだと勘付かれて値段を上げられてしまうかもしれない。
レオは表面上平静を装いながらも内心では踊り出してしまいそうだった。
奴隷商人なんて最低の行為をやってるくせにケモッ娘を見る目もないなんて終わってるな。
そんなことを思いながら従属の魔法の使用権の譲渡を受けたりする。
無理矢理いうことを聞かせるつもりもないし、どうせ後々そんな魔法破壊する。
ある程度好きなようにできると聞いて多少心は揺り動かされるが紳士たるケモナーとして無理矢理モフ行為に及ぶのはいくない。
お金を払ってズクウロヤのお店から出たレオは表面上は冷静な紳士を装う。
ほんとはハスハスしたいところ、人の目があるので取っている宿の部屋に戻った。
「とりあえず自己紹介からしよう」
宿に戻ったレオはベッドに座るけれど猫のケモッ娘は一言も発さずただただ部屋の隅に立ち尽くしている。
「俺はレオだ。こっちはミカオ。君の名前は?」
「…………フーニャ」
長い沈黙の後にようやくフーニャは名前を答えた。
何も言わないのかもと心配したけれどそんなことなくてよかった。
「なんで首輪使わないの?」
大きな体にしては声は可愛らしい。
女の子らしい声をしている。
ゴロゴロ鳴くんだろうか。
「首輪? どうして?」
「……答えないから」
フーニャはすぐに返事をしなかった。
首輪の力を使えば簡単なことなのにレオがジッとフーニャの答えを辛抱強く待っていたことを不思議に思った。
レオはフーニャのことを怖い目で見ていた。
だからきっと酷い目に遭わされるのだとフーニャは思っていた。
「なんでそんなことで? そんなこと以前に首輪を使うことはないよ」
「…………?」
フーニャはレオの言葉が理解できなかった。
わざわざ奴隷を買っておいて従わせるつもりがないなんて何がしたいのか分からない。
「俺は君を奴隷として扱うつもりはないんだ」
「……物として扱う?」
「いやいや、そんなこともしないよ!」
仕方がないこととはいえ、奴隷を買う相手に対する偏見は大きい。
獣人だと奴隷以下の物扱いされることもないとは言い切れないのだ。
「じゃあどうするの?」
「君に俺たちの仲間になってほしいんだ」
欲しいのは奴隷の仲間じゃない共に戦えるケモッ娘の仲間である。
ある意味信頼が欲しいといえる。
モフってもいい信頼。
「言うよりも見せた方が早いかな? ミカオお願い」
「はい! じゃーん!」
いくら口で言っても信頼してもらえないなら行動で見せるしかない。
ミカオが首輪を自分で外してみせるとフーニャの前髪の下の目が大きく見開かれた。
奴隷の首輪は自分でなど外すことはできない。
それなのにミカオはあっさりと外してしまった。
となるとミカオがつけていたものは奴隷の首輪ではなくただのなんの変哲もない首輪であったということになる。
つまりはミカオは奴隷でないと言えるのだ。
「俺はミカオも奴隷扱いしていない」
「それどころか、レオは私を奴隷から助けてくれたんだ」
「どういうこと?」
「どういうことっていうと……うーん、俺は獣人に偏見もないし奴隷にしたいとは思ってないんだ。それどころか獣人を助けたいと思ってる」
神様から使命を受けて転生しました。
それを言ってもいいのだけど信じてもらえるかどうか怪しい。
ミカオとも信頼を築き始めたばかりであるし、フーニャもようやくレオの話に耳を傾けてくれるようになった。
ここは変に神様が、と言い出すよりレオがケモッ娘を大切に想う愛の戦士であることを押し出していくのがいい。
ミカオには最初押しが強すぎて変態だと思われてしまったので今回は抑え気味に変態だと思われないようにセーブする。
フーニャは信じられないというようにミカオに視線を向けたけれど、ミカオは本当のことだと大きく頷いて返した。
「仲間……って?」
「今俺たちは解放軍のところに向かおうと思ってるんだ。だけど道中2人だけだと少し危なくて。解放軍のところに行くまで手伝ってほしいんだ」
「……そのあとは?」
「自由にしてくれていい。獣人なら解放軍も受け入れてくれるかもしれないし、故郷とか帰りたい場所があるなら帰ってもいい」
「自由に、してもいいの?」
「もちろんだ」
奴隷から解放するのだ、自由であって然るべき。
解放軍のところに行くまでは協力してほしいが、その後はフーニャの好きにしてくれればいいとレオは真っ直ぐに答えた。
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