第四十八話修行とスパイ

第四十八話修行とスパイ

俺たちはアリスたちから昔の出来事の話を聞き終え修行を再開することにした。
今度こそちゃんとしたやつならいいんだがな
と俺が考えていると、アリスが俺に聞いてきた「ちょっと修行の前にアカネちゃんとヨシカゲくん鬼ごっこと、かくれんぼしたいんだけどいい？」と。
鬼ごっことかくれんぼなら任務の訓練にもなるよな……と俺が考えていた時、アリスの言葉を聞いたアカネとヨシカゲが
「「兄貴も一緒にしませんか？」」と言ってきたが俺がやっては訓練にならないと思ったので
「いや今回はやめておく。俺が一緒にやったら訓練にならないだろ、また今度やるからダメかアカネ？」
「せっかくなら兄貴と一緒にやりたい……けど、今度してくださいよ！！」とアカネが言ったので俺は「分かってる」と答えた。
するとグレイが「なあヒョウ、アリスたちがやってる間俺とルイが少し早く修行つけてやるぞ！！」
と言うので俺はお願いすることにした。
三十分後
グレイとルイが俺につけた修行は最初に二人との一対一の模擬戦次に尻尾取りその次にルイが複製(コピー)魔法と幻影魔法を使いグレイが俺に使ってきた血の雨(ブラッドレイン)で血で雨を降らせつつルイが忘却の炎(オブリヴィオイグニス)でその血を霧にして視界を悪くし今の自分たちの力で出来る限りの最悪の乱戦を想定した模擬戦を三十分した。
俺はグレイとルイにコテンパンにやられた
俺はバラバラになり死ぬ直前にグレイが自らの血を使い強制的に治す血の治癒(ブラッドクラーレ)を使い何度も治し戦うを繰り返したが俺は負けた
模擬戦中グレイは笑いながら俺の身体を切断していたが戦闘ならどんな相手に出会ったとしてもおかしくはない、それに同僚にも似たような奴がいたからそいつを思い出すきっかけにもなった
まさか俺がこんなふうになるなんてな
そう考えているとアカネとヨシカゲが
「「兄貴～終わったよ～」」と笑顔で叫んだ。
そのあとアリスが「本当若いっていいね～二人がすごく楽しそうで私も嬉しかったよ。それじゃあヒョウ修行を再開……ってどうしたのその怪我！？」と驚いていたらグレイとルイが説明し始めた。
「そっかグレイとルイにもう修行つけてもらったんだ……じゃあ私はそれとは別の修行にするね」
そしてアリスは死者の幻影(デッドミラージュ)で数千の死者を呼び寄せた
そして「ヒョウ今回の修行はヴラドを参謀役として呼び寄せた半分を死者の軍として指揮してもらうから……そしてもう半分を私が使うから、敵の総大将役は私がするから頑張ってね」と。
ヴラドが俺に話しかけてきた
「ようヒョウって言ったよな確か……お前この前俺が殺さなかったか？……まあいい今回はよろしくな」
「ああよろしく頼む」
俺がそう返して修行が始まった。
そして場面は唐突にシノンに二重スパイをすることを条件に助けられたゾーマとティサに変わる
クソクソこんなことならとっとと組織に見切りをつけてティサとトンズラしときゃ……って言ったところで裏切り者として一般の構成員には"不慮の事故"として伝えられるが実際は粛清だ
「……はあ、はあゾーマすまんな私がしくじったばっかりに」
「何言ってんだ！！……ここじゃアガルタを呼べねえから……安全な場所まで連れてくからもう少し踏ん張れ！！」
なぜこうなったかというと一時間前に遡る
俺とティサが所属しているエデンの園の襲撃部隊"侵略の幽霊(インバシオンスペクター)"の本部に戻った時のこと
「なあティサ……どうしよう、バレる自信しかないんだけど」
「まあどうにかなるだろ。危なくなればアガルタを呼べばいいだろ」
ティサは楽観的すぎるが多分根拠はアガルタの能力があれば逃げられることにあるんだろうが先輩がいる限り絶対じゃない
俺とティサはそう考えながら本部に入った。
ガラガラ
入ってすぐに聞こえたのは先輩の声だ
「おっ、帰ってきたか二人ともおかえりメロアとゼルバは任務に行ってていないからな……っでお土産はないのか？　現物じゃなくても話でもいいぞ二人の思い出話聞～か～せ～て～、ねっお願い……チラッチラッ、あははやっぱり気が向いたらでいいよ」
するとティサが
「もう隊長は任務の後いっつもそればっか聞いてくるじゃねえかよ」そう言ったあと俺に小声で聞いてきた
「なあゾーマ私たちがシノンに会ったことぐらいは言ってもいいよな？」
俺は二分ほど悩んだ結果
「まあそれぐらいなら……いいんじゃないか？」
「なんで疑問形なんだよって言いたいがそうもなるよな。じゃあ隊長に伝えてくる」
ティサはそういいながら走って行った
「なあなあ隊長……さっき思い出話聞かせてって言ってだろ……シノンたちに会ったんだよ。いやぁ元気そうだったぞ、うん」
「そうか聞かせてくれてありがとなティサ……で他には他にはな～にがあ～るの？」
なんか今日の先輩異様にテンションが高えな
俺がそう考えていると先輩が
「あぁそういえばゾーマ、ティサそれに……いるんでしょアガルタ、私が分かってないと思った？　ルミエルたちにも会ったんでしょ……まっそのことはボスには内緒にしといてあげるから安心して……私は何が合ってもゾーマとティサの味方だからね。まあそれはそれとしてゾーマそれにティサもしバレたのが私じゃなかったら粛清されんだから……誰か見てたかもしれないからね、一応の罰的な感じで……二人ともいっぺん死んで、大丈夫私は蘇生魔法持ってるから回数制限無しのやつをね。まあこれでも一応四天王の一人だからね。いつから四天王制度が出来たのか覚えてないけど…………さあ今から十秒数えるから思う存分逃げ惑えよ虫ケラが！！　そう簡単に捕まんなよ！！　せっかくだ私を楽しませてくれぇぇぇテメェらの恐怖に引き攣りもがき苦しむ様で私を魅せてくれ！！　あ～～た～の～し～み～だなぁ」
戦闘モード"狂"になった先輩は数え始めたので俺たちは全力で本部の中を逃げることになった。